はじめに|「清掃したあとに目立った」は本当に清掃が原因?
クッションフロア(以下CF)は、
- 清掃後
- 入居前最終チェック
- 引き渡し直後
といったタイミングで、
「この凹み、前はなかったですよね?」
と指摘されることが少なくありません。
▼こちらが私が指摘された凹み

しかし、CFの性質を知っていれば、
「後から目立つ凹み」には明確な理由があります。
今回は、清掃業者の立場から、
なぜCFは凹みが後出しで現れるのかを構造的に説明します。
CFの基本構造を知っておく
クッションフロアは、
- 表面の塩ビシート
- クッション層(発泡層)
- 下地(合板・捨て貼り・コンクリートなど)
この三層構造で成り立っています。
見た目は一枚物でも、
実際には下地の状態をそのまま拾う床材です。
下地の影響は想像以上に大きい
CFで起きる凹みの多くは、
表面の傷ではなく、下地側の問題です。
例えば、
- 合板の節や欠け
- ビス跡の沈み
- パテ処理の不十分さ
- 下地の浮き・隙間
これらがあると、
上に張られたCFは時間差で沈み込みます。
張り替え直後のCFが持つ特徴
CFは張り替え直後、
- 張力が強い
- 表面がピンと張っている
という状態にあります。
この段階では、
下地のわずかな凹みは目立ちません。
しかし、
- 室温変化
- 人の歩行荷重
- 家具や作業者の体重
が加わることで、
クッション層がなじみ、下地を拾い始めます。
なぜ清掃が「きっかけ」に見えるのか
清掃作業は、
- 床全面を歩く
- 同じ場所に体重がかかる
- 水分や温度変化が起きる
という特徴があります。
その結果、
清掃後に凹みが目立った
という時間的な一致が起こります。
しかしこれは、
原因ではなく、表面化のきっかけ
であるケースが非常に多いのです。
写真でよくある誤解ポイント
今回のような写真で特に誤解されやすいのが、
- 円形=物を置いた跡
- くっきり=最近できた
- 清掃後=清掃原因
という短絡的な結びつけです。
実際には、
- 下地由来の沈み
- 光の反射による輪郭強調
- 見る角度による錯覚
が重なって見えている可能性があります。
触れば分かる、という事実
CFの凹みは、
- 指でなぞる
- 踏んでみる
- 角度を変えて見る
ことで、
- 表面傷か
- 下地沈みか
がほぼ判断できます。
写真ではここが一切できません。

清掃業者が知っておくべき現実
CFは、
清掃にとって、最も誤解されやすい床材
と言っても過言ではありません。
だからこそ、
- 張り替え直後かどうか
- 下地状態の想定
- 既存跡の事前共有
を意識しておく必要があります。
まとめ|CFの凹みは「後出し」ではなく「時間差」
- CFは下地の影響を強く受ける
- 張り替え直後は凹みが隠れる
- 清掃は原因ではなく、きっかけになりやすい
- 写真だけでは判断できない
CFの凹みは、
突然できたのではなく、見えるようになっただけ
この理解が共有されるだけで、
現場の無用なトラブルは大きく減ります。
清掃業者として、
知っていること自体が最大の防御になります。
▼こちらは本記事執筆のきっかけの体験記事です。


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