🌟 導入:難解な一文から見つけた「万能フレーズ」
先日、人生における価値観について書かれたある文書を読んでいて、一つのフレーズで手が止まりました。それが “hold back” です。
私が読み解くのに苦労した文章は、このような構造でした。
…as though these were holding us back from pleasing God and Christ.
(…まるでこれら(家族の義務)が、神とキリストを喜ばせることから私たちを後ろに引き止めているかのように。)
直訳すると「後ろに引き止めている」となりますが、この文脈での意味がすぐに掴めず、“hold back” の多義性に気づきました。
“hold back” は、単なる「邪魔をする」だけでなく、「感情を抑える」「秘密にする」など、非常に多くのシーンで使える汎用性の高いキーフレーズです。
今回は、この「hold back」を徹底的に分解し、日常会話で自然に使いこなすための3つのパターンと、類語との違いをマスターしましょう!
🎯 必修!hold back の主要な3つの使い方
hold back の基本イメージは「何かを物理的・精神的に後ろに引き止める」ことです。
日常会話では、主に以下の3つのシーンで使われます。
1. 感情や反応を「抑える・こらえる」
感情が溢れ出すのを寸前でこらえる、というのがこの使い方の核心です。
怒りや笑い、特に涙をこらえる場面で頻繁に使われます。
感動的なニュースを聞いたとき、思わず込み上げてくる涙をこらえようとしますよね。
She couldn’t hold back her tears when she heard the news. (彼女はそのニュースを聞いたとき、涙をこらえることができませんでした。)
また、真剣な場で笑いを我慢するときや、パートナーに本音を言うのをためらうときにも使えます。
I had to hold back a laugh during the serious meeting. (私は真面目な会議中に笑いをこらえなければなりませんでした。)
You should never hold back your true feelings from your partner. (パートナーに本当の気持ちを隠したり抑えたりするべきではありません。)
2. 進歩や前進を「妨げる・邪魔をする」
これが、私が導入で気づきを得た使い方です。
目標に向かって前進しようとする力を、何か個人的な要因が後ろから引き止めている、というニュアンスを伝えます。
キャリアアップを考えているけれど、自信のなさがネックになっている場合などです。
His lack of confidence is holding him back from applying for the promotion. (彼の自信のなさが、昇進への応募を妨げています。)
また、チームの停滞の原因を探る際にも使えます。
We need to identify what is holding back our team’s progress. (私たちは何がチームの進行を邪魔しているのかを特定する必要があります。)
3. 情報や事実を「隠す・教えない」
これは、知っているはずの情報を意図的に提供しない、という意味で使われます。
何か秘密を抱えている、というニュアンスを伴います。
事件の証人が重要な情報を開示しない場合などが典型的な例です。
The witness was accused of holding back important details. (その証人は重要な詳細を隠しているとして非難されました。)
また、友人が何か悩んでいる様子を感じ取ったときにも使えます。
I asked if he was okay, but he seemed to be holding something back. (大丈夫か尋ねましたが、彼は何かを隠しているようでした。)
🆚 汎用性が高いからこそ知りたい!類語との使い分け
なぜ hold back が選ばれるのでしょうか?
それは、hinder や prevent といった単語に比べて、「人が努力して何かを抑え込んでいる」という感情的・視覚的なニュアンスが強いからです。
1. 「妨げる」の類語との比較:物理的な力 vs 心理的なブレーキ
💡 例文で比較!
私たちは、天候や環境などの大きな要因が計画を遅らせるときには hinder を使います。
The unexpected flood hindered the construction project for two weeks. (予期せぬ洪水が、建設プロジェクトを2週間遅らせました。)
一方、hold back は、その人自身の内面的な要因が前進を邪魔しているという、よりパーソナルな状況を表現します。
Her fear of failure always holds her back from trying new things. (彼女の失敗への恐れが、常に新しいことに挑戦するのを妨げています。)
そして、誰かが行動を起こすのを完全に阻止する、という強い意味では prevent を使います。
The security system was designed to prevent unauthorized access. (そのセキュリティシステムは、不正アクセスを防ぐように設計されています。)
2. 「感情を抑える」の類語との比較:瞬間的なこらえ vs 根深い抑圧
💡 例文で比較!
私たちは、目の前で感情が爆発しそうなのをグッと我慢するときには hold back を選びます。
I managed to hold back my frustration and remain polite. (私は何とかイライラする気持ちを抑えて、礼儀正しく振る舞いました。)
一方で、suppress は、過去の記憶や強い感情を長期間にわたって心の奥底に封じ込める、という、より心理的で重い状況で使われます。
He has been trying to suppress the painful memories of his childhood for years. (彼は何年もの間、子供時代の辛い記憶を抑圧しようとしています。)
💡 まとめ:あなたのボキャブラリーに「hold back」を!
今回の “hold back” の探求は、私自身にとっても非常に大きな発見でした。
一つのシンプルな句動詞が、「涙をこらえる」という感情の機微から、「キャリアを妨げる」という人生の壁、「秘密を隠す」という人間関係の葛藤まで、これほど幅広いシーンで使えるとは。
特に、hinder や impede といったかしこまった言葉ではなく、「hold back」という日常的で平易な言葉が、私たちの心の奥底の葛藤を表現できると知ったとき、英語表現の奥深さに感動しました。
もう、感情や前進を邪魔するものに遭遇したとき、適切な英語が見つからずに立ち止まる必要はありません。
「あのときの私は、自信のなさで一歩踏み出すのを躊躇したんだ」
My lack of confidence held me back from taking the first step.
「言いたいことがあるけど、今はこらえているんだ」
I have something to say, but I’m holding back.
“hold back” は、あなたの個人的な奮闘や葛藤を最もリアルに表現してくれる相棒となるでしょう。ぜひ今日からこのフレーズを意識して使いこなし、あなたの英語表現の幅を、そして人生の選択肢を広げてみてください!
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