こんにちは。ハウスクリーニング歴30年超のエムケンです。
❌ あなたの会社ではまだ、床を波打たせた失敗した方法で剥離をしていませんか?
「フローリングのワックス剥離は面倒だ」「床材が波打つリスクが高いから、できれば避けるべき作業だ」―そう考える業者は多いかもしれません。
そして、実際に部屋全体のフローリングが見事に波打ってしまったという失敗を経験したにもかかわらず、いまだに事務所や店舗の床と同じように剥離剤を広範囲にたっぷり撒いて作業を続けている現場もあると聞きます(現に私の会社でもそうです)。
そのやり方は、床材を痛めるだけでなく、剥離作業中の床が滑りやすくなり、転倒リスクが高まるという重大な安全上の問題も引き起こします。
✨ 30年の経験が導き出した「最小リスク」の独自メソッド
私は、このリスクと危険性を避けるため、長年の試行錯誤の末に独自の方法を確立しました。
それが、一度の作業範囲を1メートル四方以下に限定する「極小範囲作業」です。
この手法を貫いている私は、今のところ床材に異変が生じたことが一度もありません。
なぜなら、広範囲を水浸しにせず、表面のワックス層だけを剥離しているからです。
一見、非効率に見えるこの「チマチマ作業」こそが、床材の変質を完全に防ぐ唯一の方法であり、作業時間もポリッシャーを使う大規模作業と大差ありません。
本記事では、私が実際にマンションの現場で行った、床材を全く傷めずにワックスを完璧に剥がす手順と、その際に必須となる「極小範囲作業」の具体的なコツ、そして最適な業務用剥離剤の選び方まで、30年プロの秘訣を全て公開します。
「フローリングの剥離は怖い」という常識と、危険な作業方法を今日で覆しましょう。
🚨 なぜ従来の「たっぷり撒く剥離」は危険なのか?(失敗事例の共有)
【あなたの会社でも発生?】フローリングが波打つメカニズム
従来の「剥離剤をたっぷり、広範囲に撒く」方法は、一見効率的ですが、フローリング材には最悪の結果をもたらします。
フローリングは、水気に弱い木材や合板でできています。
広範囲に水分(剥離剤を含む)を大量に放置すると、床材がその水分を継ぎ目から吸い上げます。結果、床材が膨張し、表面が波打ったり、角がめくれて木が浮いてくるという現象が高確率で発生します。
大規模作業で水分を回収するまでに時間がかかるほど、このリスクは増大します。
滑る・転倒!作業中の安全リスクを見過ごすな
床材が傷むリスクだけでなく、作業者の安全も脅かされます。剥離剤を大量に撒き、広い範囲で溶解したワックスと剥離剤が混ざった汚水が溜まると、床面は非常に滑りやすくなります。
この環境で、重いバキュームやポリッシャーを操作することは、滑って転倒し、怪我をするという重大な事故リスクを伴います。
あなたの身体を守るためにも、危険な大量散布は今すぐやめるべきです。
諦める必要はない:表面のワックスだけを剥離する方法
これらのリスクがあるからといって、剥離作業を諦める必要はありません。
私が目指すのは、床材の深部に水分を到達させず、表面のワックス層だけを確実に分解・除去することです。
この「表面だけ」の作業に特化することで、床材に異変が生じることはなくなります。
🛡️ 【独自手法】床材を絶対傷めない「極小範囲作業」の論理
結論:一度の作業範囲は「1メートル四方」が限界
私の独自手法の核は、水分が床材に浸透する時間を物理的に与えないことです。
これを実現するために、一度に剥離作業を行う範囲を「1メートル四方くらい」に厳しく限定します。
この狭い範囲であれば、剥離剤がワックスに反応する数分の間に、床材が大量の水分を吸い込む前に汚水を回収することが可能です。
この「チマチマ作業」こそが、床材を守るための唯一の論理的な結論です。
