はじめに
日々の生活の中で、「攻撃」という言葉を様々な文脈で使っています。
例えば、ゲームやスポーツでのアタック、サイバー攻撃、そして政治的な非難まで…しかし、そのすべてを「attack」という一語で片付けてしまうと、本来のニュアンスや重みが失われてしまいます。
実は、「攻撃」という日本語には、「attack」だけでは表現しきれない、より繊細で深い意味合いが隠されているのです。
というか、このことを意識するだけでよりいっそう自然な英語表現ができるということがこの記事の目的ですが、その多様な「攻撃」の形と、それぞれの言葉が持つニュアンスについて掘り下げていきます。
ということを、自分の英語学習のために毎日投稿しています。ちなみにさっきはこんなことを書きました。よかったらご覧ください。
決定的な「証明」と積み重ねる「証拠」:evidenceとproofの決定的な違い
では本題に入る前の「攻撃」をどのように英語表現する?ということを調べてみたきっかけからお伝えします。というか自分のために書いているので、ここは読み飛ばしていただければと思います。
「攻撃」をどの単語を使って話す? を調べたきっかけ
私がよく見る本の中にこんな文がありました。
「Consider what Jehovah instructed his people to do when ancient Babylon was attacked」
古代バビロンという都市が攻撃されたということが書いてあるけど、どんな攻撃?
と思ってしまったんです。神様が関係してそうなので…
答えから言えば、この文脈で言及されている「attack(攻撃)」は、古代バビロンがメディア人とペルシャ人の連合軍に征服されたときの攻撃を指しています。
これは紀元前539年に起こった歴史的な出来事で、キュロス大王率いるメディア・ペルシャ軍がバビロンを陥落させたものです。
この出来事は、ユダヤ人がバビロン捕囚から解放され、故郷に戻ることを可能にしました。したがって、この文脈における「攻撃」は、単なる戦闘ではなく、ユダヤ人の解放と神の預言の成就につながる重要な歴史的出来事を指していると理解されます。
歴史書そう書いてますが、戦争の攻撃もattack なんですね…
アタックってバレーボールなどのスポーツで相手チームをビシッと打ち込むようなことを表すと思っていました。英単語って意味が広い…
では、他にも似たような英単語にはどんなのがあるの? どのように使い分ける?
このことをきっかけにそのようなことを調べてみました。
attacke「攻撃」の類義語は?
特定の歴史的文脈における “attack” の類義語は、単なる物理的な攻撃だけでなく、その結果として起こった「征服」「陥落」「破壊」といった意味合いを含むことが多いです。
一般的な類義語としては、以下のようなものが挙げられます。
◆Conquest(征服): 敵を軍事力によって完全に支配下に置くことを意味します。バビロンがメディア・ペルシャの支配下に入ったという点で、最も適切な類義語の一つです。
◆Siege(包囲): 都市や要塞を軍隊で囲み、兵糧攻めなどによって降伏を迫ることを意味します。バビロンの陥落は、包囲と奇襲の両方によって達成されたと伝えられています。
◆Overthrow(打倒、転覆): 既存の政府や権力を暴力的に覆すことを意味します。バビロンの王権がキュロス大王によって打倒されたという点で、この言葉も適切です。
◆Capture(捕獲、占領): 敵の都市や要塞を力ずくで手に入れることを意味します。バビロンという都市そのものが敵軍に占領されたという事実を表します。
◆Fall(陥落): 都市や帝国などが、敵の攻撃によって滅びることを意味します。特に「The Fall of Babylon」という表現は、この歴史的出来事を指す固有名詞として使われることもあります。
思った通り、文脈によって適切な単語が変わってきますね。
この「キャプチャ」ってパソコンなどの画面をスクリーンショットする時に使うキャプチャと同じなのかな… 語源が面白そう。
では、このキャプチャの本来の意味とは?
