ワンルームの空室清掃で、キッチン前の床に小さなWaxのハゲを見つけました。
場所は冷蔵庫の下と思われるスペース。面積はわずかですが、立ったままでも分かる程度には目立っています。
この程度のハゲのために床全体を剥離するのは大げさ。でも、そのまま洗うだけでは気になる――。
「部分剥離してWaxを塗るべきか?」
現場で悩みながら試した結果、思いもよらない発見がありました。
それは、Waxは必ずしも塗れば良いというものではないということです。
最近の床材の性能と、見た目の自然さについて改めて考えさせられた出来事でした。
冷蔵庫の跡だけが目立っていた
今回の部屋は2022年築のワンルーム。
全体的にきれいな状態で、床にも大きな傷はありません。
よくあるWaxの水たまり跡や白化もなく、正直なところ床についてはそれほど苦労しないと思っていました。
ところがキッチンの冷蔵庫置き場だけは別でした。
冷蔵庫の脚が当たっていたと思われる箇所に、Waxがなくなったような跡が残っていたのです。
面積としては小さい。
しかし上から見ると意外と目立つ。
だからといって、この部分だけのためにキッチンスペース全体を剥離するのも少々大げさな気がしました。

冷蔵庫の下と思われる場所にだけWaxのハゲが残っていた。小さいが意外と目につく。写真では見えにくいと思います。お詫び。
全面剥離か、部分補修か
現場でしばらく考えました。
全面剥離すれば確実です。
しかし、このためだけに剥離作業を行うとなると手間も時間もかかります。
一方で洗浄だけではハゲが残ってしまう。
そこで思いついたのが、
傷んだ床材一枚だけを部分的に剥離する方法。
オールゴーの原液を濡らしたメラミンスポンジに付け、周囲にはみ出さないよう慎重に作業しました。
水分も必要最小限。
その後、乾いた雑巾で拭き取ります。
正直なところ、この時点では
「結局Waxを塗らないとダメだろう」
と思っていました。

矢印部分の床材一枚だけを部分剥離。周囲との違いを確認しながら作業した。
ところが意外な結果に
剥離後に乾燥させて確認すると、予想外のことが起きました。
近くで見れば確かにツヤは落ちています。
しかし普通に立った状態で見ると、周囲との差がほとんど分からないのです。
むしろ自然。
ここで気付きました。
この床材はもともとテカテカに光るタイプではないのです。
おそらく新築時からWaxも一層程度しか塗られていなかったのでしょう。
つまり、
「ハゲているように見えていた部分も、実は床材そのものの質感に近い状態だった」
ということです。
Waxを塗ると逆に不自然になる
ここで再び悩みました。
せっかくだからWaxを塗っておこうか。
しかしよく考えると、それをやると今度はその部分だけが光る可能性があります。
補修したはずなのに補修跡が目立つ。
本末転倒です。
そこで今回は思い切ってWaxを塗らないことにしました。
結果として、その方が自然に見えます。
遠目にはほとんど分かりません。
最近の床材は本当に優秀
今回改めて感じたのは、最近の床材の性能の高さです。
2022年築ということもあり、表面コーティングがしっかりしています。
昔の床材なら、
「Waxがなくなった=保護層がなくなった」
という考え方もできました。
しかし現在の床材は違います。
もともと高い耐久性を持っているため、無理にWaxで保護しなくても十分な場合があります。
むしろ余計なWaxが床本来の質感を損ねることさえあります。
滑りやすくなるという皮肉
さらに面白いことがあります。
この床、本来はWaxを塗らなくても十分使える床材です。
ところがWaxが塗られていることで、靴下だと少し滑るんです。
保護のために塗ったWaxが、歩きやすさという点ではマイナスになっている。
なんとも皮肉な話です。
もちろんWax施工そのものを否定するつもりはありません。
実際、通路部分や生活動線はしっかりWaxで仕上げました。
ただ今回の経験で、
「Waxは塗れば塗るほど良い」というものではない
と改めて感じました。
現場は「やること」より「やらないこと」が難しい
清掃の仕事をしていると、
汚れているから洗う。
傷んでいるから補修する。
そう考えがちです。
もちろんそれは大切です。
しかし現場では、
「本当にそこまでやる必要があるのか」
を見極めることも同じくらい大切です。
作業を増やす判断は簡単です。
ですが作業を増やさない判断には経験と責任が伴います。
今回は余計な剥離作業やWax施工をせずに済みました。
その代わり仕上がりは自然で違和感もありません。
品質を保ちながら無駄な作業をしない。
現場の面白さを改めて感じた一日でした。

最終仕上がり。補修箇所も自然になじみ、通路部分は通常通りWaxで仕上げた。

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