はじめに
最近は、現場に行かずに写真だけで状況判断をするケースが増えました。スマホで撮って、送って、すぐ共有できる。確かに便利です。
しかし床の不具合、とくに「汚れなのか」「傷なのか」「施工不良なのか」といった判断は、写真だけでは極めて危険です。
この記事では、清掃・現場作業に携わる立場から、なぜ写真判断が誤解を生みやすいのか、そして現物確認がなぜ重要なのかを整理します。
管理会社や新人担当者の方にも、ぜひ知っておいてほしい内容です。
写真が誤解を生む理由
写真は「事実を切り取る」ように見えて、実際には情報を大きく削ぎ落とします。
- 触った感触が分からない
- 高低差が伝わらない
- 周囲との比較ができない
現場では一瞬で判断できることが、写真になると別物に見えることは珍しくありません。
光・角度・反射という三大トラップ
床写真で特に多いのが、次の3つの罠です。
① 光
窓からの自然光、照明の種類によって、汚れが濃くも薄くも見えます。
② 角度
少し斜めから撮るだけで、平らな床が凹んで見えることがあります。
③ 反射
ワックスや水分、素材の艶によって、存在しない「輪郭」が浮かび上がることもあります。
これらは、現場で角度を変えて見ればすぐ分かることですが、写真1枚では判断できません。
凹みと汚れは写真では区別できない
よくある誤解が、
「丸い跡がある=凹んでいる」
という判断です。
実際には、
- 表面の汚れ
- ワックスのムラ
- 光の当たり方
といった要因で、凹みのように見えているだけのことが多くあります。
凹みであれば、触れば分かります。踏めば違和感があります。
しかし写真では、触れない・踏めない・角度を変えられない。
ここに大きな判断ミスが生まれます。
「現物確認」がなぜ重要なのか
現物確認とは、単に現場に行くことではありません。
- 見る
- 触る
- 角度を変える
- 周囲と比較する
これらを総合して、初めて「判断」ができます。
写真はあくまで共有ツールであって、決定ツールではない。
この線引きがとても重要です。

写真だけで責任を決めないでほしい話
清掃業者として一番困るのは、
「写真を見る限り、今回の作業が原因ですよね」
と、現場確認なしで結論が出てしまうことです。
もし現場で確認すれば、
- 以前からあった跡
- 建材由来の個体差
- 清掃ではどうにもならない要因
が分かるケースも少なくありません。
写真だけで責任を決めてしまうと、
- 不必要な対立
- 不信感
- 本来防げたはずのトラブル
を生みます。
管理会社・担当者の方へ
写真判断を否定したいわけではありません。
ただ、
写真は「入口」であって「結論」ではない
この認識を共有できるだけで、現場との関係性は大きく変わります。
「一度、現物を一緒に見ましょう」
この一言が、信頼を積み上げるきっかけになります。
まとめ
- 床の不具合は写真では正確に判断できない
- 光・角度・反射が誤解を生む
- 凹みと汚れは写真では区別が難しい
- 現物確認こそがトラブル回避の近道
写真で済ませた判断は早いですが、
現場での確認は正確で、結果的に早い。
信頼関係は、こうした小さな確認の積み重ねで作られていきます。
▼こちらが作業者の私と担当者の方とのやり取りの体験記事です。


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