パソコンの画面を撮影する「スクリーンショット」という意味で使われる「キャプチャ」は、英語の “capture” に由来しており、「捕らえる」「記録する」 という意味合いで使われています。
これは、画面に映る情報を一時的に静止画像として「捕らえる」行為。
一方、軍事的な文脈や、より広い意味での「攻撃」として使われる「キャプチャ」も、同じく “capture” から来ています。
この場合の意味は、「捕獲する」「占領する」 。
例えば、
- 「敵の要塞をキャプチャする」
- 「敵兵をキャプチャした」
といった使い方をします。
これは、相手の支配下にあるものを力ずくで奪い取ったり、相手を捕まえたりする行為であり、広義の「攻撃」に含まれます。
このように、同じ “capture” という言葉でも、対象が「情報(画面)」なのか「人や物(要塞、敵兵)」なのかによって、その意味合いは大きく異なります。
この辺が日本人には捉えにくいところですね…
日本語のカタカナ語として定着する過程で、それぞれの文脈で独立した意味を持つようになった例です。
シンプルにまとめると、
英語の “capture” という単語の基本的な意味は、「捕まえる」「捕らえる」 で、この基本義から、派生的な意味が生まれています。
◆物理的な対象を捕まえる:
- 敵兵を捕虜にする(capture the enemy soldier)
- 都市や要塞を占領する(capture a city)
- 獲物を捕まえる(capture an animal)
◆非物理的な対象を捕まえる/記録する:
- 瞬間を写真に収める(capture the moment in a photo)
- 画面の情報を記録する(capture the screen)
- 聴衆の注意を引きつける(capture the audience’s attention)
- 考えや感情を言葉で表現する(capture a feeling in words)
特に後半の方は会話に使えそうですね。大変ですが全部覚えれば英語を話す時にボキャブラリーが広がります。
あれ! 今回はattackeの話ではなかったっけ? いつのまにか別の単語に話が移ってしまってすみません…
話を戻して、attack の類語を別の角度で分析します。
現代社会で注目されているattackの意味
まずは、もう一度別の角度で、attack を分析します。
下記の中で3番目の項目が一番言いたいところです。なぜなら、英会話でよく使いそうだから…
1. 物理的な「攻撃」:ConquestとSiege
「攻撃」の最も分かりやすい例は、物理的な衝突を伴うものです。たとえば、古代バビロンへの攻撃を考えてみましょう。この出来事は単なる「アタック」ではなく、軍事的な Conquest(征服) や、都市を包囲する Siege(包囲) でした。
- Conquest(征服): 相手を力でねじ伏せ、完全に支配下に置くこと。
- Siege(包囲): 物理的に取り囲み、兵糧や物資を断つことで相手を弱らせ、降伏させること。
これらの言葉は、単に「敵を攻撃する」という行為だけでなく、その結果として相手の権力や存在そのものを根底から覆すという、より大きなスケールを表現します。
2. 非物理的な「攻撃」:OverthrowとInvasion
「攻撃」は、物理的な力に限ったものではありません。権力やシステムに対する「攻撃」もまた、重要な意味を持ちます。
- Overthrow(打倒、転覆): 政治体制や支配的な権力を、暴力的な手段で覆すこと。これは単なる個別の攻撃ではなく、権力構造全体の転換を意味します。
- Invasion(侵略): 他国の領土や領域に、許可なく軍隊などが入り込むこと。これは領土主権に対する深刻な「攻撃」です。サイバー空間における「侵入」にも使われる言葉で、無断で他者の領域に踏み込む行為全般を指します。
3. 精神的な「攻撃」:HarassmentとAbuse
現代社会で特に問題視されているのが、精神的な「攻撃」です。
- Harassment(ハラスメント): 嫌がらせやつきまといによって、相手に精神的な苦痛を与えること。これは一回限りの行為ではなく、継続的かつ反復的な「攻撃」の形です。
- Abuse(虐待): 身体的、精神的、または感情的に相手を傷つけること。力の弱い立場にある人に対して行われることが多く、支配とコントロールを目的とした悪質な「攻撃」です。
〜ハラスメントってよく聞くようになりました。attack ではありませんが、メンタルへの攻撃ですね。この辺りは英語できちんと使いわけが必要です。このような意味合いで使う時にattack なんて言っても通じないでしょうから…
まとめ
では話をまとめます。
「攻撃」は「attack」だけではありません。
- Conquest / Siege: 物理的な支配や包囲を意味する「攻撃」。
- Overthrow / Invasion: 権力や領域に対する「攻撃」。
- Harassment / Abuse: 精神的・感情的な「攻撃」。
それぞれの言葉が持つニュアンスを理解することで、ニュースや歴史、そして日常生活で起こる出来事をより深く、多角的に捉えられるようになります。
さらには、「攻撃」という言葉を英語に翻訳する際、状況に応じて最も適切な単語を選ぶことで、その行為の意図や影響の深刻さをより正確に伝えることもできるでしょう。
日本語の「攻撃」と英語の「attack」は意味が違う部分があるので、単純に置き換えればいいものではないというところが、頭の体操になります。
ややこしいと言えばややこしいし、ポジティブに捉えれば柔軟な発想のトレーニングになり自己成長の機会と捉えることもできますね。
「英語は好き、だけど脳が疲れる…」疲労と上手に付き合うヒント
今回のレポートは以上です。
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