クレームメールが届くと、心臓がドキッとします。
「そんなにひどかったのか……」
「これは大問題になりそうだ」
「どう対応すればいいんだろう」
私も30年以上ハウスクリーニングの仕事をしていますが、今でもクレームメールを読む瞬間は緊張します。
もちろん、お客様の声を軽く考えてはいけません。しかし、メールに書かれている内容だけで落ち込んだり、最悪の事態を想像しすぎたりする必要もありません。
なぜなら、実際に現場へ行ってお客様と顔を合わせると、メールから受けた印象とはまったく違う景色が見えることが少なくないからです。
先日も、まさにそんな出来事がありました。
メールを読んで身構えた
入居したばかりのお客様から、ハウスクリーニングについてお問い合わせのメールをいただきました。
内容は、
- 全体的に清掃が行き届いていない印象だった
- 床を拭いたら雑巾が真っ黒になった
- お風呂のドアの隙間や窓のさん、キッチン収納、水回りなどにも目立つ汚れが残っていた
というもので、写真も添付されていました。
「ハウスクリーニング済みとのことでしたが、通常はクリーニングの範囲に含まれますでしょうか」
という一文もあり、私は「かなりご不満なのだろう」と感じました。
正直なところ、現場へ向かう足取りは少し重かったです。
実際にお会いすると印象は一変
担当者と一緒に訪問すると、お客様はとても穏やかな方でした。
むしろ、「わざわざ来てもらって申し訳ないです」というお気持ちが伝わってくるような対応で、こちらの話にも丁寧に耳を傾けてくださいました。
一緒に室内を確認しながら、気になる箇所を一つずつ見ていきます。
すると、メールでは大きな問題に思えた内容も、実際には少し違っていました。
例えば、キッチンの水回りについては、お客様ご自身が「ここはもういいです」とおっしゃる程度でした。
また、「床を拭いたら雑巾が真っ黒になった」という点も気になり、私自身が改めて確認しましたが、そのような汚れは見当たりませんでした。
もちろん、見落としがあった箇所はありました。
そこは約50分かけて再清掃し、お客様にもご納得いただくことができました。
メールには感情も書かれている
今回あらためて感じたのは、メールには事実だけでなく、そのときの感情も一緒に書かれるということです。
新生活を楽しみにしていた分、少しの汚れでも気になったのかもしれません。
文章になると、その気持ちが強く表現されることがあります。
だからといって、「クレームは大げさだから気にしなくていい」という話ではありません。
大切なのは、メールだけで結論を出さないことです。
現場へ行き、お客様と話し、一緒に状況を確認する。
その時間の中で初めて分かることが、本当にたくさんあります。
今回のクレームで私が学んだ3つのこと
① メールだけで結論を出さない
文章は感情が伝わりやすい反面、実際の状況や相手の人柄までは分かりません。
メールを読んだ瞬間に最悪のケースを想像してしまいがちですが、それはあくまで第一印象です。
② 現場にはメールでは見えない情報がある
実際にお会いすると、お客様はとても穏やかな方でした。
一緒に確認しながら作業を進めることで、お互いの認識の違いも分かり、安心していただくことができました。
メールだけでは、この空気感までは伝わりません。
③ お客様は敵ではない
クレームを受けると、「責められている」と感じて身構えてしまいます。
しかし、多くのお客様が望んでいるのは、相手を困らせることではなく、「気持ちよく暮らしたい」「話を聞いてほしい」ということです。
その気持ちに誠実に向き合えば、解決への道筋は必ず見えてきます。
まとめ
もちろん、中には理不尽なクレームもあります。
それでも、メールだけで必要以上に怖がる必要はありません。
まずは落ち着いて現場へ行き、お客様の話を聞き、自分の目で状況を確認する。
今回の出来事は、その大切さを改めて教えてくれました。
クレームメールは確かに緊張します。
でも、本当の答えはメールの中ではなく、現場にあります。
これからも私は、メールの文章だけに振り回されるのではなく、お客様と直接向き合うことを大切にしながら仕事を続けていきたいと思います。

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