🚨 「古い風呂場の換気扇、分解したいけど、ネジ穴が合わなくなって復旧できなかったらどうしよう…」
ハウスクリーニングの現場で、あなたはそう躊躇して、つい下から洗剤をスプレーして済ませていませんか?
以前の私も全く同じでした。
分解作業は時間がかかり、特に天井奥での「ネジ穴合わせ」は最大の壁です。
しかし、お客様に最高の仕上がりを提供し、かつ作業を効率化するためには、換気扇の完全分解洗浄は避けて通れません。
本記事では、私が実践を重ねて自信をつけた、古い換気扇のカバーとファンを「確実」に外して「時短」で復旧させるための手順と極意を徹底解説します。
分解に踏み出せないあなたが、明日から躊躇なく作業をマスターするための具体的なコツをお伝えします。
1. なぜプロでも分解をためらうのか?
まず、私たちが古い換気扇の分解をためらう理由を明確にしておきましょう。
これはあなたが無能だからではなく、リスクを理解しているプロの証拠です。
-
復旧できないリスク: 最も大きな不安要素です。特に天井裏でネジを落としたり、組み付け時に穴の位置がずれたりすると、そこで大幅なロスタイムが発生します。
-
時間の投資(コスト増): 通常洗浄より分解は確実に時間がかかります。「どうせ見えない部分だし」と割り切り、分解を避けてしまうケースが多いでしょう。
-
予期せぬトラブル: 固着していて部品が外れない、プラスチックが劣化して割れてしまうなど、古い設備特有のトラブルへの懸念があります。
しかし、これらの不安を乗り越えて分解洗浄を行う方が、結果的に「時短」につながることを、私は確信しています。
なぜなら、次に説明する「黒いスス汚れ」は分解しなければ徹底的に落ちないからです。
2. 【準備編】これだけは用意したい工具と照明
古い換気扇の分解・復旧作業で最も重要なのは「準備」です。
特に天井裏の暗闇で作業するため、光の確保と適切な工具が成功を左右します。
【プロのコツ】ネジ・ビス・ワッシャーの紛失防止策
外したビスやナットは、作業場所から離れた浴槽の縁やカウンターに置くのではなく、必ず手の届く範囲の明るい場所に用意したマグネットシートの上に置いてください。
特に、ファンのロックナットの下にある小さなワッシャーは、分解時に最も紛失しやすいパーツです。
分解したら即座にマグネットシートに隔離し、「ネジ穴のズレ」と共に作業者が最もつまずきやすいトラブルを未然に防ぎましょう。
3. 【分解編】古い換気扇カバーとファンを外す手順
今回の現場の換気扇は、黒いドラム型のカバーが付いた古いタイプでしたが、基本的な手順は共通です。
ステップ1:黒いドラム型カバーを外す
-
固定ビスを探す: 換気扇の吸い込み口の内側を覗き込み、カバーを固定しているビス(ネジ)を探します。今回のケースでは4つのビスでした。
-
ビスを外す: ドライバーを使って4つのビスを慎重に外します。
-
カバーを揺らして外す: ビスを外したら、カバーを下から手でガタガタと軽く揺らすと、多くの場合あっさり外れます。
⚠️ 注意点: ビスの位置が浅いか深いかは機種によります。深い位置にビスがある場合は、必ず長いドライバーを使用してください。無理な姿勢で作業すると、ネジを落としやすくなります。
ステップ2:ファン(シロッコファン)を外す
-
ロックナット(またはネジ)を確認: カバーを外すと、中心にファンをモーター軸に固定しているナットまたはネジが見えます。
-
ロックナットを緩める: プライヤーやレンチでナットを反時計回りに回して緩めます。
-
ワッシャーの回収: ロックナットを外した瞬間に、その下にあるワッシャー(平たい金属の輪)が落ちてくる可能性が非常に高いです。真下で受け止め、絶対に無くさないようにマグネットシートの上に保管してください。
-
ファンをゆっくり引き抜く: ナットとワッシャーを外せば、ファンは軸から垂直に引き抜くだけで簡単に外れます。
(分解完了時の写真:外したファンとカバー)

これで、黒いカバー、ファン、ワッシャー、ロックナットの分解が完了です。
4. 【洗浄編】黒いスス汚れはアルカリ洗剤で一発クリア
取り外したファンとカバーには、湿気とホコリが混ざり合った「湿ったススのような黒い汚れ」がびっしり付着しています。
