1. 現場のモヤモヤを3分で解決する!
どんなに床の清掃を完璧に仕上げても、中古物件のフローリングには「既存の傷」が必ずと言っていいほどあります。
厄介なのは、その傷をそのままにして引き渡すと、「これ、あんたがつけたのでは?」と後から無用なクレームや疑念**を招きかねないこと。
プロとして、このモヤモヤしたリスクを抱えたまま現場を後にするのは避けたいものです。
そこで今回は、私が長年の経験から編み出した、たった3分でクレームリスクを激減させる、中古物件特有の床傷へのコスパ最強の対処法を公開します。
これは、賃貸の退去費用を抑えたい一般の方にもすぐに役立つ、非常に実用的なテクニックです。
2. 「かくれん棒」補修が最強である3つの理由
プロの現場では、完璧な補修は目指しません。目指すのは、高額な職人費用や時間をかけることなく、「立った位置から見て違和感をなくすこと」、つまり「誰も気づかせないレベル」に仕上げることです。
たった数百円で後の面倒なやり取りや時間のロスを防げるなら、これほど価値のある「現場の円満化」の作業はありません。
3. プロが実践する「かくれん棒」3ステップ補修術
使うのは、深い傷や凹み補修に適した「熱で溶かすハードタイプ」のかくれん棒です。
ステップ① 準備:傷口をきれいに掃除する(これが肝心)
補修材がしっかり定着するように、まず傷の溝や周囲のホコリをしっかり拭き取ります。これをサボると、せっかく埋めてもすぐに剥がれてしまいます。
ステップ② 色選びのコツ:濃い色で「影」を消す
フローリングの色に完全にピッタリ一致させようとしなくて大丈夫です。
むしろ、傷の溝に入ったときに「傷が作る影」を消すため、少しだけ濃いめの色を選ぶのが現場のコツ。これで光を反射せず、ぐっと目立たなくなります。
💡プロの裏技:色が合わない場合 付属のヘラの上などで、濃い色と薄い色を少し削り取り、ドライヤーやライターの熱で溶かして混ぜることで、より近い色を作り出せます。(火を使う際は十分ご注意ください)
ステップ③ 塗り込みと仕上げ:定着に「ドライヤー」ひと手間を
かくれん棒を直接傷に塗り込みます。このとき、ドライヤーで軽く温めるとワックスが柔らかくなり、傷の奥までしっかり浸透して定着が良くなります。
最後に、余分なワックスを固めの布やヘラなどで軽く削り取るように平らに均せば完了です。

これは元々あった傷なので、自分がつけたわけではないものの、後で物件担当者や入居者が見た時に、疑われてしまうかもしれません。
そんなモヤモヤを抱えたまま、作業引き渡しをしたくないですよね。
もとより、清掃作業のクレームとして言われたら、「気にしなくても元々あった傷です」とはっきり言い逃げるのも正当な方法ですが、そんなやり取りがあること自体、気持ちの良いものではないので、もっといい方法があります。
「かくれん棒」で3分くらいでこんなふうに埋めてみました。

確かにサッとかくれん棒を塗っただけでは、屈んでよく見ると少し違和感があるかもしれません。
ですが、何も知らなかった人が立った位置からこの状態を見た時に、おおかた気にならないようです。
そう言えるのは、この現場では特に後から何も言われる事はなかったからです。
4. 傷の種類別!プロの簡易補修テクニック
「かくれん棒」が適さない傷や、もっと簡単な傷への対処法も知っておくと便利です。
① 浅い凹み傷(えぐれてはいないが重いものを落とした跡など)
凹み傷は、濡らしたタオルを当ててアイロンのスチームを数秒間あてるだけで、熱と水分で木材の繊維が膨らんで目立たなくなることがあります。
ただし、当てすぎると焦げるので注意が必要です。
② 軽微なすり傷(ワックス層のみの傷)
フローリングの表面のワックスが剥がれただけの軽微なすり傷なら、ワックス成分を含むハンドクリームや補修ペンを塗り込むだけでも、表面のツヤが戻り目立たなくなります。
⛔ 注意:かくれん棒が適さない傷
広範囲にわたるフローリングの剥がれや、床材の構造的な欠けはかくれん棒では対応できません。無理せず専門の補修業者に依頼しましょう。
5. まとめ:クレーム激減の秘密は「気付きの壁」を超えること
補修後、床に膝をついてじっくり見れば、もちろん専門の職人には敵いません。しかし、私たちの目的は「完璧」ではなく、「クレーム防止」です。
傷がそのままの状態だと、人の視線が集中し、担当者は必ず屈んでチェックします。しかし、かくれん棒で補修した後は、傷が光を反射せず、立った位置から見た違和感がなくなるため、そのままスルーされる可能性が非常に高くなります。
この「気付きの壁」を超える補修を行うことで、あなたの現場作業は格段にスムーズになり、無用なトラブルから解放されます。
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