私は長年朝日新聞の集金スタッフの仕事を続けています。
人気の高い仕事ではないと思います。この先、ネットの普及によって新聞の読者はどうしても減っていく一方なので。
そんな中でこの仕事を続けているのは、主に給料目当てではなく顧客と接して人との対応のスキルを磨くのが目的です。
新聞集金→嫌にならないコツは友好的なお客と少しの会話する余裕
世間にはこんな私見に共感する人は少ないと思いますが、ある時、特に親しい人ではない70歳くらいの女性顧客から、久しぶりに新聞記事に関してお声を聞くことができたので記事にしました。
では、本題。
集金業務を終えてから、顧客の方からこんなお礼を言われました。
「2024年6月20日の暉峻淑子(てるおかいつこ)さんの記事を載せていただいてありがとうございました。ずっとモヤモヤしていたことがスッキリしました。」
「それは何よりでした。私はその方のことは知らないのですが、その方のどんな言葉が良かったのですか?」
「民主主義を守るためには対話がどうしても必要という見出しと内容です。これからの若い人たちが何かの手先になって無差別殺人の加害者になったり、犠牲者になったり、お米を筆頭に物価がどんどん上がっていったり、自分は70近くなるんだけど、医療や介護保険がどんどん高くなったり、中東の方の戦争などでこれから日本もどうなるかわからない…兵器さえ強くすれば解決できるとは限らないでしょう…結局そういうことって自分に関係しますよね。それによって、自分が今何をしたらいいのかはっきりしました。その連載は先日終わりましたけど。」
「そうでしたか。自分のことではなく、社会を良くしたいというモヤモヤだったんですね。前向きになれて良かったです。それにしても変わった苗字ですね。」
と言って、私はその方の前で自分のiPhoneで氏名検索して、
iPhone7はまだ現役でOK!iOS15の更新あり(2024年8月13日)
「この方のことでしょうか? ◯さんがその方のどんな内容でそう思われたのか、またスマホで見ておきます。どんな方か知らないですが、96歳で教授として執筆や対談会を今もなさっていることは尊敬できます。」と返答しました。
その顧客が心惹かれたのはこういう内容です。今は新聞記事が無料で残っていないので、検索してその記事に一番近い内容をスクショします。
15分ほどの対話でしたが、集金の顧客から前向きなコメントを聞けたのは、嬉しいものです。内容自体はまだよくわからないのですが、不思議にこちらの仕事のモチベーションも上がりました。
その方の私に対する会話の最後の言葉は、「同じ年の友人がいるのですが、まだ新聞は読もうね。ネットの情報を見ても信用できないから…」と。
まだまだ、こういう人もいるのですね。
自分の感覚からすれば、月5,000円もする新聞は必ずしも生活には必要ないかも…と思ってしまいますが… 雇い主に叱られるのでこれ以上正直に言うのは控えます。笑
この出来事から学べたことや感じたことをお伝えすると、
人って、自分が感動したことは、知らない人にでも言いたくなるものなんだなあ、と。
私が好きな有名な格言にこんな言葉があります。
「心に満ちあふれているものが口から出る」
逆に、ちょっと困ったのが、その顧客が、モヤモヤから希望が持てたということには、「良かったですね」になるのですが、政治や倫理についての考え方には、100%同意できるわけではない…
まあ、親友であっても完全に意見が同じ人なんていないので、キャッチできるところはキャッチして、せっかく相手から投げてきたボールだから、キャッチボールを閉ざさない、というところでおさめておくか… という感じでしょうか。
ちなみに、ペンシルバニア州立大学のある博士は,
「感情移入とは,『他の人の感情や物の見方を,それが自分と同じかどうかにかかわりなく,よく認識する能力』で、それが会話の基盤、そこから上に立てていく」
と述べて、こんなことも加えています。
「意見の相違はよくあることで、感情移入をすると,同意と理解とを分けて考えることができます。精神的に他の人の立場に立ってみると,その人と同じように感じたり考えたりすることでしょう。そのような場合,たとえ同意しないにしても,理解や認識や敬意が生まれます。」
ということで、万一、集金中に政治的な話に発展しそうなら、巧みにその場を切り上げるかもしれません。
この顧客とは今後も月に一度の接点があるので、進展があればあらためて記事にしたいと思います。
では、今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。
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