「誰もそんなこと言ってないよ」――現場で気付いた思い込みの怖さ【シリーズ第1話】

はじめに

こんにちは。私は普段、ハウスクリーニングの仕事をしています。

仕事をしていると、お客様だけでなく、現場管理者の方とのやり取りも大切です。同じ会社の仕事でも、管理者によってチェックするポイントや考え方には少しずつ違いがあります。

そんなある日、「思い込み」が不安を大きくしてしまうことを実感した出来事がありました。


以前、ある現場で、ごく小さな汚れについて現場管理者の方から指摘を受けたことがありました。

もちろん、その指摘はありがたく受け止め、次からは気を付けようと思いました。

その後、別の現場管理者の方と話す機会があり、私は何気なくそのことを話しました。

「以前、このような点を指摘されたことがありまして……。」

すると返ってきた言葉は、予想もしないものでした。

「え? 誰もそんなこと言ってないですよ。」

一瞬、拍子抜けしました。

私は、一度指摘を受けたことで、「きっと他の管理者の方も同じように思っているんだろう」と、知らないうちに決めつけていたのです。

でも実際は、その方の考え方だっただけかもしれません。

この経験から気付いたことがあります。

人は一度注意されると、その出来事を必要以上に大きく受け止めてしまうことがあります。

そして、「また言われるかもしれない」「みんなも同じように見ているに違いない」と、自分の中で話を広げてしまうのです。

もちろん、改善すべき点は素直に受け入れることが大切です。

でも、一人の意見を「みんなの意見」に変えてしまう必要はありません。

事実と、自分の思い込みは別だからです。

仕事だけでなく、人間関係でも同じことがあるように思います。

相手は何とも思っていないのに、自分だけが「嫌われたのではないか」「責められているのではないか」と考え込んでしまうことがあります。

そんな時、誰かのたった一言で気持ちが軽くなることがあります。

実は英語にも、相手を安心させるこんな表現があります。

  • Nobody said anything about that.
    「それについては誰も何も言っていませんよ。」
  • Nobody thinks that way.
    「誰もそんなふうには思っていませんよ。」
  • No one brought that up.
    「誰もその話題にはしていませんよ。」

どれも、「気にしなくて大丈夫ですよ」という優しさを伝える表現です。

私自身、現場で「誰もそんなこと言ってないですよ」と言われたことで、自分が思い込みにとらわれていたことに気付くことができました。

仕事では改善を続けることが大切です。しかし同じくらい大切なのは、必要以上に自分を追い込まないことなのかもしれません。

次回は、チームで仕事をしている中で感じた、もう一つの出来事をご紹介します。

誰も仲間外れにしようとは思っていなかったのに、一人で壁を作り、少しずつ孤立していった人の姿から学んだチームワークについて書いてみたいと思います。

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