はじめに
この記事は仕事のクレームにどうすればうまくいくのか、30年近い作業経験からのお話しです。
そもそもハウスクリーニングの仕上がりに対して、細かいことを言い出すと、気になるところは少なからず出てくるものです。
新品交換ではないからです。
作業員として一生懸命尽くしても、後から文句を言われることがあります。
埃や小さな粒ごみがついているだけで文句を言う人もいます。
すごく嫌な気分になりますが、やり直せと言われたら、「いや」とは言えません。
そんな人と関わるのやめたら!
そうしたいけど、ビジネスである以上そんなわけにもいきません。
かと言って、心配しすぎてずっと悩んでいても自分にとってよくありません。
そんな時、あなたならどうしますか?
結論;あれこれ考えないで、もう一度、素直に再作業に出向く
クレームの連絡を受けると「かしこまりました、いついつお伺いします。申し訳ございません」と対応する
空室清掃の場合、次の入居者から「○○が汚いです。もう一度やり直してください」
と担当の不動産会社に連絡が入りました。
対応した担当者は期限が悪くなり、作業担当者がその連絡を受けることになります。
いわゆる仕事のクレームです。
まずはその時には全て
かしこまりました。いついつお伺いいたします。
と言うようにしています。
経験から、連絡する以上、相手にはそれなりの理由が必ずあることが分かってきたからです。
とはいえ対応する時まで作業員はストレスを抱える
とはいえ、先方のところに伺う約束の日まで、素人に文句が出るほど手落ちがあったかなとあれこれ考えてしまいます。
あなたならいかがですか?
私はここ2年くらい作業終了後の仕上がり状態を数枚の写真におさめています。
写真を撮ることはそのストレスの軽減になっています。
それでも、家の人はどんな人なのか、どれほど怒っているのか、当日までの間に自分で掃除したからもういいと言ってくれないかな、などとあれこれ考えてしまうものです。
あれこれ思い悩んで考えても力が奪われるだけ
真面目な人こそあれこれ考えてしまうものです。
誠意があっていいことですが、その日までは考えないようにしてOKです。
プラスになればいいのですが、往々にして他のことにもマイナスになります。
考えても結局時間の無駄…そんな時はいさぎよく出向くと、なんだかんだいって何とかなるものです。
たいていの場合、大したことないことですし、とって食われるわけではありません。(極論ですが)
ではここからクレームの事例をお伝えします。
今回のクレームの事例
仕上がり写真を見ると別に汚くない
わたしは仕上がり写真はとっていました。
自分としては、別に問題ないと思っていました。
そこであれこれ考えても時間の無駄
家の人はどこにクレームをつけたいのだろうと考えていました
それが時間の無駄です。
行ってみないとどんな人なのか、どうしてほしいのか、は聞いてみないと分からないからです。
相手のクレームの主張
前述の写真の右下に赤い矢印が見えますか?
その縁のところに茶色の汚れがあって、「自分でもやりかけたこど、もう一回やってください」と言われました。
思わず、
えっ、そんなことくらいでいちいち作業員を呼び出して、その時まで待つの?
と思ってしまいました。
再度手直しをする
縁ののところに洗剤をたっぷりかけて、茶色の液体が出なくなるまで擦りました。
10分ほどの作業でした。
言われた箇所だけでなく、全体も綺麗にしました。
家の人に確認してもらい、「分かりました大丈夫です。」
と承諾をいただいて、クレーム処理は終わりました。
尽くしてあげると相手の態度が変わる
感想としては、最初はやや機嫌が悪い感じでしたが、気になっているところを尽くしてあげると、感謝され、悪い印象はありませんでした。(時間は損した気分ですが)
まあこんな感じです。
率直なところこういう人の心境は理解できないのですが、現実に少なからずいますので、どんなに尽くしても呼び出されることは避けられないですね…
あらためて以下の教訓を得ました。
自分は綺麗にしたつもりでも、相手は綺麗とは思わないことがある
相手の気になることは完全には分からない
自分だったら全然気にならない状態でも、人によっては気になってしまって、時間をとってでも、人に来てもらって何とかしてほしいと思うみたいです。
この現実は受け入れる以外ないですね。
今回は怒りの程度はまだまだマシですが、激怒の人に当たることもあります。
もし相手が激怒していたら
相手が激怒していることもあります。
作業結果に満足しないこともあるでしょう。
しかし、一生懸命素直に尽くしてあげたら、仮に汚れが取れなかったとしても、尽くしてくれたんだなと心が作用するようです。
(相手も人間なので)
最初は激怒した人でも最後にはたいてい落ち着いてくることがわかってきました。
