「彼は優しくしてくれた」と英語で言いたいとき、”He was kind to me.” や “He kindly helped me.” と表現していませんか?
もちろん間違いではありません。
でも、実は「優しさ」を表す英語は他にもたくさんあります。
今回は、状況に応じて使い分けたい「優しく」の英語表現をご紹介します。
語源から紐解くことで、言葉の持つ奥深いニュアンスを理解し、英会話をワンランクアップさせましょう!
というような英語学習中ですが、自分が気づいたことを毎日投稿しています。ちなみにさっきはこんなことを書きました。
知ってた? “eager”はただの「したい」じゃない!もう準備もできてるよ〜という気持ちも
自分が興味深い、知っておけば記憶の助けになると思ったことから書いているので、長文になりますが、必要なところだけ拾っていただければ嬉しく思います。
では本題。
1. 親切心からの行動を表す kindly
これは相手が心遣いから行動してくれたことを強調する最も一般的な単語。
フォーマルな場面でも使えるため、幅広く役立ちます。
- He kindly offered me a cup of tea. (彼は親切にお茶を一杯入れてくれた。)
- The teacher kindly explained the question again. (先生は親切にその問題をもう一度説明してくれた。)
タイトルにも書きましたが、どれか一つだけ覚えるとすれば、kindly ですが、それだけでは味気ない…
語源も知っておくと使い方の幅が広がります。
【語源のヒント】 kindの語源は、古英語の「cynd(生まれつきの、自然の)」です。元々は「同じ種類に属する」という意味でしたが、そこから「仲間に対する優しい気持ち」や「情け深い」といった意味合いに変化しました。つまり、kindlyは**「仲間だから当然、自然なこととして優しくする」**というニュアンスを含んでいます。
同種類 から 優しい にどのようなプロセスで変化したのか… 詳細は?
「同じ仲間から生まれた優しさ」
古英語の**”cynd”は、元々「born, produced(生まれた、生み出された)」や「of a particular nature(特定の性質を持った)」という意味で、人や物が同じ系統や種類に属していることを示していました。そこから、「同じ種類の人々」という意味の“kin”**(親族、同族)という言葉が生まれました。
この「同じ種類」という概念が、「共通の性質や感情を持つ人々」へと発展します。人は、自分と同じ種類や仲間に対して、自然と親近感を覚え、優しく接するものです。この「仲間に対する自然な思いやり」が、やがて「kindness(親切)」という、今日の私たちが知る意味へと変化しました。
つまり、語源をたどると、「親切」という行為は、単なる善意ではなく、「同じ人間、同じ仲間であるから当然、自然に生じる思いやり」として捉えられていたことがわかります。この考え方は、”It’s only human to be kind.”(親切にするのは人間として当然のことだ)という表現にも通じるものがあります。
このように、kindは「血縁」や「仲間」という物理的なつながりから、「共感」や「思いやり」という精神的なつながりへと意味を広げていったのです。
では、ボキャブラリーをもう一つ加えましょう。
2. 快く、進んで行うことを表す willingly
これは、相手がためらいなく、自らの意思で行動してくれたことを強調する語。
頼み事を快く引き受けてくれたときなどにぴったりです。
- She willingly helped me clean up after the party. (彼女は快くパーティー後の片付けを手伝ってくれた。)
- He willingly agreed to my suggestion. (彼は私の提案に快く同意してくれた。)
【語源のヒント】 willingは古英語の「willan(望む、〜したいと思う)」に由来します。これは現代英語のwill(〜だろう)と同じルーツを持っています。つまり、willinglyは**「そうしたいと強く望んでいる」**という、本人の積極的な意志が感じられる言葉です。
3. 慈悲深く、寛大に行うことを表す graciously
「寛大に」「優雅に」といった意味合いで、特に地位の高い人や目上の人が、慈悲深い心で何かをしてくれたり、許してくれたりする際に使います。
- The principal graciously listened to my request. (校長先生は寛大に私の頼みを聞いてくれた。)
- He graciously forgave me for my mistake. (彼は慈悲深く私の間違いを許してくれた。)
【語源のヒント】 graciouslyの語源は、ラテン語の「gratia(感謝、好意)」です。これは「恵み」や「神の恩寵」といった宗教的な意味合いも持ち合わせています。そのため、graciouslyは**「神から与えられたような、深い慈悲と優しさ」**という崇高なニュアンスを含んでいます。
この言葉ってちょっと重たいですね。
graciouslyの持つ「慈悲深く、寛大に」というニュアンスを、文脈に合わせて柔らかく言い換えることができます。
1. 「温かい心で」というニュアンスで、相手の人柄や温かさを強調したい場合に適しています。
warm-heartedly (温かい心で)
generously (寛大に、気前よく)
compassionately (思いやりをもって)
例文を挙げると、
The company generously donated a large sum of money.
(その会社は寛大に多額の寄付をした。)
She compassionately listened to his story.
(彼女は思いやりをもって彼の話を聞いた。)
2. 「快く、嫌な顔一つせず」というニュアンスで、相手が文句を言わず、気持ちよく何かをしてくれたことを強調したい場合に適しています。
without hesitation (ためらうことなく)
readily (すぐに、快く)
例文を挙げると、
He readily forgave me for my mistake.
(彼は快く私の間違いを許してくれた。)
She helped me without hesitation.
(彼女はためらうことなく私を助けてくれた。)
では、記事全体をまとめます。
まとめ
いかがでしたか?
同じ「優しさ」でも、その背景にある気持ちや行動のニュアンスによって、選ぶべき単語は変わってきます。
- kindly: 親切心からくる自然な行動
- willingly: 喜んで、自ら進んで行う行動
- graciously: 寛大さや慈悲深さからくる行動
これらの単語を語源とともに理解すれば、より表現力豊かな英語を話せるようになります。
ぜひ、これらの言葉を意識して会話に取り入れるなら、ボキャブラリーが増えること間違いなしです。
学習レポートは以上です。


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