作業効率は落ちない!ポリッシャー vs 手作業の真実
「手作業だと時間がかかる」と思われがちですが、それは大きな誤解。
大規模作業では、道具の準備・後片付け、汚水の回収、そして何より床材が浮いた場合の補修という莫大な時間的リスクがあります。
私の経験上、2DK全体の剥離作業でも、ポリッシャーを使う大規模作業と手作業の時間差は1時間もありません。
手作業の方が、コードが邪魔にならず、靴跡がつく心配もなく、確実に、素材に優しく仕上げられます。安全性(滑らない)の面でも圧勝です。
プロが選ぶべき剥離剤:床材を傷めないための選定基準
市販の剥離剤は効力が弱く、きれいに剥がしきれません。
プロとして使うべきは業務用の剥離剤ですが、重要なのは選定基準です。
床下に浸透しやすいシャバシャバしたタイプの剥離剤は避けるべきです。
私が推奨する「オールゴー」のように、剥離力がありながらも、床材への影響を最小限に抑える製品を厳選し、水で3分の1程度に希釈して使うことが、安全な作業の前提となります。
🛠️ 【写真で解説】30年プロが実践する剥離作業の具体的な手順
準備:剥離剤の希釈と「水バケツ」の重要性
現場に入ったら、すぐに作業に取り掛かりたい気持ちは分かりますが、この準備が床材の運命を左右します。従来の「たっぷり撒く」作業との最大の決別点は、水の管理です。
- 剥離剤の準備:
- 剥離剤は、私が様々な製品を試した結果、剥離力と床材への優しさを両立させた**「オールゴー」**を使用します。
- 希釈割合は、水で3分の1程度を目安とします。剥離力がありながらも、床材への浸透リスクを最小限に抑えるバランスです。
- バケツの準備:
- 必ず2つのバケツを用意します。
- 黄色(または別色)のバケツ: 希釈した剥離剤液を約3cmの深さだけ入れます。これ以上は不要です。
- 赤色(または別色)のバケツ: 汚水回収用ではない、かなたわしを湿らせるための水を入れます。
- 必ず2つのバケツを用意します。
- 【最重要警告】水を床に撒くのをやめなさい!
- ここが、失敗業者と私との決定的な違いです。
- 剥離剤液をバケツごと床にひっくり返したり、広範囲に大量に撒き広げたりする行為は、絶対にやめてください! この行為こそが、床材に剥離剤が混じった水分を吸わせ、数日後に床が波打つ原因となります。私の手法は、あくまで「表面のワックス層だけを剥離する」**ことに特化しています。水分は最小限に抑えます。
極小範囲で塗布・反応させる(乾く前に勝負)
1メートル四方の「極小エリア」から始める
作業範囲を一度に広げないこと。必ず1メートル四方の範囲から作業を始めます。
- 剥離剤の塗布:
- 黄色バケツの剥離剤液を浸した雑巾(またはスポンジ)を使います。
- 塗布するときは、ただ液を広げるのではなく、スポンジで擦りながら回転させるようにして床全体に液を馴染ませるように2回塗ります。この動作で、古いワックス層に剥離剤を素早く浸透させます。
- 反応を待つ(乾く前に勝負):
- 液を塗布すると、ワックスと剥離剤が反応し、塗った箇所が青白く変化するのが確認できます。
- この青白く反応した状態がベストタイミングです。 表面が乾き始める前に、次の工程に移る必要があります。剥離剤が乾いてしまうと、きれいに剥がれず二度手間になります。

⚠️ 絶対に守れ!最小限の水と「かなたわし」で軽く擦る
最も重要かつデリケートな工程です。ここでの水の量が、床材が浮くかどうかの命運を分けます。
- 水の供給:
- 赤バケツの水を「チャパチャパ」とごく少量だけ、剥離剤を塗った部分にかけます。
- 【繰り返し警告】バケツの水をドバっと流し込んだり、床全体を水浸しにしたりすることは絶対にやめてください! 目的はワックスの溶解を助けることであり、床材を濡らすことではありません。
