治療薬の開発(新型コロナ含)に人工知能(AI)の導入で時短と改善はどの程度期待できる?

スポンサーリンク
スポンサーリンク

はじめに

新型コロナ用の飲み薬が、今インフルエンザで使われているかのように使用できるようになれば、コロナ禍以前の生活に戻る大きな要素ができることになります。

10月9日土曜日の朝日新聞の朝刊be report 「人工知能で製薬」既存薬調べコロナ治験にすぐ応用」から、人工知能(AI)が既にある薬を応用して新型コロナの創薬にどのように活躍するかの情報が得られたので内容をまとめてみました。

この記事では下記のことがざっくりと分かります。

  • AIはどんなふうに薬づくりに使われているのか
  • 薬の開発には多額の費用と長い期間がかかりますが、AIを導入することでどこまで改善できるか

AIが見いだした新型コロナの治療薬の例「バリシチニブ」

今年4月に認められた「バリシチニブ」(商品名オルミエント)は、AIが見いだした中等症から重症対象とした新型コロナの治療薬の一例です。

もともと2017年9月からバリシチニブは関節リウマチの治療薬として承認され国内で使われています。その後、アトピー性皮膚炎の治療でも認められました。英国の企業ベネボレントAIなどのチームが、世界保健機関が新型コロナを原因不明の肺炎として発表してから1ヵ月も経っていない昨年2月に、新型コロナの治療に使えるかもしれないと英医学誌で発表しました。

既存の薬を別の病気の治療薬として活用する、こうした手法は「ドラッグ・リポジショニング」と呼ばれています。副作用などの特徴がわかっているため、今回のパンデミックのように急いで治療薬を用意したいときには特に有効です。

医学論文などの大量の情報をAIで分析し、バリシチニブには新型ウイルスの細胞への侵入や肺炎などを抑える可能性があり、他の候補薬より優れていると指摘しました。これをきっかけに研究が進み、酸素吸入が必要な患者の肺炎の効果が確かめられました。

AIは新薬を作り出す出発点となる「リード化合物」を見つけだす

プリファードネットワークス(東京)の新薬の開発

東京のAIベンチャー、プリファードネットワークスは9月に京都薬科大学と共同で新型コロナ治験薬への出発点となる「リード化合物」を見つけたと発表しました。

同社は既に存在する化合物の情報などをもとに、コンピューター上で模擬的に新たな化合物を大量に作り、新型ウイルスの増殖に関わるタンパク質にくっついて働きを抑える候補となる化合物を探しました。

うまく作用するよう化合物の構造をさらに変えたりして、有望とみられる7つの化合物を見いだしました。実際に薬にするには、さらに改良していく必要があります。

薬は複数の元素でできた化合物から作られます。化合物の種類が膨大です。病気に関係するタンパク質にくっつき、病気につながる作用を邪魔する化合物は、薬の候補になります。

大日本住友製薬(大阪市)の新薬の開発

住友製薬は昨年1月、英企業エクセンシアと共同で開発した化合物を使った治験を始めたと発表しました。

エクセンシアのAI技術を用いて、平均4年半かかるとされる新薬候補を絞り込むまでの期間を1年未満で終えたとしています。

強迫性障害の治療薬を目指すとともに別の病気への薬の開発も進めています。

日本も「オールジャパン体制」でAI創薬に一丸となって臨む

欧米と日本の創薬開発の規模の違い

欧米では、製薬企業などがAI創薬に100億円規模の投資をすることが普通に行われている一方、日本の製薬企業は欧米より規模が小さく、多額の投資には足踏みをしがちです。

このため、日本は「オールジャパン体制」でAI創薬に臨む構えで、理化学研究所などの研究機関のほか、製薬企業17社とIT企業10社ほどが参加する、日本医療研究開発機構の事業が始まっています。

創薬開発に日本の多くの会社が一丸となる目的

IT企業含め、多くの会社がAI創薬に力を入れる大きな目的は、薬の開発の成功確率を高め、期間を短縮して開発費を抑えるためです。

京都大学の教授は、AIで最大限効率化できた場合の例をこうコメントしました。

従来の創薬では、1つの薬品の開発に平均1200億円かかる費用を640億円削減し、平均13年かかる開発期間を4年短縮することも可能になります。

同教授は国産スーパーコンピューター「富岳」で創薬用AIを動かすための準備を進めています。それでこう付け加えました。

AIで徹底的な効率化をしなければ、日本の創薬は海外に太刀打ちできません。

どのように各社が協力するのか

各社が持つ化合物や、それらが体内の物質にどんな作用をするかといった社外秘を含む情報を、秘密性を保ったまま活用し、化合物を新たにデザインしたり、副作用を最小限にしたりするためのAIを作ります。できたAIを各社の開発に利用してもらいます。

研究代表の理研チームリーダーはその課題についてこうコメントしました。

安全性の確保を筆頭に、創薬には数多くのステップがあり、それぞれを解決するために包括的なAIシステムが必要です。新たに作るAIの数は少なくとも100を超えます。

現時点で確認できた情報は以上です。

結論:薬の新薬の開発にAIを導入することでどれほどの費用と期間を削減できるか

AIで最大限効率化できた場合の例を挙げると、従来の創薬では1つの薬品の開発に平均1200億円かかる費用を640億円削減し、平均13年かかる開発期間を4年短縮することも可能になるということでした。

新型コロナ治験薬への出発点となる「リード化合物」を見つける方法は以下の通りです。

既に存在する化合物の情報などをもとに、コンピューター上で模擬的に新たな化合物を大量に作り、新型ウイルスの増殖に関わるタンパク質にくっついて働きを抑える候補となる化合物を探す。

うまく作用するよう化合物の構造をさらに変えたりする

薬は複数の元素でできた化合物から作られ、種類が膨大。病気に関係するタンパク質にくっつき、病気につながる作用を邪魔する化合物は、薬の候補になる

新型コロナ用の飲み薬が、早く適正に開発され、コロナ禍以前の生活に戻れることを期待したいと思います。新型コロナの治療薬に関する動向は全ての人の注目の的です。新たな情報が確認できればまたお伝えしたいと思います。では。

コメント

タイトルとURLをコピーしました