責任感が強い人ほど疲れる理由|carry・bear・hold が示す「背負いすぎ」の正体

はじめに|なぜ真面目な人ほどしんどくなるのか

仕事でも人間関係でも、

  • 「自分がやらなきゃ」
  • 「ここは我慢するしかない」
  • 「責任を放り出すわけにはいかない」

そんな気持ちを抱え込みやすい人ほど、ある日ふっと疲れ切ってしまいます。

能力が低いわけでも、逃げているわけでもありません。
むしろ逆です。

責任の持ち方を示す“言葉”が、すべて同じになっている

今回は、英語の carry / bear / hold という3つの動詞から、
「責任を背負いすぎてしまう構造」をほどいてみます。


日本語の「責任」は一語でできすぎている

日本語では、

  • 責任を取る
  • 責任を負う
  • 責任を背負う

これらがほぼ同じ意味で使われます。

しかし英語では、責任の性質によって動詞が変わる

ここを混同すると、
本来一時的なものまで、ずっと抱え続けることになります。


carry|運ぶための責任

carry の基本イメージはとてもシンプルです。

目的地まで運んだら、下ろすもの

  • プロジェクトを完了させる
  • 役割を一定期間担う
  • 誰かの代わりを一時的に引き受ける

carry は「移動前提」の責任。

問題が起きるのはここ

carry すべきものを、

  • ずっと持ち続ける
  • 自分の持ち物だと勘違いする

この瞬間、負荷は何倍にもなります。


bear|耐えるための責任

bear は少し重い動詞です。

避けられない状況を、一定期間こらえる

  • トラブル対応
  • 不本意な役割
  • 感情的な負担

bear には共通点があります。

「永続を前提としていない」

真面目な人の落とし穴

bear を

  • 美徳だと思い
  • 我慢を長期化し
  • 相談せずに抱え続ける

すると、心身が先に限界を迎えます。

bear は修行ではありません。
「耐え続ける前提」の動詞ではないのです。


hold|手放してはいけない核

hold は、carry や bear とは性質がまったく違います。

最後まで離してはいけないもの

  • 信念
  • 境界線
  • 自分の価値観

hold するものは多くありません。

むしろ、

  • 何を hold するか
  • 何を hold しないか

を見極めることが大切です。


すべてを carry しようとすると壊れる

疲れ切っている人の多くは、

  • 本来 carry でいいものを hold し
  • 本来 bear で済むものを永続化し
  • その結果、下ろせなくなる

という状態にあります。

これは性格の問題ではありません。
言葉の整理ができていないだけです。


今日からできる小さな整理

次に「責任」を感じたとき、こう自問してみてください。

  • これは carry か? → 終わりはある?
  • これは bear か? → いつまで耐える?
  • これは hold か? → 本当に私の核?

この3つを分けるだけで、
背負う重さは驚くほど変わります。


おわりに|軽くするのは逃げではない

責任を軽くすることは、
投げ出すことではありません。

正しい動詞に戻すことです。

英語は、
「どう生きるか」を静かに整理してくれる言語でもあります。

次に何かを背負いそうになったら、
その責任の名前を、一度だけ確かめてみてください。

それだけで、十分です。

👉「基本編はこちら(commit / throw)」

「コミット」と「投げる」は同じじゃない ─英語の動詞が教えてくれた、仕事と人間関係の上手な手放し方
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