ネイティブは「息継ぎ」を意識する。一文を短くするだけで会話が途切れない英語術

あなたの英語、一文が長すぎませんか? 英語を話すとき、「文法間違いは許されない」「完璧な文章で伝えなければ」と自分にプレッシャーをかけていませんか?

そんなつもりはない、と返答がありそうですが、実は無意識のうちにあるあるなんです。

学生時代を振り返ると、私たちが学校で習った英語は「書き言葉」としては完璧ですが、リアルな会話では、その完璧さこそが「沈黙の原因」になっているんですね。

なぜなら、言葉が長くなるほど「息継ぎ」ができず、焦って言葉に詰まってしまうからです。

文章を組み立てて、メールで伝えるのにはいいのですが…

しかしながら、会話の英語は「正確さ」より「リズムと流れ」が全て。

本記事では、完璧な長文を捨てて、あえて「一文を短く」し、「接続詞をシンプル」にするだけで、まるで水が流れるようにスラスラ話せるようになる具体的なコツを、実例を交えてご紹介します。

もう「言葉に詰まる自分」とはお別れしましょう。


 

💬 ナチュラルな英語はシンプルでいい

 

ある朝、メッセージを英語で送りたい場面がありました。体調のことを丁寧に伝えたくて、頭の中で完璧な英文を組み立てようとしたのですが――単語を思い出そうとするたびに、文が途中で止まってしまうのです。「もっと自然に、パッと話せたらいいのに」そう思った瞬間、自分の中で何かが動きました。

会話の現場では、「正確さ」が「淀み」や「沈黙」を生み、かえって不自然に聞こえてしまうことがあります。

たとえば、私が伝えようとしていたこの丁寧な文章を見てください。一文が長く、息継ぎの場所がありません。

「正確さ」重視の長文英語

  • I started having some allergy symptoms last night due to the change in temperature.
  • After some thought, I’ve decided to stay home today to avoid making things worse.
  • I expect to feel better by tomorrow and plan to attend in person then.
  • Thank you so much for your warm, thoughtful, and dedicated efforts — I truly appreciate it.

(昨晩から寒暖差のせいでアレルギー症状が出ました。少し迷いましたが、今日は悪化させないよう外出を控えます。たぶん明日には良くなって、直接出席できると思います。あなたの思いやりと熱心な取り組みに心から感謝しています。)

文としては完璧です。でも、これを口頭で淀みなく話すには、相当な集中力と練習が必要です。息が詰まる感じがしました。

一方、ネイティブが日常で交わす会話は、もっと「流れ」を重視し、短い文で区切って話します。

「流れ」重視のシンプル英語

  • I started getting some allergy symptoms last night.
  • Probably because of the temperature change.
  • So I think I’ll just stay home today and take it easy.
  • I should be fine by tomorrow though.
  • So I’ll plan to come in then.
  • Thanks so much for being so thoughtful and dedicated.
  • I really appreciate it.

(昨晩からアレルギーの症状が出ています。たぶん気温の変化のせいだと思います。だから今日は無理せず家で休もうと思います。たぶん明日には良くなるので、そのときは伺いますね。いつも思いやりを持って取り組んでくださってありがとうございます。本当に感謝しています。)

いかがでしょうか。単語も文法も簡単になったのに、かえって「話す人の気持ち」がダイレクトに伝わってきます。

「正確に言う」よりも、「リズムよく気持ちを伝える」──これこそが、生きている会話の英語の本質なのだと、心から実感しました。

 

⚡ 瞬発で話すための【4つの具体的なコツ】

 

英語を瞬発で話すためのコツは、私たちが思っているよりもずっとシンプル。

完璧主義を捨てて、この4つを意識するだけで、会話の流れは劇的に改善されます。

 

1. 一文を短くする(息継ぎできる長さで)

 

  • 1文1メッセージが基本です。 伝えたい情報を欲張って一つの文に詰め込まず、「主語+動詞」のシンプルな構造で終止符を打ちましょう。
  • 実例: 「寒暖差のせいでアレルギー症状が出た」という情報と、「外出を控える」という情報は、それぞれ別の文で伝えてOK。
    • ❌ I got allergy symptoms because of the temperature change, so I’ve decided to stay home.
    • I got allergy symptoms. (息継ぎ) Probably because of the temperature change. (息継ぎ) So I’ll stay home today.

 

2. 接続詞を減らす(So / But / Then で十分)

 

  • 「複雑につなげる」ことをやめましょう。 難しい接続副詞(e.g., Furthermore, Consequently, Nevertheless)を探している間に会話は止まります。
  • 会話の三種の神器: So(だから) / But(でも) / Then(そして・じゃあ)。この3つが使えれば、日常会話の9割はカバーできます。文頭で躊躇なく使いましょう。
    • I need to check the data first. Then, I can give you the answer.
    • I understand your point, but I think we need a backup plan.

 

3. 単語を選びすぎない(簡単な言葉で言い換える)

 

  • 「ぴったりの単語」を探す時間は、沈黙の敵です。 80%の意味が伝わればOKとしましょう。
  • 実例:
    • **「熱心な取り組み (dedicated efforts)」**が出てこなくても → your kindness and hard work
    • **「検討する (contemplate)」**が出てこなくても → think about
    • **「〜する必要がある (is necessary)」**が出てこなくても → need to
  • 難しい単語を使うよりも、あなたの「気持ち (kindness)」「行動 (hard work)」が伝わる言葉を選ぶ方が、よっぽどコミュニケーションとしては成功です。

 

4. リズムで覚える(書いて覚えるより、体で覚える)

 

  • 英語はスポーツに似ています。頭で理解する(文法)よりも、筋肉で覚える(発話)ことが重要です。
  • インプットもアウトプットも「音」で。 英文を読んだら、必ず「耳で聞いて口で出す」練習をセットにしましょう。ネイティブの会話のリズム、アクセント、スピードを真似て、「そのフレーズ全体」をリズムとして体にしみ込ませましょう。

 

🌿「伝わる英語」は、気持ちが先に動く

 

私たちが本当に克服すべきは、「間違えることへの恐怖心」です。

話すときに大事なのは、「正しく言えるか」ではなく「伝えたい気持ちがあるか」

文法が多少崩れても、単語が少し違っても、伝えることを諦めない「流れ」の中で自然に発せられた英語のほうが、聞いている人の心にちゃんと届きます。なぜなら、その「流れ」こそが、あなたの「話したい」というエネルギーそのものだからです。

完璧を目指すより、「いま、この気持ちを伝えよう」と思うほうが、ずっと自然に言葉が出てくる。

正確さより、流れ。

その意識ひとつで、英語が急に“生きた言葉”に変わるのです。

このシンプルな気づきが、あなたの英語学習を楽で楽しいものに変えるきっかけになることを願っています。では。

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