シロッコファンのギトギトは「ある道具」で解決!プロが苛性ソーダを使わなくなった理由と、安全・確実な掃除法

「あのギトギト、もうどうにもならない!」

キッチン換気扇のシロッコファンを外したとき、目に飛び込んでくるあのベタベタな塊。市販の強力洗剤を使っても、擦っても、一向に落ちる気配がなく、掃除を諦めたくなる気持ち、痛いほど分かります。

かつてはプロの現場でも、強力な薬品(苛性ソーダ)に頼る時代がありました。確かにここまで綺麗になります。

しかし、その薬品はファンを溶かし、高額な弁償次の清掃時に白い粉が噴き出すといった深刻なリスクを伴うことが判明したのです。

30年の経験を持つハウスクリーニングのプロとして、私はある決断をしました。

それは、危険な薬品を使わず、安全かつ確実にあのギトギト油を根こそぎ落とす方法に切り替えることです。

本記事では、プロが辿り着いた「ある特別な道具」と「熱」を使った二段階掃除法を公開します。

もう危険な賭けは必要ありません。

🎯 【危険】なぜプロは苛性ソーダを使わなくなったか

 

1. シロッコファンの「溶解」と高額な弁償リスク

 

かつて、苛性ソーダの強力な油分解能力は、私たちハウスクリーニング業界でも魅力的な選択肢でした。

熱湯に適量の苛性ソーダを溶かし、ギトギトのファンを浸すだけで、ほとんど擦らずに油が落ちていく様子は、まさに劇的でした。

しかし、その威力は同時に劇薬としての顔を持っています。

同僚の経験ですが、少しでもつけ置きの時間を誤ると、ファンの材質自体が化学反応を起こし、羽根がもろくなってバラバラに分解されてしまったのです。

結果としてファン一式を弁償することになり、お客様の信頼も失いかねません。

手間を省くための近道が、結果として最も高い代償を払うことになったのです。

2. 見えないリスク:次の清掃時に噴き出す「白い粉」

 

さらに深刻で、一般にはあまり知られていないリスクが「白い粉の残留」です。

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は非常に強いアルカリ性です。

清掃時に完璧に洗い流したつもりでも、ファンや換気扇内部のわずかな隙間に残った成分が、長い時間をかけて空気中の二酸化炭素などと反応し、炭酸ナトリウムなどの白い粉末に変化します。

これが、あなたが経験された「次のハウスクリーニングの時にサラサラ出てくる白い粉」の正体です。

この粉は、換気扇を稼働させるたびにキッチンや室内に飛散する可能性があり、プロとしてお客様の健康と安全を考えると、決して看過できない残留リスクとなりました。

これらの経験から、私たちプロは「リスクを冒して時間を短縮する」より「手間はかかっても安全と確実性を最優先する」方法へと完全にシフトしたのです。


✨ プロの結論:熱とスクレーパーによる「二段階除去法」

 

危険な薬品に頼らず、あの分厚い油の塊を根こそぎ落とすために私たちが辿り着いたのが、物理的な力と熱の力を組み合わせた、手間はかかりますが最も安全で確実な**「二段階除去法」**です。

ステップ1:**「ある道具」**でギトギトの塊を削り取る

 

まず最初に行うべきは、シロッコファンスクレーパーと呼ばれる専用の道具を使った油の塊の物理的な除去です。

道具名 シロッコファンスクレーパー
入手方法 ホームセンターには売っていないことが多いため、ネット検索で購入可能です。(価格は1,000円前後)
メリット ファンの形状に合わせた特殊な形状で、羽根と羽根の間に入り込み、固まった油を効率よく剥がすことができます。

この手作業は10分弱かかりますが、この工程をサボらないことが成功の鍵です。

分厚い油の塊を事前に削り取っておくことで、次のつけ置きで対処すべき汚れの量が激減し、結果として全体の清掃効率が劇的に向上します。

ステップ2:アルカリ洗剤+熱湯でつけ置き

 

塊を削り取ったら、残った頑固な油汚れを熱の力で溶かします。

  1. 耐熱バケツを用意し、シロッコファンを完全に浸すことができる量のお湯を張ります。

  2. お湯の温度は、手で触って「熱い」と感じる程度(50℃〜60℃が理想)の高温にします。

  3. そこに、一般のアルカリ性洗剤(または換気扇用の強力洗剤)を適量投入します。

  4. そのまま1時間程度つけ置きにします。

この「熱」が、残りの油汚れを柔らかくし、洗剤の力を最大限に引き出します。

つけ置きを終えたら、手作業で取れきれなかった細部の油塊がすっきりと取れてくれるはずです。


🚫 やってはいけない!絶対にNGな清掃行動

 

せっかくファンを外して掃除を始めたのに、この行動をしてしまうと一気に効率が落ちてしまいます。

  • ブラシ類で油を擦る:固まった油をブラシで擦ると、すぐにブラシの目に油が詰まり、ブラシが一瞬で使い物にならなくなります。掃除どころか、道具を汚すだけで終わってしまいます。

✅ 代替案:効率的な仕上げ方

 

擦る必要がある場合は、以下の方法で行うのが賢明です。

  1. ゴム手袋をはめた雑巾:油が詰まっても捨てられる雑巾(ウエス)を使い、ゴム手袋の摩擦力を利用して擦る。

  2. スクレーパー + 茶パット:ファンに多少の傷がついても良い材質であれば、スクレーパーの先に茶パット(たわし)を当てて、細部の汚れをこそぎ取るように擦る。

このプロの「二段階除去法」であれば、危険な薬品に怯えることなく、シロッコファンを安全に、そして確実にピカピカにすることができます。

 

おわりに

プロが「手間」を選ぶ、納得の理由

「二段階除去法」は、苛性ソーダのような劇的な即効性こそありません。

しかし、破損リスクや、次回以降の作業時に白い粉として室内に飛散するかもしれないという健康リスクを完全に排除できる、プロとして最も誠実な方法です。

私たちは、お客様の財産と健康を守る責任があります。

そのため、手間かもしれませんが、最初にスクレーパーで地道に油をこそぎ取る作業こそが、最も確実で安全、そして結局はファンを長持ちさせるための近道だと結論づけています。

あなたのキッチンを危険から守るために

 

シロッコファンのギトギト油汚れの除去作業において、苛性ソーダが一時的に素晴らしい威力を発揮するのは事実です。しかし、その裏にあるリスクはあまりに大きすぎます。

この記事であなたが手に入れたのは、単なる掃除方法ではありません。

  • ある道具(シロッコファンスクレーパー)を使った塊の物理的除去

  • 熱とアルカリ洗剤を使った安全で確実なつけ置き

この二段階のプロのノウハウで、ぜひご自宅のシロッコファン掃除に挑戦してください。

手間を惜しまないその一手間が、ご自宅の安全と清潔さを守ります。

さあ、道具を準備して、あのギトギトと決別しましょう。

 

スポンサーリンク


コメント

タイトルとURLをコピーしました