- かなたわしでの作業:
- 水をかけたら、すぐにかなたわしで軽く擦ります。
- 力を入れすぎず、スウっと撫でるように回転させるのがコツです。この軽い動作で、溶解したワックスが浮き上がります。
- 剥離の確認:
- 汚水の状態で分かりにくいですが、剥離された面がマットな状態になり、ワックスが綺麗に剥がれていることを確認します。中途半端な状態で拭き取らないように注意してください。
完璧な剥離を確認後、素早く汚水を回収する
「極小範囲作業」のメリットを最大限に活かすためにも、溶解した汚水は迅速に回収することが重要です。
- 回収の判断基準:
- かなたわしで擦り終えたら、必ずそのエリアのワックスが完全に剥がれているかを確認してください。
- 剥がし残しがある状態で拭き上げると、その部分が剥離前の状態に戻ってしまい、結局また同じ作業を繰り返すことになり、二度手間になります。
- 完璧に剥離ができると、濡れていても床面がテカテカせず、マットな状態になっていることが見て取れます。
- 汚水の回収:
- 剥離が完了したエリアの汚水を、モップを使って素早く回収します。
- 汚水を床に放置する時間が長ければ長いほど、水分が床材の継ぎ目から浸透するリスクが高まります。スピードを意識してください。
- 仕上げの拭き取り:
- 汚水を回収した後、濡れ雑巾を使って床面を綺麗に拭き上げます。
- これで、剥離が完了したエリアと、まだワックスが残っているエリアの差がくっきりと分かれるはずです。

最後の仕上げを怠るな!「サラサラ感」を生むプロのひと手間
剥離後の床に残るベタつきの原因とは?
剥離剤はアルカリ性であることが多く、水で拭き取っただけでは、そのアルカリ分が床面に微量に残ります。
これが、乾燥後にベタつきやヌルつきとなって現れる原因です。
この工程は面倒でも「絶対必要」。
これを省略すると、お客様の満足度(仕上がりの感触)が著しく低下します。
綺麗なモップと茶パットで全面を「水拭き」する手順
ベタつきを解消し、床材を中性に戻すための手順です。
- 綺麗なモップで床全面を水で濡らす:
- 汚水回収に使ったモップとは別の、完全に綺麗なモップを使い、床全面を水で濡らします。
- 棒につけた茶パットで全面軽く擦る:
- 棒に取り付けた茶パット(または同等の柔らかいパット)を使い、濡らした床面全体をごく軽く擦ります。
- これは、残った剥離剤の残留物を溶かし出し、表面から浮かせるための作業です。
- 汚水を回収して別のモップで吹き上げをする:
- 再度、汚水回収用のモップで浮いた残留物と水を回収します。
- 最後に、清潔な別のモップで丁寧に乾拭きに近い拭き上げを行い、水分を残さないようにします。

💡 まとめ:フローリング剥離の常識は上書きされた
この記事で、あなたは「フローリング剥離はリスクが高い」「面倒だから一気に大量の剥離剤を撒く」という旧態依然とした常識を完全に上書きしました。

🔑 30年プロのノウハウが証明したこと
私がお伝えした「極小範囲作業」は、あなたの会社の失敗例や、他業者が抱える悩みを解決する、最小リスクで最高品質を実現する唯一の方法です。
🛠️ 今すぐ危険な作業方法と決別を
フローリングの剥離は、チマチマと確実に行うことが、最も早く、最も安全に、最も高品質に仕上げる王道です。あなたの30年の経験が裏付けたこの独自手法は、単に作業品質を向上させるだけでなく、床材を傷めないプロフェッショナルとしての信頼を守ることにも繋がります。
他社の古い常識に流されず、今日から「極小範囲作業」を貫き通してください。
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