🌟 プロでも騙される!「一見きれい」な風呂場の落とし穴
ハウスクリーニングの現場で、一見して「きれいだ」と油断した風呂場ほど、実は手こずるものです。
【私の仕事体験談】
以前、ある物件で「ほとんど使われていなかったのでは?」と思うほど、パッと見がきれいな風呂場がありました。
浴槽も鏡もピカピカに見え、「今日は楽勝だ」と思ったくらいです。
しかし、清掃を始めると、いつもと同じくらいの手間と時間がかかりました。
なぜなら、目線を変えてしゃがみ込んだ瞬間、「うわっ!」と思うような隠れた汚れが多数発見されたからです。
この経験から、どんな風呂場でも「甘く見ない」こと、そして「隠れた汚れ」を最初に見抜く重要性を痛感しました。
例えばこの写真の清掃前の風呂場はパッと見るときれいに見えます。

この記事では、30年のキャリアを持つプロの視点から、「料金を安く見積もって割に合わなくなった」という事態を防ぐため、特に注意すべき風呂場の隠れた汚れの場所と、短時間で確実に落とすための具体的な洗剤とテクニックを解説します。
🔍 隠れた難所!プロが指摘する「見落としやすい汚れ」4選と攻略法
1. ドア下部の隅(特に開閉軸周辺)
この写真をご覧ください。

- 汚れの特徴: 開閉軸の周囲など、角に溜まった赤みを帯びた色素沈着(水垢とカビ、雑菌の複合汚れ)。ブラシが届きにくく、擦っても落ちにくい。
- プロの攻略法:
- 道具: カビキラーなどの塩素系漂白剤。
- 手順: 細かい部分に漂白剤を噴霧し、数分間放置します。擦らずに放置するだけで、新品のように汚れが分解・除去されます。
- 【私の仕事体験談】
- このドアの下の角の開閉軸付近の赤い汚れは、通常の洗剤とスポンジではなかなか落ちませんでした。細かい部分に手が入りにくいため、最初は焦りました。しかし、最終的にカビキラーを噴霧して放置したところ、驚くほどきれいに汚れが流れ落ち、まるで新品のようになりました。この箇所は「擦る」よりも「漬け置き」が圧倒的に効率が良いと学びました。
2. 浴室ドアの「アクリル素材部分」
- 汚れの特徴: 飛び散った石鹸水や水滴が固着したウロコ状の白い汚れ。
- プロの攻略法:
- 道具: メラミンスポンジと酸性のバスクリーナー。
- 手順: メラミンスポンジに酸性洗剤を含ませ、アクリル全体を軽く撫でるように擦ります。最後にシャワーでしっかりと洗い流します。
- 【私の仕事体験談】
- もしアクリルにカビキラーを直接かけてしまっていたら、大きなクレームになっていたでしょう。以前、新人時代に別のプラスチック素材で同様の失敗をした経験があります。素材表面が化学的に変質し、白く跡が残ってしまい、結局その部品を交換する羽目になりました。アクリルには酸性洗剤とメラミンスポンジを使い、素材を傷めずに石鹸カスだけを溶かすのがプロの鉄則です。
- ⚠️ 【超重要】絶対禁止行為!: アクリル素材にカビキラーを直接噴霧すると、素材の表面が化学的に損傷し、その跡が一生残ってしまいます。絶対に避けてください。
- ⚠️ 【安全第一】: 塩素系洗剤(カビキラーなど)と酸性洗剤は混ぜると有毒ガスが発生し非常に危険です。絶対に同時に使用したり、混ぜたりしないでください。
3. 壁の「下半分」とそれに接する床

- 汚れの特徴: 立っている目線からは気づきにくい、床の溝や壁の下部に付着した白い石鹸カスやわずかな黄ばみ。この汚れを残すと、次の入居者からのクレームに直結します。
- プロの攻略法:
- 道具: 酸性のバスクリーナー、雑巾、吸水性の良いタオル。
- 手順: 経験上、この手の石鹸カスには酸性洗剤が最も効果的です。洗剤を雑巾につけて汚れをこすり、その後、きれいな吸水タオルで洗剤と汚れを拭き取り仕上げます。
- 【私の仕事体験談】
- 床の溝に石鹸カスが分厚く溜まり、床全体が真っ白になっていた現場を経験したことがあります。この時は、この白い層を完全に除去するのに、なんと2時間を費やしました。白い汚れは、床の表面に残った石鹸カスが原因なので、しゃがんで確認することが重要です。軽い汚れであれば、この記事で紹介した通り、酸性洗剤をつけた雑巾で拭き上げるだけで十分です。この「目線を変える」ひと手間が、クレームを防ぐ鍵になります。
4. 蛇口(水栓)の裏側とシャンプー置きの裏面
- 汚れの特徴: パッと見はきれいでも、蛇口の裏側や接続部品には白い水垢がびっしり。シャンプー置きも、裏面を触るとザラザラした汚れた付着物があります。
- プロの攻略法:
- 手順: 蛇口とその接続部分の白い水垢を重点的に除去し、シャンプー置きの裏面が触ってサラサラになるまで清掃します。この細部の仕上がりが、お客様の満足度を大きく左右します。
- 【私の仕事体験談】
- 引き渡し前の最終チェックで、潔癖症気味の大家さんがシャンプー置きをひっくり返し、指で裏面を触って「ザラザラしている」と指摘されたことがありました。表側をどれだけピカピカにしても、こうした「触れる部分」の裏側の清掃を怠ると、一瞬で仕事の評価が落ちてしまいます。蛇口の裏やシャンプー置きの裏が「サラサラ」になっているかを確認する作業は、清掃の品質を保証する最後のステップです。
✨ まとめ:効率を上げるための最終チェックリストと道具
風呂場清掃を効率よく、かつ確実に完了させるためには、やみくもに作業するのではなく、まずこれらのポイント箇所を注意深くチェックし、汚れの種類に応じて適切な洗剤を選ぶことが重要です。
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