先日、私は中央アメリカとハワイから12名のお客様をお迎えし、総勢80名が交流する大規模な国際交流イベントを担当しました。
イベントは無事に終わったものの、私は自身の英語コミュニケーション能力について、大きなモヤモヤを抱えることになってしまったんです…
でも、そんなモヤモヤを吹き飛ばしてスッキリできたのはあることに気づいたからです。それをこれから書いていきますね。
私はこれまで、会話がスムーズに進まない原因は「自分の発音が悪いからだ」とばかり思い込んでいました。問題は発音ではなく、「私たちが良かれと思って使う、日本語の”文化”が根付いたフレーズ」を、そのまま英語に直訳してしまっていたことによる、「ニュアンスのズレ」だったのです。
この記事では、「もう発音のせいにはしない!」と決意させた「海外で絶対に伝わらない、危険な直訳フレーズとその対策」について、包み隠さずお話ししたいと思います。「伝わる英語」を目指すすべての方へ、私の失敗と学びが何かのヒントになれば幸いです。
1. 「通訳の壁」の正体:発音ではなく「意図」がズレていた
イベントのインタビューセッションで、プロの通訳者の方は、私たちの日本語の質問や挨拶を、瞬時にして、最も自然な英語に変換していました。彼らのプロの技は、私が長年抱えていた英語の悩みの核心を突いていました。
私がこれまで、発音の練習に時間をかけても会話がギクシャクしていた原因は、コミュニケーションにおいて最も重要な「相手への配慮」や「状況に合わせた定型表現」が欠落していたから…
それで、通訳者の方から学んだ、日本人が無意識に使うが、海外では全く違うニュアンスで伝わる「危険な直訳フレーズ」4つとその対策を紹介。
1-1. 危険な直訳フレーズ 4選とプロの修正術
- 【ケース1】労いのつもりの「Thank you for your hard work.」
- 私の意図: 「お疲れ様でした」「皆さんの頑張りに感謝します」
- 伝わるニュアンス: 「あなたの仕事は大変で骨が折れるものだった(と私は評価する)」という、大げさで上から目線に聞こえる可能性があります。
- プロの修正術: “Thank you for your effort/time.” や “I appreciate your support.” など、具体的な貢献への感謝に置き換えるのが適切です。
- 【ケース2】理解のつもりの「It’s OK.」
- 私の意図: 「わかった」「承知しました」
- 伝わるニュアンス: 「問題ないですよ」「気にしないでください(謝罪への返答)」「結構です(辞退)」という、理解とは全く関係ないニュアンスで伝わります。
- プロの修正術: “I understand.” や “Got it.”(承知した)を使うべき。このズレこそが、相手を戸惑わせていた原因でした。
- 【ケース3】意見を尋ねるつもりの「How do you think?」
- 私の意図: 「あなたはどう思いますか?」
- 伝わるニュアンス: 日本語を直訳した不自然な表現で、ネイティブはこの言い方をしません。違和感を与えます。
- プロの修正術: “What do you think?”(何を考えているか)や “What are your thoughts on this?”(これについての考えは何か)のように、“What” を使って尋ねるのが自然で正確です。
- 【ケース4】地域を特定した質問「中央アメリカの何ていう国ですか」
- 私の意図: すでに知っている地域の中で、国名を詳しく尋ねたい。
- プロの修正術: “Where are you from?”(あなたの国はどこですか?)
- 教訓: 情報の前提を押し付けるのではなく、最もシンプルでフレンドリーな定型句を使うことで、ゲストに自己紹介の主導権を与え、スマートで自然な会話の流れを作ることができます。
2. 「意図を瞬時に変換する」ためのトレーニング開始
問題は発音ではなく「意図のズレ」だと分かった今、私が目指すべきは、「日本語の意図を瞬時に読み取り、英語の最も自然な定型表現に置き換える」スキル。この瞬発力を鍛えるため、以下のトレーニングを毎日継続していきます。
- ① サイト・トランスレーション(Sight Translation):瞬発力を鍛える 日本語の文章を読みながら、それを立ち止まらずに瞬時に声に出して英語に訳していく練習。「意味を素早く伝える」ことに焦点を当て、脳内で言葉を探す時間を短縮します。
- ② センテンス・ビルディング(Sentence Building):語順の転換速度を上げる 短い日本語の文を聞き、その意味を保持したまま、英語の語順(主語→動詞→目的語)で即座に口に出して英文を組み立てる練習。これにより、思考回路を英語の骨格に切り替えるスピードを上げます。
まとめ:長年のモヤモヤ解消!発音のせいにするのは、もうやめます!
今回のイベントの経験は、私にとって英語学習のパラダイムシフト(認識の転換)となりました。
長年、「私の英語が通じないのは、発音がネイティブレベルではないからだ」「だから会話がギクシャクしてしまう」とばかり思い込み、ひたすら発音練習に時間を費やしてきました。しかし、通訳者の方から学んだのは、そうした表面的なスキルよりも、「相手に配慮した言葉を選ぶ、文化的な知性」の欠如。
「It’s OK」や「お疲れ様」が誤解されていたと知った瞬間、長年のモヤモヤの正体がやっと分かったのです。それは、発音というどうにもならない壁ではなく、「明日からでも変えられる、言葉の選び方」の問題。
私は、もう「発音のせい」にして自信をなくすのはやめます。
今は、この新しい気づきを力に変え、「日本語の意図を瞬時に読み取り、英語の最も自然な定型表現に置き換える」トレーニングに集中しています。この瞬発力が身につけば、コミュニケーションの質は飛躍的に向上するはずだと信じて。
「伝わる英語」の壁に挑むすべての方々へ、どうか自信を失わないようにしましょう。
あなたの問題は、発音ではなく、単に「伝える言葉のチョイス」にあるかもしれません。この経験が、皆さんの英語学習における新たな一歩となることを心から願っています。
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