Pタイルやクッションフロアなら綺麗に塗れるのに、なぜかフローリングワックスだけは毎回ムラになる…。
それはあなたの塗り方が悪いのではありません。
長年のハウスクリーニングの仕事経験から断言します。
フローリングワックスを「ムラなく美しく塗る」極意は、9割がモップの状態にあります。
この記事では、プロである私自身が犯し続けた「一見キレイに見えるモップの落とし穴」と、それが引き起こす3つの致命的な失敗パターンを徹底解説します。
あなたの道具箱にあるそのモップ、本当に大丈夫ですか?
今日からムラと筋のない仕上がりを実現するために、まずは道具の「NGサイン」を見つけることから始めましょう。
1. プロでも苦労する!フローリングワックスがけの「あるある」な悩み
ハウスクリーニングの仕事の中でも、フローリングのワックスがけは、経験者でも仕上がりに差が出やすい作業の一つです。
なぜなら、フローリングワックスはPタイルやクッションフロア用のワックスと比べて粘度が低いものが多く、乾燥も早めに設定されているため、わずかな塗布量の差やムラが、そのまま仕上がりに直結するからです。
わたしもかつては「なぜだかフローリングだけうまくいかない」と悩んでいました。
どんなに丁寧に作業しても、乾燥後に光にかざすと、ワックスが薄くかすれた部分や、モップの毛が混入した小さなゴミを見つけてしまう。
その原因を探る試行錯誤の末、行き着いたのが「道具の管理」だったのです。
2. 失敗はスキルではない!ワックスがけの成否を分ける「モップの絶対的な重要性」
「ワックス塗布の技術」はもちろん重要ですが、それを発揮できるかどうかは、モップというツールが「正常に機能しているか」にかかっています。
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どんなに完璧な塗り方を試みても、モップが床に均一な圧力をかけられなければ、ワックスは均一に広がりません。
「ムラなく塗る極意は9割モップ」という言葉は決して過言ではありません。
むしろ、モップが万全でさえあれば、技術の半分はモップが担保してくれると言い換えられます。
つまり、あなたのワックスがけの失敗は、技術不足ではなく、道具の管理という「盲点」にある可能性が高いのです。
3. なぜムラになる?一見キレイなモップに潜む【プロが見逃した3大NGサイン】
わたしの職場では、モップは毎回使用後にバケツで一晩浸け置きし、その後、洗濯機でネットに入れて洗うという、一見完璧な手入れをしています。
しかし、この「洗濯を繰り返す」という行為こそが、モップに致命的な劣化を招いていたのです。
あなたのモップに、以下の「NGサイン」がないかチェックしてみてください。
❌ NGサイン 1:モップ裏面の粘着が弱いと…(かすれの原因)
ワックスモップをホルダーに装着する面(マジックテープ部分など)の粘着が弱くなっていませんか?
塗っている最中にモップがホルダーから「パラッ」とめくれたり、浮き上がったりするモップでワックスを塗るとどうなるか。
それは、モップ全体に均一な力をかけることができなくなり、結果的に床へのワックスの乗り方が不安定になります。
特にモップの端の部分が床に正しくヒットせず、まるで「まだら模様」のように薄くかすれた塗りムラを残してしまうのです。
❌ NGサイン 2:ホルダーより土台が縮んだモップは…(角の塗り残し)
繰り返し洗濯と乾燥を経ることで、モップの布地がわずかに縮んでしまうことがあります。
部屋の角を決め塗りする際、あなたはホルダーの角を意識しているでしょう。
しかし、モップの布地がホルダーサイズより小さく縮んでいると、ホルダーは角に届いていても、肝心のワックスを運ぶモップの毛が角に届かないという事態が起こります。
結果、乾燥後に角だけがワックス未塗布の状態で残ってしまい、仕上がりが「手抜き」に見えてしまいます。
❌ NGサイン 3:繊維がパリパリに固まったモップは…(筋と汚さの原因)
モップを触ってみて、毛の一部がワックスや汚れでパリパリに固まっていませんか?
これは、洗浄が不十分だったワックスが繊維の奥で硬化した状態です。
このようなモップで塗ると、固まった部分が床を引っ掻くようにワックスを引きずり、乾燥後に縦横に汚い筋(スジ)となって残ります。
また、固まった繊維の破片や小さなゴミがワックスの中に混入し、最悪の仕上がりを生み出します。
4. もう失敗しない!プロが選ぶ「ストレスフリーなモップ」の3つの条件
わたしの現場経験から導き出した、ワックスがけの質を担保する「現役バリバリ」のモップが満たすべき3つの条件は以下の通りです。
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① ホルダーよりやや大きめで、包み込むように装着できること
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② ホルダーへの装着が非常に強力で、めくれる心配が一切ないこと
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③ モップの毛が均一で、固着や縮みがないこと
特に、わたしが愛用しているのは、ホルダーを包むようにマジックテープ(面ファスナー)で止めるタイプです。
古いタイプではありますが、このタイプは粘着力が弱くなりにくく、モップが縮むことによる影響も受けにくいため、数年間ストレスなくワックスがけをできています。
このようなイメージです。
5. モップを変えたら、次はココ!ワックスの仕上がりを極める「もう一つの超重要ポイント」
モップの状態を改善したら、あなたのワックスがけの品質は劇的に向上するでしょう。
しかし、プロとして完璧を求めるなら、もう一つ重要な要素があります。
それは、ワックスを塗る前の床が「いかに綺麗か」ということです。
目に見えるゴミやホコリだけでなく、古いワックスの残りカス、内装工事の糊(ノリ)の跡、皮脂汚れといった「目に見えにくい汚れ」を床から完全に除去しきれているかが、ワックスの密着度と透明感を決定づけます。
床が不潔な状態では、どんなに良いモップを使っても、ワックスの層の中に汚れが閉じ込められてしまい、くすんだ仕上がりになってしまいます。
これについては、別の記事で詳細を解説していますので、併せてご参照ください。
(後悔)白いフローリングはWaxを塗る前に手で触って内装後のノリを確認
まとめ:あなたのモップ、今すぐチェックしてみませんか?
フローリングワックスは、クッションフロアとは違い、モップのわずかな不具合が大きなムラとなって現れます。
あなたのワックスがけの失敗は、技術不足ではなく、単に道具の管理が不十分だっただけかもしれません。
まずはあなたの道具箱にあるワックスモップを取り出し、今回解説した「3大NGサイン」がないか確認してみてください。
モップを「現役バリバリ」の状態にするだけで、あなたのワックスがけのストレスは劇的に減少し、プロのような美しい仕上がりが手に入るはずです。
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