「中古のモバイルルーターを買ったのに、SIMカードを入れても一向に繋がらない…」
発売から年月が経ち、最新機種とは言えないWiMAX W01。バッテリーがヘタって眠っている方も多いかもしれません。
しかし、使い方を限定すれば、この機種はまだ十分活躍できます。
本記事では、W01が直面する大きな壁である「VoLTE SIMが使えない」という制約を理解した上で、あえてこの古いルーターを「非常用のデータ通信ルーター」として蘇らせる方法を解説します。
具体的には、W01が認識できるSIMの種類、必要な設定(APN)、そして今だからこそ実現できる格安運用プランを提案します。
古いルーターを無駄にせず、有効活用したい方は必見です。
1. なぜ今、W01を「非常用」として再利用するのか?
💰 W01の現状と再利用のメリット
WiMAX W01は2016年に発売された機種であり、現行のWiMAX 5Gルーターとは比べ物にならないほど古いモデルです。
しかし、以下の点から「非常用」や「予備機」としての価値があります。
- 端末代が安い(ほぼ無料):現在、中古市場やフリマアプリでは非常に安価、またはジャンク品として手元に眠っていることが多く、端末代をほぼかけずにルーターを入手できます。
- 用途を限定すれば十分:メインの高速通信は求めず、緊急時の連絡用や、シンプルなWeb閲覧などの用途に割り切れば、十分な通信速度を確保できます。
⚠️ 2025年現在のWiMAXサービスの状況
W01は、主にWiMAX 2+という規格で通信します。多くのプロバイダは現在、より高速なWiMAX +5Gへ移行を完了しています。
W01の対応サービスは縮小傾向にあるため、以下の点を理解した上で運用する必要があります。
- 5G通信には非対応:最新の高速な5G通信は利用できません。
- サービス終了リスク:W01が対応する古い規格のサービスは、将来的に終了する可能性があります。あくまで「非常用」として割り切りましょう。
2. W01再利用の最大の壁:「VoLTE SIM」と「SIMロック」
W01を再利用する上で、筆者が実際に失敗した最も大きな落とし穴が、SIMの互換性です。
🚨 筆者の失敗談:VoLTE SIMは使えない!
筆者はW04(後継機)で使えていたmineoのau VoLTE SIMをW01に挿入しましたが、何度設定しても**「圏外」**となってしまいました。原因は以下の2点です。
- 非VoLTE SIMに限定される:W01とW02は、au系SIMの中でもVoLTE(高品質な通話規格)に対応していない、古い規格のSIMしか認識しない仕様です。現在、新規で契約できるau系の格安SIMはほぼすべてVoLTE SIMのため、W01では使えません。
- SIMロックがかかっている:W01はSIMロックがかかっているため、au系/WiMAX系のSIMしか認識しません。ドコモやソフトバンク系のSIMは使用不可能です。
💡 W01を動かすためのSIM要件まとめ
3. W01を動かす!2025年版「非常用SIM」選び
現在の状況を考えると、W01の非常用活用は以下の選択肢に限定されます。
選択肢:古い「非VoLTE SIM」の再利用に賭ける
現実的な活用法として、現在利用しているキャリアやMVNOから、非VoLTE SIMへの切り替えや、過去に契約していた古いSIM(ただし有効期限内のもの)が手元にある場合に限られます。
重要な注意点: 2025年現在、新規で「au非VoLTE SIM」を契約することは事実上不可能です。W01での利用はすべて**「動作保証外」**となります。
4. W01で通信するための具体的な設定手順(APN設定)
運良くW01で認識可能なSIMを入手できた場合の、具体的な設定方法です。
💻 1. 管理画面へのログイン
PCまたはスマホをW01にWi-Fi接続した後、以下の手順で設定画面にアクセスします。
- Webブラウザのアドレスバーに
http://speedwifi-next.homeと入力してアクセス。 - ログイン画面で以下の情報を入力します。
- ユーザー名:
admin - パスワード:W01本体の背面下部に記載されているIMEIの下5桁
- ユーザー名:
⚙️ 2. プロファイル(APN)設定手順
ログイン後、利用するMVNOのAPN情報(接続先情報)を設定します。
- メニューから**[設定]**をクリック。
- **[プロファイル設定]をクリックし、[新規]**をクリックします。
- 以下の項目に、SIMカードに付属していたMVNOのAPN情報を正確に入力します。
- プロファイル名:任意(例:マイMVNO for W01)
- APN(接続先情報):MVNOが指定するAPN名
- ユーザー名 / パスワード:MVNOが指定する情報を入力
- 認証タイプ:通常は**[CHAP]または[PAP]**を選択
- **[保存]**をクリックし、設定を適用します。
- 設定したプロファイルを**「接続先」として選択**し、W01を再起動すれば通信が開始されるはずです。
🔒 3. 通信モードの確認(重要)
意図せず高額な料金が発生しないよう、LTEオプションを利用する「ハイスピードプラスエリアモード」は規制(オフ)に設定しておくことを推奨します。
5. W01を「非常用ルーター」として運用する上での注意点
W01を非常用として運用する場合、最新機種にはない特有の課題があります。安全かつ安定して使い続けるために、以下の注意点を必ず守りましょう。
5-1. 通信速度とエリアへの期待を下げて運用する
- 速度は最新機種に劣る:W01は旧規格のルーターです。最新の5Gやキャリアアグリゲーションに対応したルーターと比べると、体感速度は明らかに劣ります。高画質な動画視聴や大容量ファイルのダウンロードなどには向きません。
- 「非常用」と割り切る:用途を、メール、LINE、地図検索、シンプルなWeb閲覧など、緊急時や最低限の通信に限定して運用しましょう。
5-2. バッテリーの劣化と給電問題
筆者がW04からW01に買い替えを検討した動機が「バッテリーの劣化」であったように、W01も経年劣化が進んでいます。
- バッテリーは消耗品:中古で購入した場合や長期間使用していなかった場合、内蔵バッテリーは確実に劣化しています。駆動時間は期待しない方が賢明です。
- 給電しながら使う:非常用として使う際も、バッテリー切れを防ぐため、可能な限りモバイルバッテリーやUSB充電器から給電しながら利用することを推奨します。W01はMicro USBポートで充電可能です。
5-3. メーカー・プロバイダのサポートは終了している
W01はすでにメーカー(HUAWEI)やプロバイダでの正規取り扱いが終了しているため、端末に関するサポートは受けられません。
- 完全な自己責任運用:APN設定がうまくいかない、突然圏外になったなどのトラブルが発生した場合、ご自身で原因を切り分ける必要があります。
- ファームウェア更新の確認:古い機種のため、セキュリティ上の脆弱性が残っている可能性があります。念のため、公式サイトで提供されている最終のファームウェア(ソフトウェア)に更新済みかを確認しておきましょう。
6. まとめ:W01は「割り切れば」今も使えるガジェット
WiMAX W01は、高性能や最新の通信速度を求めるユーザーにはおすすめできません。
しかし、「VoLTE SIMは使えない」「通信速度は期待しない」という最大の制約を理解し、非VoLTEのデータ通信専用SIMと組み合わせることで、「バッテリーのヘタったメインルーターの予備」や「緊急時の備え」といったニッチな役割で、2025年においても十分に活躍する余地が残されています。
手元にW01が眠っている方は、捨てる前に一度、安価なデータSIMを試して再利用に挑戦してみてはいかがでしょうか。
その際は、本記事のAPN設定手順を参考に、通信の復活を目指してください。
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