浴室扉アクリル板の白い垂れ跡→「汚れ」と間違ってムキになるな

ハウスクリーニングベテランの作業者でも、実際には素材の欠損なのに「汚れ」と間違えて「何とかしなければ〜」とムキになって色々やってみたけど何も変わらず、時間と労力を浪費した、という経験があるのではないでしょうか?

なので、作業者にとってその状態が「汚れ」なのか素材の腐食や傷なのかをいかに早く見極めることができるかが、貴重な時間を無駄にせず、作業効率をアップする重要な要素になります。

よく、汚れと間違われてしまう一つは、このような浴室のアクリル板の扉の白い垂れ跡です。

真ん中の方にうっすらと垂れ跡のようなものがあるのが見えるでしょうか?

これって、水垢とか石鹸カスの液体の固まったものに見えますが、素材そのものが溶けた状態です。

それを何とかしようとして固いもので擦ると、逆に傷をつけてしまい余計汚らしく見えてしまいます。改悪。

何とかならないのでしょうか?

汚れではないので、洗剤では消えません。

 

実はこの写真、同僚が作業した仕上がりの状態なのですが、仕事依頼の担当者に「この垂れ跡は何をやっても取れませんでした。」とメール報告しました。

ここで文句を言っても仕方ないのですが、「何をやっても取れませんでした」では言葉足らずで、もうちょっと説明を加えるべき…

というのは、その担当者はまだ新しい人で、どう見ても汚れにしか見えず、自分でも固いスポンジで擦ってみた… けれども横向きに傷がついただけで余計汚らしくなった… それで、たまたま近くで作業していた私に声をかけてきて、「これ何とかなりませんか?」と尋ねてきたわけです。

私はこう答えました。

「これは同僚が報告しましたように何をしてもこれ以上は消えません。というのは、この垂れ跡は一見汚れに見えますが、素材が化学変化した状態で、溶けてしまっているためです。」

「よく間違えられるのですが、「汚れ」と思ってムキになって固いもので擦ると逆に傷がついてしまいます…」「ネット上でもこのような情報は結構出ていますよ。」

その方は、渋々納得してくれました。こう聞かれたので、

「次の入居者に我慢してもらうか取り替えるしかないんですね?」

「残念ながら、清掃では汚れの除去以上のことは無理です。」と回答しました。

 

ちなみにあるサイトではこのように説明してくれていました。わかりやすいと思います。

アクリル樹脂は酸やアルカリにはある程度の耐性がありますが、有機溶剤やアルコール類には弱く溶けたりヒビが入ったり白濁したりします。 一般家庭では化粧品や日焼け止めクリーム、オレンジクリーナー等で変質させてしまうケースが多いようです。余談ですがレモンの皮に含まれる成分等でも溶けることがあります。

石油からできたアクリル板なので、同じような成分が原料の、化粧品や洗剤が付いた場合に、素材同士が非常にくっ付きやすく、取り込まれて取れなくなった

 

では、交換するとなると費用はどれくらいになるのか、気になるところですが別の話になるので、ここでは省略します。

 

ところで、ハウスクリーニング作業者として困るのは、素材の変質を「汚れ」と間違えられてクレームとして扱われることです。

今回のことの他にもこのような例があります。

例えば、「フローリングWaxに水滴跡のような「汚れ」がついている」という内容。

これは、水滴状にWaxが溶けた状態なので、拭いても拭いても取れないのは当たり前の話です。

対処方法としては、下記の方法が考えられます。

  • その板だけ剥離をかけWaxを塗る
  • 溶けたところだけにWaxを塗り足して、もう一度全面にWaxを塗る
  • 部屋全面を剥離

それぞれの下記の記事を参照できます。

いざという時のフローリングの部分剥離のコツと注意点 塗りかすれを綺麗に修正できます

【フローリング】水滴のようなWax剥げ跡をきれいに見せるには!

床材が浮かないフローリングのワックス剥離の方法

ハウスクリーニングをする以上、必ずあることなので、このスキルは必須だと思っています。

 

後、汚れと傷とを間違われやすい例として、最近このようなことがありました。

これは洗面台の下の扉についている白い斑点です。汚れのように見えますが、素材が溶けた状態です。

化粧品や何かのクリームが飛び散った跡かと思われます。素材にピッタリくっついて侵食させてしまったんですね。

濃色の洗面台扉の白い斑点→汚れか素材の腐食かの判別が難しかった

 

ということで、今回はここまでにしますが、今後もハウスクリーニングの仕事で経験したことを投稿していきたいと思います。

良かったら、またご覧ください。

では。

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