そのフローリング、ワックスを重ねてませんか?プロが提案する「究極の再生」ワックス剥離のビフォーアフター!

こんにちは!

今回は、ハウスクリーニングの現場でプロとして直面する「あるある」にして、非常に厄介な問題を解決した事例をお伝えしたい…

ご依頼いただいたのは、ベランダに面した二部屋のフローリング清掃。

作業前に確認すると、日光が当たる箇所はワックスが完全に剥げ、周辺は古いワックスが何層も重なってムラムラになっている、いわゆる「ハゲハゲ」の状態でした。

正直に言って、この状態の床にただ洗剤をかけて、上から新しいワックスを塗っても仕上がりは今ひとつです。下地がムラなので、仕上がりも間違いなくムラになり、「これ、もうちょっとなんとかならない?」とクレームになる可能性大。

もちろん、二度手間や再訪問はごめんです。

そこで、現場に来てくれた部屋の管理者さんに、リスクを正直にお伝えした上で、「ワックス剥離」という一手間かかるオプションをご提案しました。フローリングの張り替えに比べればずっと安価ですが、清掃業者としては嫌がる作業です。

しかし、結果としてお客様はあっさり快諾。そして、プロの技術で「フローリングの究極の再生」に成功しました!

なぜワックスの重ね塗りはダメなのか? そして、剥離作業はなぜリスクがあるのに効果的なのか?

実際の作業写真と、驚きのビフォーアフター写真と共にご紹介します!


 

1. 問題の核心:なぜ「重ね塗り」はダメなのか?

 

まず、なぜ私たちプロが「ハゲハゲ」のフローリングに、ただワックスを重ね塗ることを避けたかったのか、その理由をご説明します。

多くのお客様は、フローリングのツヤがなくなったり、一部が白っぽくなると、その上から市販のワックスを塗って対処されます。しかし、これが長い目で見るとトラブルの元になってしまうのです。

 

劣化ワックスが「ムラ」と「密着不良」の温床に

 

特に今回の現場のように、ベランダに面した場所は、紫外線による日焼けと、開閉時に入り込む砂埃や湿気の影響を強く受けます。

写真を色々と撮った中でこれが一番わかりやすいかな… この状態はもう剥離一択。

通常の洗いをやってみてから、やっぱり剥離をしようなんて言っていると時間の無駄無駄。

  1. 剥げた部分: 紫外線でワックスが完全に分解され、床材(フローリングの表面層)がむき出しになっています。
  2. 周辺の部分: 古いワックスが劣化し、酸化した皮膜となって残っています。

この状態の上から新しいワックスを塗るとどうなるか?

  • 剥げた部分にはワックスがしっかり乗りますが、
  • 劣化した古いワックスの上には密着が悪く、弾いてしまったり、ワックスそのものが均一に伸びません。

結果、乾燥後には古いワックスの輪郭がそのまま残ったような「ムラ」がはっきりと出てしまい、かえって見た目が悪くなってしまいます。これが「クレームになる」と確信した理由です。

綺麗に仕上げるには、下地(フローリング本体)を完全にリセットする必要があったのです。

 

2. 解決策の提案:フローリング張り替えより安価な「剥離」

 

「リセット」とはすなわち、古いワックスの層を全て取り除く「ワックス剥離」のことです。

正直に申し上げると、清掃業者にとって、この剥離作業はリスクが高く、できればやりたくない作業の一つです。

 

業者が剥離を嫌がる「二大リスク」

 

  1. 床材を傷めるリスク: 剥離剤は強力なアルカリ性です。作業を誤ると、フローリングのジョイント部分から水分が染み込み、床材の変色や、最悪の場合は膨張を引き起こす可能性があります。
  2. 手間と時間: 養生から中和、汚水の回収まで、通常のワックスがけの何倍もの手間と時間がかかります。

しかし、今回のケースでは、「お客様の満足度」「プロとしての仕上がり」を追求するため、この剥離作業をオプションとして提案させていただきました。

「フローリングを張り替えるよりはるかに安価で、床材本来の美しさを取り戻せます」というメリットを正直にお伝えしたところ、お客様もその場であっさり快諾。この信頼関係が、今回の成功の鍵でした。

 

3. 作業風景:プロの技術と「1メートル四方」のこだわり

 

剥離作業は「スピード」より「確実性」と「丁寧さ」が命。

一部の業者様は、効率を重視し、部屋全体に剥離剤を一気に塗布して作業することもあります。一見早く作業が進むように見えますが、これは床材が剥離剤の水分を吸い込むリスクが高く、ジョイント部分が膨張して床が浮いてしまうなどの大きなトラブルにつながる可能性があるんですね。

私たちは、そのような手法を否定はしませんが、お客様の大切な資産である床を預かる以上、リスクを最小限に抑えるのがプロの責任と考えます。

 

作業の鉄則:小範囲で慎重に、そして案外早い

 

私たちは、剥離剤が床材に浸透しすぎるのを防ぐため、あえて1メートル四方の小範囲で区切りながら、少しずつ作業を進める手法をとりました。

  • 徹底した養生: まず、剥離剤が壁や巾木にかからないよう、ビニールやテープで徹底的に保護します。
  • 反応待ちを厳密に: 剥離剤を塗布し、古いワックスが溶解するまで適切な時間(数分間)待ちます。
  • スクラビング: パッドやブラシで優しく、しかし確実にワックス層をこすり落とします。
  • 汚水と中和: 剥がした汚水を素早く回収した後、アルカリ性を打ち消すための中和作業をすぐに行います。

右側が剥離後。左側はこれからです。

やれば、元々の新品のような顔色を出してくれるんですね。

「ちまちまと」見えるかもしれませんが、実はこの手法でも、今回のように二部屋のベランダ際だけであれば、1時間強で剥離作業は完了します。

だったら、リスクが低く、安心して作業できる手法を選ぶべきではないでしょうか?

この手間をかけることで、床材にダメージを与えることなく、まるで日焼けした皮膚を剥がすかのように、劣化した古いワックス層を完全にリセットすることができました。

 

4. 驚きの結果:フローリングの「究極の再生」

 

手間と時間をかけた結果は、写真が全てを物語っています。

左が剥離終了した部屋。右側が剥離作業途中の部屋。

古いワックスが剥がれた床は、フローリング本来の明るい色と、自然な木目を取り戻しました。下地が完全にクリーンになった状態でワックスを再塗布した結果、ワックスは均一に密着し、深いツヤと輝きを放っています。

ムラは一切なし。まるでフローリングを張り替えたかのような仕上がりです。

お客様にも最終確認していただいたところ、「こんなに綺麗になるなんて!」と大変ご満足いただくことができました。もちろん、クレームどころか感謝の言葉をいただき、私たちもホッと胸を撫で下ろしました。

 

まとめ:諦めないでください!あなたの床も再生できます

 

いかがでしたでしょうか?

ワックスを長年重ね塗りしているフローリングは、見た目が悪くなるだけでなく、衛生面でも問題が生じることがあります。

もし、ご自宅のフローリングが「ハゲハゲ」「ムラムラ」で、もう綺麗にならないと諦めているなら、ぜひ一度「ワックス剥離」をご検討ください。

リスクを理解し、「1メートル四方で慎重に」作業を進める確かな技術があれば、あなたのフローリングも本来の輝きを取り戻すことができます。

今日の作業報告は以上です。

数年前にも下記の記事で似たような記事を書きました。

床材が浮かないフローリングのワックス剥離の方法
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