「ロッカールームのホコリがひどい」「道具が足りない」—現場で気づいた問題を、管理者に伝えても「後回し」にされていませんか?
清掃作業員である私たちが現場の課題を解決するには、相手(管理者)の視点に立って伝えることが重要です。管理者が最も気にしているのは「コスト」と「顧客満足度」といったビジネスリスクです。
この問題点を「ビジネス上のリスク」に変換し、**「対策をしないと、あなた(管理者)が損をする」**という構造で伝えるための報告書作成術と具体的なサンプルを解説します。
1. 報告書作成の基本姿勢:「問題指摘」ではなく「課題解決の提案」
管理者は単なる「汚れています」という報告ではなく、**「この問題によって発生するリスク」と「それを解決するための具体的な提案」**を求めています。
2. 管理者が動く!報告書の鉄則3つの柱
報告書は、以下の3つの要素をセットにすることで、説得力が飛躍的に向上します。
柱① ビジュアルで「リスク」を可視化する(証拠)
文字だけの報告書はスルーされがちです。現場の深刻さを客観的に伝えるには写真が最も強力です。
-
Before写真(拡大): ホコリが溜まっている箇所を、ロッカーの下からではなく、脚立に登って真上から撮り、ホコリの堆積具合を強調します。
-
リスクの予期写真: ホコリを舞い上げないようにサッと拭き取った後のダスターやワイパーの写真を見せ、**「これだけのホコリが室内で舞い上がる可能性がある」**ことを示唆します。
柱② 数字とコストで「損得」を明確にする(コスト)
問題解決がコスト削減に繋がることを示します。
-
【比較提示】 現在の「緊急対応型」と提案する「予防清掃型」のコスト比較表を必ず作成します。
-
現状: 年に一度、深夜に一括清掃(割増の時間外作業費:高コスト)。
-
提案: 月に一度、日常清掃時間内で予防清掃(日常清掃費の範囲内:低コスト)。
-
-
伝えるべき結論: 「予防清掃を導入することで、年間〇〇円の時間外作業費を削減できます」と具体的に書きます。
柱③ 顧客視点で「クレームリスク」を指摘する(動機)
管理者にとって最も避けたいのは、顧客からのクレームやSNSでの悪評です。
-
訴える視点: 「ロッカーの上は、お客様が着替え中にふと見上げてしまう**『清潔感の最終チェックポイント』**です。」
-
最悪の事態の提示: 「このホコリが原因で、お客様がSNSに写真を投稿した場合、施設のブランドイメージに修復不可能なダメージを与えるレピュテーション・リスクとなります。」
3. 【実践テンプレート】管理者に提出する報告書の構成
清掃業者が管理者に報告する際の、シンプルかつ効果的な構成です。
スポンサーリンク


コメント