今後、同じことが起きないように気をつけつつも、クレームを100%防ぐのはまず無理なので、相手をビビらずに、とにかく尽くすという対応を心がけています。
自分はこれだけ頑張りました
と相手に主張しても、ほぼ説得できません。
口論するよりも尽くしてあげることが最善だと感じました。
清掃に関して言えば、自分と相手の感覚の違いがクレームの原因になります。
その点をもう少し掘り下げて考えてみました。
清掃でクレームを100%防ぐことは不可能
時間が限られている中で細かいことを言い出したらキリがない
結論を一言で言えば、綺麗にすることについて細かいことを言い出したらキリがないからです。
どのビジネスについても当てはまるかもしれません。
作業員としてもビジネスなので、時間が限られています。
ベストを尽くした結果についてのクレームは仕方がないと割り切る
極端に綺麗にすることにムキになって自分にストレスを加えないでも、普通にこれくらいになれば十分綺麗と思える状態にすればいいでしょう。
作業仕上がりを綺麗と思うか、汚いと思うかは感覚の問題で、人それぞれだからです。自分では全然気にならない汚れでも、相手にとっては、嫌なくらい汚いのでしょう。
詰まるところ、「こんなところ気にしても仕方ないのに」
と相手に対して思ったとしても意味がありません。
それが相手の感覚と人間性なのですから。
クレームから自分の弱点に気づかせてもらえる
一見その時は割りに合わない作業に思えるかもしれません。
しかし、その作業によって自分が気にしていなかった弱点に気付いたり、勉強になることもあるので、プラスに考えることもできます。
このように考えて、相手をビビらず出向くことにしました。
結局、最後にはなんだかんだ言って解決しています。
別の事例も紹介します。
洋室の白い巾木は汚れを見落としやすいので注意
ある空室でフローリングの剥離をしました。
下の写真にフローリングの一部と巾木の様子が見えます。
写真では床も巾木も綺麗に見えると思います。
赤い矢印で示しているのが巾木です。
この日はこの巾木には何もしませんでした。
それでも作業終了後はいい仕事をしたと思い込んでいました。
しかし、、ここから話の本題です。
担当者から清掃手直し要請のメールを受け取る
「洋室の巾木が全面汚れがあるので手直ししてください」
このような内容のメールを受け取りました。
えっ 巾木って張り替えたんじゃないの? 清掃の後に他の業者が汚したとか?
色々考えましたけど、どのような状態のために担当者が不満なのか、わかりませんでした。
まあ、考えても仕方ないので、明日、朝一番に伺うことにしました。
不覚、痛恨の汚れの見落とし!
この白の巾木、実は張り替えていたのではなく前の住居者のままでした。
室内清掃中は壁紙は綺麗で、フローリングも元々汚い感じではなかったので、巾木は新しいもので汚れていないと思い込んでいました。
清掃仕上がりの状態で巾木だけ見ると、うっすらですが、汚れているのがわかります。
これはわたしの不注意でした。
そうは言っても
これくらい気にすることでもないんじゃないの?
と内心言いたくなりました。
自分の手落なのに言い訳…
ですがビジネスなので、相手先の要望には対応しなければなりません。
30分の手直し作業
フローリングは綺麗に仕上がっているので汚せません。
通常このような汚れにはメラミンスポンジを使うのですが、
メラミンは水を含ませないなら、汚れ除去の効果はなく水を含ませると、フローリングワックスに水がたれるのでやめました。
仕方なく、雑巾にキッチンクリンという、油汚れ落としの洗剤をつけて、ひたすら擦って汚れを除去しました。
洋室2部屋の白い巾木全面の作業でしたが、30分ほどで終わりました。
床にダメージを与えることなく、汚れだけ落ちてくれたので良かったです。
終わりに
今回は自分がミスしたとは思えない仕上がりで、相手からクレームが来た場合の対処法と、モチベーションを維持する視点と考え方についてわたしの取り組みをお伝えしました。
事情や理由、どちらが悪いかに関わらず、相手が仕上がりに満足していないなら、素直に出向いてどこがどう気になるのか聞いて尽くしてあげるのが一番です。
それまでの間はあれこれ考えるのはやめましょう。思っていたことと全然異なることもあるので、時間の無駄です。
出向いてみて、初めて様子が分かり、そこから対処法を考えればいいでしょう。
そうは言っても、出向く前にはある程度考えて、必要と思われる道具は前もって準備し、きちんと携帯するようにします。
今回の体験に基づく私見ではありますが、クレーム処理に出かけるのがストレスになっている方に少しでも軽減になれば嬉しいです。
ではまた。
スポンサーリンク
コメント