はじめに
キッチンはお料理するところだからきれいににしたい
そのため、一見清掃仕上がりがきれいに見えるキッチンでも、細かいところでクレームになりやすいです。
私は長年ハウスクリーニングに携わっていますが、この記事では自分の作業後に入居者から言われたクレームとその対応の様子について体験談としてお伝えします。
作業者の盲点になるのが、扉の取手や収納庫の中の微妙な汚れです。
スポンサーリンク
作業者にとっては嫌なクレーム連絡
ある時、私のスマホのショートメールにこんなメールが入りました。
まあ、一生懸命仕事したのに気が重くなる連絡です。
「キッチンの取っ手がベタベタしていて手直しが必要で担当者の下○さんも同行する」
まず、担当者にお詫びしないといけないし、入居者がどんな人か分からないので、なんともモヤモヤな気分ですが、まあ考え過ぎても仕方ないので「なるようになるだろう、とって食われるわけでなし」と開き直りました。
さて、クレーム対応の様子をこれから順を追ってお話します。
まず担当者と入居者を訪問することになったので、わたしと担当者が待ち合わせた時からです。
待ち合わせた担当者は逆にかばってくれた
担当者と待ち合わせの際、こんな会話から始まりました。
今回のことでは煩わせてすみません。あの部屋キッチンがそれほど汚かった印象はありませんでした。入居者の方は結構怒っていますか?
確認の時に別に汚かった印象はなかったです。最近の若い人は甘やかされているから賃貸なのに要望ばっかり一人前なんですわ。気にせんとってください。
自分の作業が担当者の評価が下がっていないことが分かってホッとしました。
同時に、賃貸マンションの契約の仲介業務も大変だなあと。
色々な人がいるから。
さて、2人で入居者を訪問します。
入居者は清掃後何が不満だったのか
因みにキッチンの仕上げの時に撮った写真はこれです。
訪問すると、30歳くらいの女性が出てきました。
それほど怒っている印象はなかったのでホッとしましたが、いざキッチンを見てみると
このような状態になっていました。
タイルの部分にきれいに壁紙が貼ってあった…
素人?にしては上手に装飾したと思います。
それで、どこが汚かったのかを聞くと、
取手など触るところがパッとしない、裏側も気になる。お料理するところだから…
と言われましたが、担当者は、
あまり強い洗剤は使えない材質で水でじゃばじゃば洗えないので限界もあるんですわ」
と言って、この時もかばってくれました。
後、扉を開けて、
よく見ると中が汚れている。もうちょっとしっかり磨いてほしい
と追加で言われたのがこのような部分。
元々破損があった扉ですが、中の白い部分が汚いという要望。
ここで担当者は「後はお願いします」と言って先に退散しました。
至近距離で細かくじろじろ見れば、食品を入れるという観点で考えると気になる人は気になるだろうけど…作業者としては限られた時間で作業しているので…
と言いたくなりましたがそこは堪えて、この人は尽くしてあげたら態度は変化するんじゃないの?と感じました。
では、一生懸命尽くしているところを入居者女性に見ていただきます。
スポンサーリンク
作業方法と費やした時間
キッチンの扉と収納庫の壁全部を最初からするつもりで作業に取り掛かりました。
まず、上段の扉とその奥。
市販の油汚れの洗剤を噴霧して、水で濡らしたメラミンスポンジで全面軽く擦って拭き上げました。
すると結構壁が白くなりました!
次に下段。基本的に上段と同じようにしましたが、小物入れの引き出しが4箇所あるので、一つ一つ丁寧に磨き上げました。
なかなか時がかかる作業です。
そして取手。
パッと見は全然汚くないのですが、裏側とか、小さい金属の腐食が汚く見える…
なかなか細かいですね。若干、彫刻刀で腐食を削りました。
そうこうしているうちに全部で1時間強かかり、仕上がりを見ていただいて、「きれいにしてくださりありがとうございました」と了承を得て終了です。
仕上がりもそれなりになりましたが、一生懸命尽くしている姿を見て態度が変化した感じでした。
それと、このような女性は少し話しかけて褒めると態度が変化したので、そのことにも触れたいと思います。
作業中に入居者と会話してみると態度が柔らかくなった
この女性は会話出来そうな人だったので、話しかけてみました。
どちらから引越してこられたのですか
旭区からです
お仕事の関係ですか
いえ、彼氏と同棲することになって、明後日くらいに来ると思います。それまで出来るだけ片付けてます。
そうなんですか。ということはお相手の方も料理なさるんですね。
いえ、全然しないです。全部私がすることになるので修行中です。
それでキッチンが気になってたのですね。本当に料理が上手な人はキッチンはきれいなのできっとお相手の方も喜ばれると思います。もし苦手だったとしたら、男性は外食を好むようになるので…なのにこんなことで不快にさせてすみませんでした。
奥さん料理上手なんですか
いえ、実は私、未婚です…
こんな話をしながら作業終了後、
ここには長く住まわれるのですか
多分、そうなると思います
では末永く快適ライフをお楽しみくださいね
こんな感じで会話すると態度が柔らかくなりました。
ポイントは、至らなかった点のお詫びと、いいところを褒めることだと思います。
結果的にややこしい人ではなくてよかった…
体験レポートはこんなところですが、どうすれば手直しにわざわざ出向かなくて済んだか考えてみました。
クレームに至った根本原因
前の入居者が出た時の状態は見ていませんが、キッチンはそれなりに汚れていたのだと思います。
ところが、上下扉の全面に白い壁紙がきれいに貼ってあったので、比較的きれいなキッチンだ〜と錯覚してしまいました…
なので、元々の古汚い部分の清掃が甘くなったことが原因でした。
解決方法としては、「キッチンは収納庫の中はきれいに見えても手を抜かない」を実践すれば普通はクレームにはならないと思います。
ただし、この女性は、大半の人が気にならない取手の裏とか、細かいところを気にしていたので、ざっとした掃除では満足しない人…
それで、扉の取手の裏側も気にする人がいると同時に、自分が気になるところと家の人が気になるところには差異があるので、どんなに作業してもクレームはつきものと割り切ることも、変に自信をなくすことを防ぐために大切。
まあ、このようなことは事故と思って気にしないことですね。
幸い、担当者もわかってくれていたので助かりました。
以上です。
スポンサーリンク
終わりに
作業のクレームの連絡を受けることは気持ちのいいものではありません。
ですが、下記のことで大半の人はそれ以上ややこしくすることはないでしょう。
- 一生懸命作業していることを目の前で見せる
- 会話でお詫びと褒め言葉を投げかけてみる
ただし、意図的なクレーマーは話は別ですが…
【ハウスクリーニング】クレーム対応への心配・不安をなくす考え方
まあ、それでもとって食われることはないし、相手は人間に過ぎないのでビビるのはやめました。
こんな体験談ですが、ハウスクリーニング作業者に少しでもお役に立てば嬉しいです。
では。
コメント