英語の Neither が「鏡の魔法」に見えてくる話 なぜ語順がひっくり返るのか?

「もし、あなたが人を許さなければ、あなたの父も許さない。」

この言葉を英語で読むと、こうなります。

Neither will your Father forgive you.

意味は理解できる。
でも、英語初心者の頃の私は、別のところで完全に固まりました。

  • え、疑問文みたいな語順じゃない?

  • 神様に質問してるの?

  • そもそも neither って、どこにかかってるの?

実はこの一文、ただの道徳的な教えではありません。
英語のルールを根本から理解するための、とても分かりやすい仕掛けが隠れています。

それが、今回のテーマ――
**Neither が引き起こす「鏡の魔法」**です。


「疑問文」に見える正体

結論から言うと、

Neither will your Father…
これは「質問」ではありません。

語順がひっくり返っている理由は、
文頭に立つ Neither が、英語ではとても強い否定語だからです。

この瞬間、英語の世界ではある現象が起きます。


想像してみてください。目の前に「鏡の壁」があるとしたら

① 否定のボールを投げる

まず、前半の文で「否定」が投げられます。

If you do not forgive others…

この not(〜しない) が、勢いよく飛んでいくイメージです。


② Neither という「鏡」にぶつかる

その否定のボールが、文頭の Neither にガツンと当たります。

鏡の前に立つと、左右が反転しますよね。
英語でも同じことが起こります。


③ 語順が反転する

鏡の前(普通の文)

Your Father will forgive you.

鏡の中(反転した文)

Neither will your Father forgive you.

  • will your Father

  • did this one

  • can he

この形は「疑問文」ではなく、
鏡に映った結果、順番が反転した姿なんです。


鏡は「同じ色」も映す

鏡のもう一つの特徴は、
色(意味)も同じになること。

前半が「否定」なら、
後半も自動的に「否定」になります。

だから後半に not がなくても、

Neither + 倒置
=「〜もまた、〜ない」

と、私たちは直感的に理解できるわけです。


清掃の現場にも現れる「鏡の魔法」

この Neither の鏡、
実は日常会話――特に清掃の現場では頻出です。

シーン①:落ちない汚れ

頑固な換気扇の油汚れ。

先輩

“This stain did not come off.”
(この汚れ、落ちなかった)

あなた

Neither did this one.
(こっちも落ちませんでした)

👉 did not が鏡に当たり、
this one did → did this one に反転。

「同じ状況だよ」という連帯感が、一言で伝わります。


シーン②:終わらない作業

広いオフィスの床清掃。時間が足りない…。

同僚

“I will not finish by 5:00.”

あなた

Neither will I.

👉 聖書の

Neither will your Father…
と、まったく同じ構造です。

英語は、特別な世界の言葉じゃない。
現場の愚痴や共感にも、普通に使われています。


結び:言葉はブーメラン

Neither は、
「否定」を投げ返すブーメランのような言葉です。

  • 誰かが投げた否定を

  • 鏡のように受け止めて

  • 同じ形で、静かに返す

だから語順が反転する。
だから疑問文に見える。
でも、実際はただの共感の表現です。

次に Neither will I. を見たときは、
ぜひ思い出してください。

「あ、今、鏡が置かれたな」

そう思えた瞬間、
英語は少しだけ怖くなくなります。

▼次にこちらをご覧になると理解がいっそう深まります。

Either は肯定じゃない? 「否定の世界」にだけ現れる、もう一つの鏡


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