「網戸洗浄後、乾いてみたら白い筋が…」
「結局、養生テープや乾拭きで手戻りが発生している」
――これは、網戸清掃の工数を浪費する最大の原因です。
多くの業者は「いきなり水洗い」から入りますが、私たちはその常識を覆します。
この方法を知るだけで、清掃時間を平均30%〜50%短縮し、なおかつ施主からのクレームゼロの「完璧な仕上がり」を達成可能です。
結論から言います。
成功の鍵は、流水前の「ある下準備」にあります。現場のプロが検証を重ねた、ムラやホコリ残りをゼロにする究極のドライ処理技術を、ここで全て公開します。
網戸洗浄の最大の「工数浪費」ポイントとは?
多くの清掃作業者が経験する最大のフラストレーションは、以下の作業の「手戻り」です。
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水洗い直後:「これで完璧だ」と思っていても、水滴が残っている状態では仕上がりが判断できない。
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乾燥後:作業を終え、乾燥後に確認すると、網目に絡みついた白いホコリやゴミが再び浮き出て目立つ。
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手戻り作業:結局、乾いた網戸に再度粘着テープ(養生テープなど)を貼ったり、部分的に乾拭きや再洗浄を行ったりする。
この「乾燥後の手戻り作業」こそが、網戸清掃の工数を半減できない最大のボトルネックです。
この手戻りを完全にゼロにすることが、スピードと品質を両立させる唯一の方法です。
究極の答え:「水濡れ前のドライ処理」の理論
なぜ、水洗い後に汚れが残るのでしょうか?
その理由はシンプルです。
網戸に付着している主な汚れは、土砂、排気ガス由来の微粒子、そして繊維状のホコリです。
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水分とホコリの固着: 乾いたホコリにいきなり水をかけると、ホコリは水を含んで重くなり、網目の交差点や繊維に張り付いて固着します。洗剤で泡立てても、この固着したゴミはなかなか剥がれず、乾燥後に白いムラとして残ってしまうのです。
私たちが推奨する「水濡れ前のドライ処理」は、このホコリが固着する前に、物理的にすべて絡め取ることを目的としています。
ちなみに清掃前はこういう状態。

これから紹介する方法で作業すると後でゴミはつかなくなります。

✅ 【実践】プロが選ぶ最適な「ドライ処理」ツールとその使い方
ドライ処理に何を使うか、これが工数と仕上がりを左右する重要なポイントです。
1. 必須ツール:濃緑色のスコッチ(ナイロン不織布たわし)
私たちは様々な道具を試しましたが、ドラッグストアやホームセンターで入手できる濃緑色の「ナイロン不織布たわし」(スコッチブライトなど)が、現在のところベストだと結論付けています。
⚠️ プロの注意喚起: 100円ショップのたわしは安価ですが、耐久性が低く、作業中にたわしの破片やカスが網戸に残留し、かえって二度手間になるため、絶対に推奨しません。
2. ドライ処理の具体的な手順
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ブラッシング: 網戸を濡らさず、乾いた状態のまま、広げたスコッチで網戸の両面を丁寧にブラッシングします。
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方向: 縦方向、横方向の両方から、網目に対して角度を変えながら、全てのホコリを絡め取るつもりで時間をかけます。この「ブラッシング時間」こそが、後々の「手戻り時間」を吸収する「投資時間」だと考えましょう。
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目視確認: ブラッシング後、網戸の表面にホコリや繊維状のゴミが残っていないかを厳密に目視確認します。
🚀 水洗いから仕上げまでの効率化プロセス
ドライ処理を終えた後の作業は、驚くほどスピーディかつクリーンに進行します。
ステップ1:水と洗剤の最小限の使用
ドライ処理でホコリが除去されているため、大量の洗剤や高圧洗浄は必要ありません。
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推奨: 中性洗剤をごく少量混ぜた水溶液をスプレーボトルに入れ、網戸全体に薄く吹き付けます。
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流水: ホースで水を上から下へ優しく流します。この時、排水がほとんど濁らない(または非常に軽度な濁りである)ことに驚くはずです。これは、最大の汚染源であるホコリが事前に取り除かれている証拠です。
ステップ2:仕上げのムラを消すガラス清掃の裏技を活用
網戸清掃と同時に行うガラス清掃も効率化しましょう。
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ガラス外側: 一旦水洗いし、上記の中性洗剤スプレーを全体に吹き付け、再度流水します。
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水切り: ダイソーなどで手に入る**風呂場用の水切りワイパー(スクレーパー)**でガラス面の水を切ります。
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効果: 洗剤成分が薄く残留することで水の切れが良くなり、乾燥後にほぼ水垢やムラが残りません。乾拭きの工数を極限まで削減できます。(もちろん、厳密にはエッジ部分を軽く拭き上げる程度は必要ですが、大幅な時短になります)
結論:網戸清掃の収益性を高めるために
網戸清掃は、一見簡単ですが、手戻りが発生すると採算が悪化しやすい作業です。
私たちが「工数を半減させる」と断言できるのは、この「水濡れ前のドライ処理」が、作業全体のボトルネックであった『手戻り』を完全に解消するためです。
プロとして高いクオリティを維持しつつ、現場の回転率を上げるために、ぜひこのドライ処理技術を今日から貴社の標準作業(SOP)として導入してください。
🏗️ 次なるステップ:サッシレール清掃の効率化にも応用する
網戸の「水濡れ前のドライ処理」の概念は、汚れの性質が似ているサッシレール清掃にも応用することで、現場全体の工数をさらに削減できます。
サッシレールは泥、砂、ホコリ、そして固着した苔などが混在しており、いきなり水で流すと泥状になって粘着性が増し、かえって除去に手間取ります。
【極意】サッシレールも「乾いているうちに掻き出す」
サッシレール清掃の効率化も、網戸と同様に「水を使う前に、できる限りドライな状態で汚れを除去する」ことが鍵です。
1. 必須ツール:プロ仕様の「掻き出しツール」
ホコリを吸い取るスコッチと異なり、レールは溝が深いため、固まった泥や砂を物理的に掻き出すツールが必須です。
2. サッシレール清掃の効率化ステップ
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ドライ処理(掻き出し): 掃除機用ノズルやヘラで、溝の砂や泥を丁寧に掻き出します。この時点で、水分を含んでいないホコリや砂の90%以上を除去します。
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ドライ処理(吸着): 掻き出した後の微細な粉塵は、幅広の養生テープをレールに貼り付け、剥がす作業を繰り返して吸着させます。この段階で、ほぼレールが目視で綺麗になります。
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仕上げ: 最後に、洗剤水とマイクロファイバークロスで拭き上げるか、少量だけ水を流して残った汚れを洗い流します。
網戸とサッシレール、両方で「水濡れ前のドライ処理」を標準化することで、清掃工数削減と仕上がり品質の向上が同時に実現します。
プロとしての差別化、そして現場ごとの収益性向上に、ぜひこのノウハウをご活用ください。
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