「これ、ワックス塗った方がいいですかね?」
現場で後輩に聞かれて、皆さんはどう答えていますか?
ツヤがない床=ワックスが必要、という時代はもう終わりました。
写真の床を見て「おっ、いい弾きだね」とニヤリとできるようになったら、あなたも床のプロです。

でも、お客様の前で爪を立ててガリガリ確認するわけにはいきませんよね。
今回は、私がいつも腰袋に忍ばせている「あの道具」を使って、スマートにノンワックス床を見極める裏技を伝授します。
プロの仕事は、塗る技術と同じくらい「素材を見極める目」が重要なんです。
1. 写真から「素材の劣化」か「性能」かを見抜く
まず、この写真の状況を整理しましょう。
一見、カサついて見えるかもしれませんが、水の弾き方は「超」がつくほど元気です。
もしこれがワックスが切れて劣化した床なら、水はもっとベタッと広がって、最悪の場合は木目に染み込んでいきます。
でも、これだけ水玉が立っているということは、表面の**「EBコート」や「UV塗装」**がピンピンしている証拠です。
「ツヤがない=劣化」ではありません。
今は「あえてツヤを抑えたマットな質感」が高級仕様のトレンドです。
ここを勘違いしてワックスを塗ってしまうと、後で大変なことになるので注意が必要です。
2. スマートなプロは「ヘラ」で語る
「ワックスが乗っているのか、素地なのか、どっちだ?」 そう迷ったとき、僕が使うのは相棒の**「プラスチックヘラ(カーボンヘラ)」**です。
やり方は簡単。部屋の隅っこで、ヘラの角を「スーッ」と数センチ滑らせてみてください。
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何も削れない場合: ノンワックス確定です。素材の性能が生きているので、無理に塗る必要はありません。
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白いカスが「モロモロ」と出た場合: これは過去に塗られたワックスの層が残っているサインです。
3. 「モロモロ」が出た時の落とし穴
ここで一つ、大事な話をします。
「削れたってことはワックスが乗るんだな、よし塗ろう!」……これは一番危ない判断です。
ヘラで簡単に削れるということは、その古いワックスはすでに床から浮き上がっている(密着が切れている)状態です。
その上から新しいワックスを塗り重ねても、土台がグラグラなので、数週間で一緒にペリペリ剥がれてきてしまいます。
現場で一番怖いのは、この「密着不良」によるクレームです。
もしカスが出たのなら、中途半端に塗り重ねるのではなく、「剥離(ハクリ)してすっぴんに戻す」か、「表面を徹底的に研磨して土台を作り直す」か。
この判断ができるかどうかが、プロと素人の境界線です。
3. 「塗らない」という最高のサービス
判別の結果、ノンワックスだとわかったら。
ここで「せっかく来たんだから塗っちゃおう」はプロ失格です。
最近の高機能フローリングは、表面が緻密すぎてワックスを弾いてしまいます。
無理に塗っても、数ヶ月後に足の裏の摩擦でペリペリ剥がれてきて、「お宅が塗ったワックス、汚くなったんだけど!」とクレームの電話をいただくことになります。
そんなの、誰も幸せになりませんよね。
4. お客様には「価値」を伝えましょう
「塗らなくていいですよ」と言うだけでは、手抜きに見えてしまうかもしれません。だからこそ、プロとしての付加価値を言葉にします。
「お客様、この床は非常に良いもので、表面の保護機能もしっかり生きています。今ワックスを塗ると、逆に汚れを抱き込みやすくなったり、剥がれたりして、この綺麗なマット感を台無しにしてしまうリスクがあるんです。今日はワックスの代わりに、除菌洗浄で素材そのものの美しさを引き出す仕上げにしておきますね!」
こうお伝えできれば、お客様の信頼は一気に上がります。
まとめ
現場で一番大事なのは、ワックスを塗るスピードではありません。
**「この素材に、今何が必要か」**を正しく見極める目です。
写真のような水玉を見つけたら、まずは焦らずヘラを取り出すこと。
自分の腕を信じる以上に、まずは素材の声を聞ける職人を目指しましょう!
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