入院中の友人の母から「家に帰りたい」「寂しいからスマホが欲しい」と強く言われるたび、胸が締め付けられる思いがします。
87歳という年齢、週3回の透析、そして自力ではベッドから動けない今の状態。
家族としては願いを叶えてあげたいけれど、現実問題として、家の階段を毎回介助して通院させるのは、どうしても無理がある……。
そんな葛藤の中で、親戚や周囲に現状をどう説明すればいいのか。
私が実際に送ったLINEのやり取りをもとに、現場で使える「飾らない英語」をまとめました。
教科書には載っていない、介護のリアルな現場で必要な言葉たちです。
1. 入院生活の「今」をありのままに伝える
まずは、体調の変化やリハビリの段階について。現状を正確に伝えることで、周囲の理解を得やすくなります。
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A: How is she doing lately? (最近の様子はどうですか?)
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B: As you might imagine, she’s lost a lot of weight. We are at the stage of starting rehab, but right now, she can’t move from the bed by herself. (ご想像の通り、だいぶ痩せてきています。リハビリを始める段階ですが、現時点では自力でベッドから動けない状況です。)
2. 母の願いと、立ちはだかる現実
母は会うたびに、強い口調でこう言います。
“I want to go home.” (もう退院したい) “I’m lonely, let me have my smartphone.” (寂しいからスマホを持たせて)
娘としては、すぐにでも「いいよ」と言ってあげたい。
でも、今の母の体調を考えると、どうしても “No” と言わざるを得ない理由があるんです。
「精密機器」という病院の壁
病院には精密機器を守るための厳しいルールがあります。
“Hospital rules say no electronic devices near medical equipment.” (精密機器の近くでスマホは使えないルールなんです)
母は自力でベッドから動けないため、スマホOKのエリアまで行くことができません。ルールを守ることは、母自身の安全を守ることでもある……そう自分に言い聞かせています。
「週3回の透析」と「家の階段」という物理的な限界
そして、退院が現実的ではない最大の理由が「透析」です。
“She needs dialysis three times a week.”
今の母を家で介護するとなると、通院のたびに車の迎えを待ち、自宅の階段を介助して上り下りさせる必要があります。
“It’s too difficult to carry her down the stairs every single time.” (毎回毎回、階段を介助して移動させるのは、どう考えても今の状況では困難です)
3. 「今は会わせられない」という苦渋の決断
友人から「一瞬でも顔が見たい」と言ってもらえるのは、本当にありがたいことです。でも、今はあえて面会をお断りしています。
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A: I’d love to see her face, even for a moment. (一瞬でもお顔が見たいです。)
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B: I understand how you feel. But since she can’t talk properly right now, I’m hesitant to let you see her like that. (お気持ちは痛いほど分かるのですが…。今はまともに会話できない状態なので、あの姿で会っていただくのは気が引けてしまうんです。)
「今の姿」ではなく、自力で起き上がって休憩室に行けるくらい回復した時に、最高の笑顔で再会してほしい。
“Once she can sit up and go to the lounge, I’ll let you know.” (自分で座って休憩室に行けるようになったら、必ずお伝えしますね)
💡 初心者向け:英会話ワンポイント・アドバイス
1. 「気が引ける」を伝える “Hesitant”
Hesitant(ヘズィタント) = 「ためらってしまう」。 ただ “No” と言うよりも、「本当はそうしたいけれど、状況を考えると迷ってしまう」という、家族としての複雑な心境が伝わる優しい表現です。
2. 「毎回毎回」の重みを出す “Every single time”
単に “Every time” と言うよりも、間に single を入れることで、「毎回欠かさずやらなければならない負担」の重みが強調されます。階段介助の大変さを理解してもらう時に有効です。
3. 「透析」の発音に注意!
Dialysis(ダイ・ア・リスィス)。 「ダイ」を一番強く、高く発音しましょう。日本語の「透析」と同じくらい、医療の会話では重要なキーワードです。
【まとめ】大切なのは「今の状況」を誠実に伝えること
家族の「帰りたい」という願いを拒むのは、自分が悪者になったような気がして、とてもエネルギーを消耗しますよね。
でも、英語で現状を論理的に説明しようと整理することで、私自身、「今はこれがベストなんだ」と自分の心に区切りをつけられる部分もありました。
今回ご紹介したフレーズは、私が実際に試行錯誤しながら使っているリアルな言葉です。
同じような状況にいる方が、周りの方とスムーズにコミュニケーションを取り、少しでも心の負担を減らすヒントになれば幸いです。
最後は焦らず、“Step by step”(一歩ずつ)。 母がいつか笑顔で休憩室に行ける日を夢見て、私も一緒に頑張りたいと思います。
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