「断っていない。でも、YESとも言っていない」
英語で仕事をする中で、
じわじわと精神を削られる正体が、ここにあります。
「ちゃんと断っていないのに、なぜか自分だけが疲れていく」
そんな経験がある人は、決して少なくないはずです。
「期待」という名の無言の圧力
be expected to のしんどさは、その曖昧さにあります。
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NO と言っていない
-
でも YES とも言っていない
-
なのに「当然やるよね?」という空気が成立してしまう
ここで真面目な人ほど、
120点の成果で応えようとして、静かに消耗していきます。
対抗策は、
強く否定することでも、
正論で殴ることでもありません。
👉 期待の前提を、そっと書き換える。
これこそが、
長く現場で生き残る人が自然に身につけている技術です。
そのための、
角の立たない英語フレーズを5つ紹介します。
① “I’ll do my best, but …”
(やる気はある。でも保証はしない)
I’ll do my best, but it depends on the condition.
(ベストは尽くしますが、状況次第ですね)
超・定番ですが、実は最強の防御策です。
ポイントは but。
この一語で、
-
「期待されている120点」は否定
-
「最低限やります」は肯定
を同時に成立させています。
expected(期待)を guaranteed(保証)に昇格させない。
そのための、極めて優秀なクッション表現です。
② “I can focus on ○○ today.”
(全部じゃない。今日はここをやる)
I can focus on the main area today.
(今日はメインの部分に集中して進めますね)
「全部は無理です」と引き算で話すと、
どうしても消極的に聞こえます。
でも、
「ここをやります」と足し算で話すと、
一気にプロの判断になります。
主語を I に戻し、
範囲を自分で切る。
これだけで、
受動的な be expected to の世界から、
主体的な I choose to の世界へ引き戻せます。
③ “That might take extra time.”
(時間=コストを可視化する)
That level of detail might take extra time.
(そのレベルの細かさだと、追加で時間がかかりますね)
期待が膨らむ理由は、
それが無料だと思われているからです。
「時間」という物理的なコストを出した瞬間、
相手の頭の中で、
「あ、これはタダじゃないんだ」
というブレーキが踏まれます。
NOと言わずに、
期待の重さを現実に戻す一言です。
④ “Normally, this is how we handle it.”
(自分たちの「標準」を盾にする)
Normally, this is how we handle the flooring.
(通常、この工程はこのように対応しています)
これは、静かに強い表現です。
「私の意見」ではなく
「標準(型)」を提示することで、
相手の期待を特殊なリクエスト側に移動させます。
あなたの期待が特別なのであって、
こちらの基準はここですよ。
この境界線を、
感情を動かさずに引けるのが、この表現の強さです。
⑤ “Let’s see how it looks after this step.”
(無限のこだわりを、一度区切る)
Let’s see how it looks after this step.
(この工程が終わった段階で、一度見てみましょう)
現場英語として、極めて優秀なブレーキです。
この一言を挟むだけで、
相手が床を見る視線が、ふっと止まる。
その「間」が、こちらの呼吸を取り戻してくれます。
「続きは自動ではない」
そう伝えることで、
無限に続くブラッシュアップを防げます。
まとめ:期待は「断る」のではなく「設計し直す」
大事なのは、
期待をゼロにすることではありません。
-
どこまで(範囲)
-
いつまで(時間)
-
誰が決めるか(主導権)
これを言語化するだけです。
英語には、
そのための「角の立たない言い方」が、
ちゃんと用意されています。
もし次に、
「当然やってくれるよね?」
という空気を感じたら、思い出してください。
I’ll do my best, but…
I can focus on…
これは逃げではありません。
**ちゃんと続けるために、線を引いていいという「許可」**です。
英語を使って期待を調整することは、
自分を甘やかすことではありません。
それは、
長く、質の高い仕事を続けるためのプロの技術なのです。
▼こちらもご覧ください。
「命令じゃないのに、一番しんどい英語」 ―― be expected to が静かに人を追い詰める理由
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