「浴室の鏡に縦の筋が残っています。」
数か月前に清掃した物件から、このようなご連絡をいただきました。
「タオルでこすってみたのですが取れません。梅田ハイツ(仮名)で作業される時で構いませんので、一度見ていただけないでしょうか。」
ちょうど同じ建物で清掃作業の予定があったため、確認に伺いました。
まずは、通常の鏡のうろこ取り作業を再確認
現場を見ると、鏡には縦方向の筋が全体に残っています。
「もしかすると、前回の作業で取り切れていなかったのかもしれない。」
そう考え、あらためて鏡の作業を行いました。
使用した方法は、普段プロの清掃で行う鏡のうろこ取りです。
業務用の酸性洗剤を十分に塗布し、濡らしたメラミンスポンジで軽くなでるように擦ります。その後、タオルで拭き取る。この作業を何度か繰り返しました。
作業中はきれいに見えます。
しかし、鏡が乾くと、また同じ縦の筋が浮かび上がってきました。

原因は水垢ではありませんでした
鏡の表面を指で確認すると、ザラザラした水垢の固まりや、うろこのような突起はありません。
つまり、表面に付着している水垢は除去できている状態です。
それでも筋が残る。
この場合、原因として考えられるのは、鏡表面そのものの変化です。
今回の鏡は築8年ほどの物件でした。
「まだ新しいのに、なぜ?」
と思われるかもしれません。
しかし、浴室の鏡は築年数だけで状態が決まるわけではありません。水道水に含まれるミネラル分、浴室内の湿気、換気状況、日々のお手入れなど、さまざまな条件によって表面に変化が起こることがあります。
無理に磨くと鏡を傷めることがあります
「もっと強く擦れば取れるのでは?」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、現在の状態でメラミンスポンジや硬いうろこ取り用品などで強く磨き続けると、鏡の表面に細かな傷が入り、さらに見た目が悪くなる可能性があります。
清掃には限界があります。
プロの仕事は、何でも力任せに落とすことではありません。
「ここまでは改善できる」
「これ以上すると素材を傷める」
その判断をすることも大切な仕事です。
お客様にも納得していただけました
今回の状況について、
・どのような作業をしたのか
・なぜ筋が残るのか
・これ以上作業すると傷になる可能性があること
を写真を見ていただきながら説明しました。
結果、お客様にもすぐにご理解いただくことができました。
「落ちません」とだけお伝えするのではなく、「なぜ落ちないのか」を説明することが、清掃業者として大切だと感じています。
まとめ
浴室の鏡に残る筋は、すべて水垢とは限りません。
表面に付着した汚れであれば清掃で改善できますが、鏡そのものに変化が起きている場合は、どれだけ磨いても元通りにならないことがあります。
清掃の仕事では、汚れを落とす技術だけでなく、「これは落とせる汚れなのか、それとも素材の問題なのか」を見極める力も必要です。
無理な作業で素材を傷めるより、状態を正確に判断し、お客様に分かりやすく説明する。
それもプロの清掃の大切な役割だと思っています。

コメント