「ヤバい、中でショートしたかもしれない」
もし今、洗面台のコンセントから「ジュルジュル」という不気味な異音が聞こえていたら、あなたも私と同じように頭が真っ白になっているかもしれません。
私はハウスクリーニングの仕事歴30年を超えるベテランですが、先日、まさかという初歩的なミスで、洗面台のコンセントの穴にホースの水を大量に入れてしまいました。

電気の焦げた匂いがしないか、いつ発火するのか… 目の前の仕事どころではない、冷や汗が止まらない30分間を過ごしました。
結論からお伝えします。私は適切な初期対応で大事に至らず解決できました。
この記事では、私が直面したトラブルの生々しい全記録と、なぜ「すぐにブレーカーを落として30分待つ」ことが発火を回避する唯一の方法だったのかを、プロの視点から実直にお伝えします。
不安な方は、まずこの記事を読んで落ち着いてください。
現場で何が起きたか?
油断が生んだ「まさか」のミス
私は長年ハウスクリーニングの仕事をしており、洗面台の清掃は慣れた作業の一つでした。
特に汚れている洗面台だったため、洗剤を噴霧した後、ホースで一気にすすぎ流そうと考えました。
「コンセントに水をかけちゃいけない」というのは、プロとしては当然の鉄則です。しかし、その時、私は「キリでちょっとくらい大丈夫だろう」と、長年の経験からくる油断がありました。
コンセントの位置も高い場所ではなかったので、つい横着をしてしまったのです。
それが、私のキャリアの中でも指折りの冷や汗をかく体験に繋がりました。
「ジュルジュル」!コンセントから鳴り響いた異音の正体
ホースで水を流し始めた瞬間、それは起きました。
洗面台の鏡の横にあったコンセントの穴に、水が入り込んでしまったのです。
次の瞬間、コンセントの奥から「ジュルジュル……」「ジジッ……」という、水と電気が反応しているとしか思えない、不気味で小さな異音が鳴り始めました。
その音を聞いた瞬間、私の頭の中は一気に真っ白になりました。
「ヤバい、中でショートした?」 「このまま発火したらどうしよう……」
焦り、不安、そして自分の初歩的なミスに対する後悔が、一気に押し寄せてきました。
現場で火事を起こすなど、絶対に避けなければなりません。
私はすぐに作業の手を止め、どう対処すべきか考え始めました。
私が試した「初期対応」と結果
試行錯誤①:ドライヤーで温風を送る
音が鳴り続けるコンセントを前に、まず私が考えたのは「中の水分をなくせばいい」ということでした。
現場にあったドライヤーを取り出し、コンセントの穴に向けて温風を約1分間送ってみました。
これで水分が蒸発してくれることを期待したのですが、結果は、何ら音の変化なし。
時間をかけて10分、20分と続けることもできましたが、このまま電気を流し続けた状態で熱を送るのは危険ではないか、という疑念がよぎり、これはすぐに止めました。
試行錯誤②:ブレーカーを落とすと瞬時に異音が消えた
次に私がとった行動は、唯一にして最も正しい判断でした。
「原因は電流にある」。そう判断し、洗面台のある部屋の分電盤(ブレーカー)を探し、メインの電源を「カチッ」と落としてみたのです。
すると、どうでしょう。
異音は瞬時に、ピタッと消えました。
これで、コンセントの奥から聞こえていた「ジュルジュル」という音は、水が電流に反応して起こしていた音だったことが明確になりました。
電源を遮断すれば音は消える、つまり、水気が乾けば解決する可能性が高いということがわかったのです。
しかし、手を入れて拭くことはできません。安全を確保したものの、まだ根本的な解決には至っていませんでした。
【最重要】発火を回避した「30分待機」の記録
なぜブレーカーを「すぐに」落とすべきなのか
私は一度ブレーカーを上げてみました。
案の定、異音は再び鳴り始めました。
この時の異音は、「水が電気の道筋を作っている音」です。この状態を放置すると、漏電による感電、あるいはコンセント内部で熱が発生し続けることによる発火につながる非常に危険な状態です。
プロとしての判断は一つ。
作業の中断は避けられませんが、完全に電気を遮断し、自然乾燥を待つことでした。
焦りを耐え抜いた「30分間」の記録
再びブレーカーを落とし、私はこの30分間、その部屋での作業を諦め、電気を使わない廊下や玄関の簡単な拭き掃除に回りました。
時計を見るたびに「まだかな、まだかな」と焦りましたが、中で発火するリスクを考えれば、これは最も安全で確実な解決策だと自分に言い聞かせました。
そして、30分が経過しました。
意を決して、再びブレーカーを「カチッ」と上げます。緊張の一瞬です。
結果は……。
異音は、完全に消えていました!
おそらく、中の水分が自然に乾燥し、電気の道筋が断たれたのでしょう。
この瞬間、どれほど安堵したか分かりません。この30分の待機が、事故を防いだのだと確信しました。
【二度と繰り返さない】プロが行う予防策
「ちょっとくらい」が命取りになるという教訓
今回の経験から私が学んだのは、「大丈夫だろう」という慢心はプロにとって最大の敵だということです。
長年の経験があっても、一瞬の油断が大きなトラブルを招きます。
この失敗を二度と繰り返さないため、私は洗面台の清掃手順を以下のように変更しました。
確実な予防策:私の「究極の養生術」
- コンセント部分への徹底的な養生: 洗剤を噴霧したり、流水したりする際は、コンセントの上下左右を養生テープでしっかりと密閉します。隙間を完全に塞ぐことで、キリや水しぶきが侵入するのを防ぎます。
- 清掃ルーティンの変更: コンセント周辺など水濡れリスクのある箇所は、流水はせず、必ず洗剤を布に付けて拭き取り、その後に乾拭きで仕上げる手順に徹底しました。
- コンセントのない側のみ流水: 洗面台の構造上、コンセントがない反対側や下部など、完全に安全な箇所のみ流水を利用するようにしています。
まとめと読者へのメッセージ
異音を感じたら、絶対にこれを守ってください
もし、あなたが洗面台のコンセントから異音を聞いたら、パニックにならず、この手順を思い出してください。
- すぐにブレーカーを落とすこと。(これが最優先です)
- 電気を使わない作業をしながら、最低でも30分間、自然乾燥を待つこと。
- 30分後、ブレーカーを上げて異音がしないことを確認してから、作業を再開すること。
私の失敗談が、あなたがトラブルに直面した際の冷静な判断と、今後の安全な清掃作業の一助になれば幸いです。
スポンサーリンク


コメント