重症者減少への期待のコロナ飲み薬「モルヌピラビル」年内調達か

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コロナ飲み薬に非常に大きな期待が広がる二つの理由

  • ワクチン接種率が頭打ちとなる中、効果の高い飲み薬が普及すれば、新型コロナで経済活動が制約されるリスクを軽減できる
  • 軽症者向けの治療薬で、抗体カクテル療法と呼ばれる抗体医薬が日本でも承認され効果は出ていますが、点滴薬という課題があり自宅療養を迫られる患者が増えた場合に備えたい

これらの理由でコロナの飲み薬はワクチン接種より期待が高まっている現状です。飲み薬の効果でコロナ以前の生活に世界が戻るのであれば、注目の的になるのも当然です。現時点でコロナ飲み薬に関して分かっていることを、朝日新聞10月5日朝刊「コロナ飲み薬 年内調達 特例承認へ政府 米製薬会社と交渉」の記事から情報を得てまとめてみました。

米ニューヨーク・タイムズによると、うまくいけば今年の年末までに承認される可能性があり、一人当たりの治療費は約77,000円で、抗体医薬の3分の1ほどになります。

コロナ飲み薬「モルヌピラビル」とは

米製薬大手メルクが開発している飲み薬で下記のようなカプセル薬のイメージです。写真は新聞から拝借させていただきました。

メルクは米バイオベンチャー「リッジバック・バイオセラピューティクス」と共同開発しています。服用方法は12時間おきに合計10回、5日間服用します。

モルヌピラビルの臨床試験で軽・中等症者入院リスクの半減という結果

メルクは10月1日、米英日などで臨床試験していたモルヌピラビルについて、軽症や中等症の患者が入院するリスクを半減できたと発表しました。

臨床試験は米国や日本を含む世界各国で実施しています。一例として、軽症や中等症の患者775人を2つのグループに分け、それぞれにモルヌピラビルと偽薬を飲ませました。偽薬を飲んだ377人では、約1ヵ月後までに53人が入院し、8人が亡くなりました。一方、モルヌビラビルの385人は入院が28人と半減、死者はいませんでした。

メルクは1550人規模まで患者を増やして試験する計画でしたが、今回の中間結果が良好だったため、第三者機関から追加の中止を推奨されました。緊急使用許可の申請を急ぎ、すでに生産も始めており、年内に1千万人分を作る予定です。米政府はすでに170万人分の購入契約を結びました。

日本でもモルヌビラビルの調達を急ぐ

日本政府はモルヌビラビルに関して早ければ年内に特例承認し、一定量を調達する方向で同社と交渉に入りました。メルクも近日中に米食品医薬品局に緊急使用許可を申請するほか、日本の厚生労働省にも製造販売の承認を申請する考えです。

日本国内で認められている軽症者向けの治療薬は、「ソトロビマブ」と交代カクテル療法の「ロナプリーブ」があります。いずれも点滴薬なので、比較的簡単に服用できる飲み薬モルヌビラビルへの期待は大きいです。世界的に需要が高まることが予想され、政府は必要な量を確保できるように交渉します。

因みに米政府は6月、メルクが開発に成功すれば170万回分を約1300億円で調達する契約を結んでいます。このような背景があるので、米ニューヨーク株式市場ではメルクの株価が急上昇しました。

飲み薬の開発社メルクの株価が急上昇

メルクの米ニューヨーク株式市場が値上がりしたのは、ワクチン接種率が頭打ちとなる中、効果の高い飲み薬が普及すれば、新型コロナで経済活動が制約されるリスクを軽減されるとの期待感が広まったためです

米金融会社キャンター・フィッツジェラルドは10月1日のリポートで、自宅で治療できる飲み薬は極めて必要だとして、治療の枠組みを変える必要があると指摘しました。米金融情報会社モーニングスターは、試験では副作用の報告が少なく、広く使われる可能性があるとし、2022年の売り上げは約3300億円に上ると予測しました。

現時点ではモルヌビラビルを使った際、症状の改善までどれぐらい時間がかかるかなど、公表されてないデータもあり、効果がはっきりしないところがあるもののメルクの株価は8%超も上昇しました。主要企業で作るダウ工業株平均は、前日より482.54ドル(1.4%)高い3万4326.46ドルで取引を終えました。(10月1日)

反面ワクチン製薬会社の株価は値下がり

一方で、ワクチンを作る製薬会社の株価は値下がりしました。効果の高い飲み薬ができることで、ワクチンの売り上げに影響が出ると懸念されたことが要因です。

米モデルナの株価は約11%下がり、ドイツのビオンテックも約6.7%下落しました。米ファイザーは他の治療薬を多く持ち、新型コロナ向けの飲み薬の開発も進めているので、なんとか約0.2%の値下がりにとどまりました。

結論:いよいよ来年にはコロナ以前の生活に戻るか

自宅療養を迫られる患者が増えた場合に備えて飲み薬への期待は大きく、米ファイザーやスイスのロシュ、塩野義製薬など国内外の製薬会社が開発を競っています。いずれも臨床試験の最終段階です。

もちろん、モルヌビラビルを使った際に、症状の改善までどれぐらい時間がかかるかなど、公表されてないデータもあり、効果がはっきりしないところがあるのも事実です。

それでも日本政府はモルヌビラビルに関して早ければ年内に特例承認し、一定量を調達する方向で同社と交渉に入りました。

現時点でコロナ飲み薬について得られた情報は以上です。

早くコロナ以前の生活に戻りたいですね。

それで飲み薬に関する動向は世界中の注目の的なので、新たな情報が確認できればまたお伝えしたいと思います。では。

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