「この作業、もっと楽にならないか?」
清掃業者なら誰もが直面する、居酒屋ビルの複雑な階段手すり。
特にカーブしたステンレス格子は、排ガスと固着した油汚れで真っ黒になり、拭き上げに時間がかかりすぎるのが大きな悩みです。
本記事では、私たちが半年間の試行錯誤を経て確立した、効率を劇的に向上させる清掃メソッドをご紹介します。
使用するのは、実は身近な「神アイテム2種類」だけ。
これだけで、一本一本の手すりを拭きムラなく、鏡のように光らせることが可能です。
他では聞けない、プロの時短テクニックをご覧ください。
1. 【問題提起と現場の特殊性】なぜ、この階段清掃は「最悪」なのか?
今回の現場は、人通りや車の往来が多い居酒屋ビルに設置された、回転式のステンレス格子階段です。
下の写真のような居酒屋ビル。

近づいて下から見上げるとこんな感じです。

中に入ると、このような柵になっています。

この現場が他の清掃現場と一線を画す「厄介さ」は、以下の3点に集約されます。
🚨 難関ポイント
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無数のカーブ(R)形状: 一直線ではないため、普通の雑巾では拭き上げに時間がかかり、拭きムラができやすい。
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排ガスと水アカの複合汚れ: 車の排ガスに含まれる油分(カーボン)と、雨風による水アカが混ざり合った複合的な頑固汚れであり、ただの水拭きでは落ちません。
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固着した有機物汚れ: 残念ながら、飲酒されたお客様による嘔吐物などの有機物(タンパク質)が固まり、黒くガチガチにこびりついている箇所が点在します。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、清掃前の格子の状態はこんな感じ。

半年間隔で拭いているのでそれほど黒くなっていませんが、車や電車が右往左往に通る位置なのですごい排ガスの汚れ。
濡れた雑巾で一拭きするだけで見事に真っ黒になります。
特にこの複合汚れは、通常の手順では「擦りすぎによるステンレスの傷」のリスクを高め、作業時間が一本あたり30秒以上かかってしまう原因でした。
次のステップからは、この課題を解決し、作業時間を1/3に短縮した具体的なノウハウを解説します。
2. ステップ1:広範囲の排ガス汚れを超時短で除去する方法(メラミンスポンジ活用術)
まずは、階段手すり全体に付着した排ガスによる黒い汚れ(油分とカーボン)を、いかに早く、そして拭き筋を残さずに除去するか、が重要です。
🛠️ 神アイテム(その1):巨大カットのメラミンスポンジ
メラミンスポンジはハウスクリーニングの定番ですが、この現場で重要なのはその「使い方」と「サイズ」です。

1. スポンジの準備と使い方
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サイズ: 市販のメラミンスポンジを、作業効率を上げるために15cm角程度の大きな塊にカットします。
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水分量: メラミンスポンジを水で濡らした後、強く絞りすぎないのが最大のポイントです。水分を多めに残しておくことで、研磨面がスムーズになり、汚れをキャッチした後の水分が、拭き跡を残さず蒸発してくれます。
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拭き方: 格子の上部から下部へ向かって、力を入れすぎずにスーッと一方向になでるように拭きます。カーブにも追従するため、手早く広範囲の汚れを吸着できます。
2. 時短効果の秘密
メラミンスポンジの微細な研磨力により、化学洗剤を使わずとも排ガス汚れの層を物理的に除去します。
そして、適度に残した水分のおかげで、拭いた後に残るはずの「乾き筋」が発生せず、乾拭きが不要になります。
この手順だけで、ステンレスが光沢を取り戻し、大幅な時間短縮を実現します。
3. ステップ2:R部分の固着汚物を傷つけずに剥がす100均裏技
次に厄介なのが、格子の側面にガチガチにこびりついた、お客様が残した有機物(嘔吐物など)の固着汚れです。
乾燥し、カチカチに黒く変性したこの汚れは、洗剤では溶けず、従来のステンレスたわしでは手すりを傷つけるリスクがありました。
🛠️ 神アイテム(その2):100均の厚手スクレーパー
この超難関汚れには、意外にも100円ショップで見つけたアイテムが「特効薬」でした。
1. 道具の具体的な特徴
使用するのは、刃先が「クイっと曲がっている」形状の樹脂製(プラスチック)厚手スクレーパーです。
樹脂製であるため、ステンレスの表面をガリガリと擦っても傷がつきにくいのが最大の利点です。
2. 除去手順
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軽く洗剤を塗布: 汚れを少し湿らせる程度に、中性洗剤や弱アルカリ性洗剤を噴霧します。
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R形状に合わせる: スクレーパーの曲がった刃先を、ステンレス格子のR(カーブ)形状にぴったりと合わせます。
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ひっかくように擦る: ガチガチに固まった汚れに刃を食い込ませ、**「ひっかく」**ように力を入れて擦ります。樹脂製の刃がしなりながら、固着した汚れを物理的に剥がし取ってくれます。
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仕上げ: 汚れを剥がし取った後、念のためメラミンスポンジで軽く拭き、アルコールや次亜塩素酸などで必ず消毒・除菌を行いましょう。
この裏技により、これまで最も手間と時間がかかっていた「固着汚れの除去」作業が、安全かつ迅速に完了します。
4. ステップ3:仕上げと外壁(隣接店舗の油汚れ対策)
手すり格子の清掃が完了したら、現場を仕上げていきます。
🚪 隣接する中華料理店の油汚れへの対処法
今回の現場の1階には、隣接する中華料理店からの排気による油分が、外壁の白いタイルに付着し、分厚い油の層を作っていました。
このような隣接店舗の影響による油汚れは、一般的な洗剤では歯が立ちません。
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対応策: 油汚れ専用の強アルカリ性洗剤を塗布し、十分な時間を置いて(約5〜10分)汚れを分解させます。その後、ブラシで擦り、高圧洗浄や大量の水で完全に洗い流すことで、油の層が除去され、タイル本来の色を取り戻します。
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※注意: 強アルカリ性洗剤を使用する際は、必ずゴム手袋、ゴーグルを着用し、周囲の素材(アルミなど)に変色がないかを確認しながら作業してください。
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最終チェック
全作業が完了したら、階段を上り下りしながら、光の当たり具合を変えて最終的な拭きムラがないか、そして固着汚れが完全に除去されているかを入念にチェックします。

5. まとめ:この現場から学んだ「効率」と「道具選びの重要性」
居酒屋ビルの回転階段という特殊な清掃現場から学んだ教訓は、「道具選びが作業効率の全てを決める」ということです。
🏆 この現場の神アイテムと役割
もしあなたが同様の「カーブ階段」や「ステンレス手すりの清掃」で悩んでいるなら、ぜひこの「神アイテム2選」を試してみてください。
あなたの作業ストレスと時間を大きく軽減してくれるはずです。
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