天井エアコン洗浄は怖くない!HITACHI RAP-CPNで「苦手意識」を「自信」に変える方法

清掃作業者の皆さん、マンションの空室などで天井埋め込み型のルームエアコンを見つけると、正直少し気が重くなりませんか?

「壁掛けタイプなら簡単だけど、天井型は構造が複雑そう…」

「分解したあと、配線をミスせず元通りに復旧できるか不安だ…」

過去の私も、まさにそう思っていました。

ハウスクリーニング歴30年のプロである私でさえ、数年前までは天井エアコンの洗浄を避けていた時期があったのです。


しかし、安心してください。

一度コツを掴んでしまえば、天井エアコンの洗浄は、むしろ楽しく、そして大きな自信に繋がる作業へと変わります。

この記事では、私が実際に作業したHITACHI製の天井ルームエアコン(RAP-CPN)を例に、分解から復旧までの「成功のための具体的な手順と、つまずきやすいポイントを乗り越えるコツ」を解説します。

このシンプルな機種で練習すれば、天井エアコンに対するあなたの苦手意識は必ず払拭されます。

さあ、一緒にプロとしてのスキルを一段階アップさせましょう!


2. 作業前の最重要確認事項(安全と準備)

 

天井エアコン洗浄において、最も大切なのは「安全」と「準備」です。

💡 安全第一:必ずブレーカーを落とすこと

 

配線やコネクタを扱う作業は、感電やショートのリスクを伴います。

作業を始める前に、必ずその部屋、またはエアコン専用のブレーカーを「OFF」にして電源を完全に遮断してください。

これは絶対に守るべき鉄則です。電源を切った後、リモコンで電源が入らないことを確認しましょう。

必要な主な道具リスト

 

この作業を行うために、以下の道具を準備しておきましょう。

  • 電動ドライバー(天カセ用の長めのビットがあると便利です)

  • 養生カバー(電気系統を水濡れから守る用)

  • 汚水受け(天吊り・天カセエアコン用の養生セット)

  • 洗剤(ファンにも万遍なく噴霧できる霧状スプレーがおすすめです)

  • 高圧洗浄機 または 水道ホース

  • 雑巾、ブロアー(送風機)


3. 分解ステップ:HITACHI RAP-CPNの「コツ」

 

ここからが本番です。RAP-CPNは分解が比較的シンプルな機種ですが、特に注意すべき3つのステップがあります。

ステップ 1:ルーバー(風向板)は「あえて外さない」

 

壁掛けエアコンの感覚で、最初にルーバーを外そうとしていませんか?

実は、この機種のルーバーは本体カバーを外すと一体で外れる構造になっています。筆者自身、このルーバーを先に外してしまい、再取り付けに30分も苦労しました。

分解の際は、ルーバーは触らずそのままにしておくのがコツです。

余計な手間と、再組み立て時の失敗を防げます。

ステップ 2:本体カバーを固定するネジを外す

 

本体カバーは合計6箇所で固定されています。

  • 完全に外すネジ: 4つ

  • 緩めるだけでOKなネジ: 2つ(引っかかっているだけなので、緩めてカバーをスライドさせれば外れます)

どのネジが緩めるだけで良いかは、目視で確認できます。

ネジの紛失を防ぐため、外したネジは必ず分かりやすい場所に置いておきましょう。

ステップ 3:配線の「命綱」コネクタを抜く(最大の難所)

 

これが天井エアコン洗浄で最も緊張するステップであり、同時に最大のコツが必要です。

  1. 配電箱のカバーを外す: 本体カバーのネジを外す前に、銀色の配電箱のカバーを固定しているネジ(通常1つ)を外し、配電基板にアクセスできるようにします。

  2. 3本のコネクタを抜く: 本体カバーと配電基板を繋いでいる白、赤、青の3本のコネクタが見えます。これを抜かなければ本体カバーは外れません。

⚠️ 失敗しないための最重要コツ

 

配線基板は非常にデリケートです。勢いよくケーブルを引っ張ったり、抜き方を誤ると、基板側の「メス」のコネクタまで抜けて断線・破損に繋がる可能性があります。

  • 抜き方の基本: オスのコネクタだけを、配電基板に付いているメス側を指で押さえながら、まっすぐ引き抜くようにしてください。電線をちぎらないように、慎重に、優しく作業することが成功の秘訣です。