この汚れは見た目は強烈ですが、キッチンの油汚れほどしつこくありません。
-
まず水で予洗い: まずは水とブラシを使い、汚れの層を物理的にこそぎ落とします。これだけでもかなりの汚れ(スス)が落ちます。
-
アルカリ性洗剤をたっぷり噴霧: この汚れにはアルカリ性の洗剤が非常に有効です。たっぷりと吹き付け、数分間放置して汚れを分解させます。
-
シャワーですすぐ: 熱めのお湯でシャワーをかけるだけで、洗剤が汚れを浮かせているため、ほとんどの黒いススが流れ落ち、見違えるほどピカピカになります。
✅ 時短の秘訣: 洗浄が簡単なため、分解・復旧の手順さえマスターすれば、トータル時間で見ても分解洗浄の方が圧倒的に効率的です。
5. 【復旧編】『分解より難しい』ネジ穴合わせを成功させるコツ
分解は勢いでできますが、復旧は冷静さとコツが必要です。
特に暗い天井裏で、わずか数ミリのネジ穴を合わせる作業は、作業者の最大の壁です。
🚨 作業者が最もつまずきやすい3つのポイント
私の経験から、プロの作業者でも思わず「イラッ」としてしまう、タイムロスに直結するポイントは以下の3つです。
私が実践している「復旧を確実にするための3つの極意」を紹介します。
極意1:ファン復旧は「軸の溝」と「ワッシャー」で決まる
ファンをモーター軸に戻す際は、軸の切り欠き(溝)とファンの穴の位置をしっかり合わせて奥まで押し込みます。
-
ワッシャーを先にセット: ロックナットを締める前に、ワッシャーをモーター軸に落とし込みます。ワッシャーが軸に沿ってまっすぐ入っているかを確認してから、ロックナットを手で軽く締め始めます。
-
最後に工具で固定: ナットが手で回らなくなったら、プライヤーやレンチでガタつきがない程度にしっかり締めます。
極意2:カバー復旧は「仮止め」と「照明」で成功させる
4つのビスを同時に合わせるカバーの復旧作業は、特に難しく感じられます。
-
照明を集中させる: 自転車用ライトを天井に固定し、ネジ穴が最も明るく見える角度を探します。光の角度を変えるだけで、穴の位置が格段に見えやすくなります。
-
4点「仮止め」を徹底: 4つのビス穴のうち、まず対角線上の2点にビスを入れ、完全に締めずに指で軽く止まる程度に仮止めします。
-
残りの2点も仮止め: 本体とカバーの穴の位置が定まったら、残りの2点も同様に仮止めします。
-
本締めは対角線順に: 4点すべてが仮止めできたら、対角線上の順に、少しずつ均等に力を加えてビスを締めていきます。
極意3:「慣れ」という名の時間の投資を受け入れる
このタイプの換気扇の分解・復旧は、間違いなく「慣れ」が最も重要です。
初めての作業で時間がかかっても、それは将来の「時短」のための貴重な投資です。
面倒くさがらずに数をこなし、ネジ穴の位置、ビスの長さ、適度な締め付けトルクを体に覚え込ませることが、最短のマスターへの道です。
6. まとめ:換気扇分解は「慣れ」という名の時間の投資
私も以前は、分解後の復旧作業を恐れていました。ビスを紛失したり、穴が合わずに何十分も天井を見上げて焦ったり… その不安から、つい簡単な拭き掃除で済ませていた時期もあります。
しかし、この分解・復旧の手順をマスターしてからは、お客様に胸を張って「完全洗浄です」と言える喜びと、何よりもあの漆黒のスス汚れが流れ落ちてピカピカになる爽快感を知りました。
分解作業は、技術職としての自信を大きく高めてくれます。確かに最初は時間がかかるかもしれません。しかし、それは決して無駄ではなく、将来の「確実な時短」と「最高の仕上がり」のための「慣れ」という名の貴重な時間の投資です。
-
分解はビスを外すだけ。ネジとワッシャーの紛失防止が最重要。
-
洗浄は黒いスス汚れにアルカリ洗剤を使えば一瞬でピカピカに。
-
復旧は照明を使い、4点仮止めでネジ穴合わせの難易度を劇的に下げられます。
もう、分解を躊躇する必要はありません。この手順を実践し、あなたも「古い換気扇の分解は得意だ」と言えるプロの仲間入りをしましょう。
もし、このタイプよりも難易度の高い、モーターごと引っ張り出すタイプの換気扇に挑戦したい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
スポンサーリンク


コメント