ステップ 4:ドレンを外す

 

コネクタが抜けたら、本体カバーが外れます。次に、ドレン(水受けパン)を外します。

  • 構造: ドレンはネジ4つで固定されているだけです。比較的簡単に取り外せます。

これで、ファンと熱交換器(アルミフィン)が露出した状態になり、洗浄の準備が整いました。

外した部品は、この時点でたった3つ(カバー、ドレン、フィルター)だけだったはずです。


4. 養生と洗浄の実践

 

電気系統への養生の徹底

 

ファンと熱交換器が露出したら、洗浄水が絶対に触れてはいけない配電基板やモーターなどの電気系統に、養生カバーやビニールテープでしっかりと水濡れ対策を施します。

汚水受けの装着と洗剤の噴霧

 

  1. 汚水受けの装着: 専用の汚水受けを本体に装着します。この機種は比較的装着も容易です。

  2. 洗剤の噴霧: 洗剤を、ファンを回転させながら全体に万遍なく噴霧します。筆者の経験上、霧が出るスプレータイプが均一に洗剤を行き渡らせるのに有効です。

  3. 放置: 5分ほど放置し、洗剤を汚れに浸透させます。

驚くほど汚れた内部を洗浄する

 

見た目ではそれほど汚れていないと思えるエアコンでも、洗浄してみると驚くほどの黒い汚水(カビやホコリ)が出てきます。

3年しか経っていなかったエアコンでも、筆者は大量の汚れが取れるのを見て、改めて洗浄の重要性を実感しました。

高圧洗浄機や水道のホースで、カビが取れる様子を体感すれば、作業のやりがいを感じられるはずです。


5. 組み立てと復旧(動作確認まで)

 

洗浄が終わったら、分解と逆の手順で丁寧に組み立てていきます。

この工程が、まさに「苦手意識を自信に変える」ハイライトです。

⚠️ 復旧の最重要確認ポイント

 

1. コネクタの再接続確認(最重要)

 

  • 白、赤、青の3本のコネクタを配電基板に差し込み直します。この時、「カチッ」という音や手応えを感じながら、完全に奥まで差し込まれているかを指で触って確認してください。差し込みが甘いと、試運転でエラーが出て、一から分解し直すことになります。

  • 配電箱カバーも忘れずにネジ止めします。

2. ドレンと本体カバーの装着

 

  • ドレンをネジで固定し、次に本体カバーを装着します。緩めるだけだったネジ2つを締め、残りのネジも固定します。

  • ルーバーはカバーと一体で、スムーズに元の位置に戻るはずです。

試運転による最終チェック

 

全ての部品を元通りに装着したら、ブレーカーを戻し、エアコンの電源を入れます。

  • 30分程度の試運転を行い、冷却(暖房)機能が正常に作動するか確認します。

  • 最も大切なのは、エラーコードが表示されないか、そしてドレンから水漏れがないかを確認することです。

無事に試運転が完了すれば、作業は終了です。


6. まとめ:今回の作業で得られたもの

 

今回のHITACHI RAP-CPNの洗浄は、分解構造がシンプルだったため、初心者の方でも挑戦しやすい機種だと感じました。

「天井エアコンの洗浄は難しい」という先入観があったかもしれませんが、一つ一つの手順とコツを理解すれば、壁掛けタイプと同様に「普通の作業」としてこなせるようになります。

✨ 挑戦こそが、最高のスキルアップ

 

一見綺麗に見えるエアコンも、内部は思った以上に汚れています。これは、私たちがプロとしてお客様に提供すべき清掃品質の重要性を改めて教えてくれます。

そして何より、苦手意識のあった作業を自力でやり遂げた経験は、清掃作業者としてのあなたの技術と自信を大きく高めてくれるはずです。

この経験を足がかりに、ぜひ他の天井エアコンにも挑戦してみてください。一歩踏み出すことで、あなたの仕事の幅とやりがいは格段に広がります。

 

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