はじめに
「ハウスクリーニングってきつい、労力の割には安い。」
こう思いながら毎日仕事をしていると、続けられるのも時間の問題。
辞めて別の仕事を探すのもありだと思いますが、
せっかくスキルがついてきたのにここで辞めるのはもったいない、
このようなお悩みありませんか?
こう書いている自分が何度もそう思ったことがありましたが、なんだかんだと30年続けてこれたので、そのポイントをお伝えしたいと思います。
少しでもお役に立てば幸いです。
まず、自分がハウスクリーニングを始めるきっかけから。
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自分がハウスクリーニングを始めるきっかけ
今から30年以上も前の話。
22歳の時に、週に3日程で条件でアルバイト情報を見てたら、とあるネームバリューのあるお掃除のフランチャイズ店が目に留まる。
当時で時間給1,000円。
なかなか、と思って面接に行ったらすぐ雇ってもらえることに。
いざ、仕事を始めた時に思ったのは、とにかく急げ、急げ、という雰囲気でどうすれば早く終えることができるか、と仕込まれました。
きっかけはこんな感じ。
でも、仕事なのでだんだん辛さを感じてくる…
仕事を楽しくできるかどうかはここが分かれ目
雇用者としてはお金がかかっているから、ゆっくりゆっくり作業されても困るようで。
そんな世界を初めて知りました。
これだと言われるがままにしか動いていないみたいで全然楽しくない…
逆に、自分で「こうすれば、より早く、より綺麗にできた」という経験の積み重ねが自信につながり、仕事が楽しくなっていくものですよね?
当たり前の話、ビジネスの相手はお金を出して綺麗にしてほしいと言っているわけだから、自分でもできるような仕上がりにお金はくれない、これが現実。
それで、素人清掃から清掃のプロ(仕上がりや手際、スピード)として認められるまでは我慢と忍耐が絶対に必要。
この意味で修行に耐えられるか、あるいは挫折してしまうかが仕事が楽しくなるかどうかの分かれ目。
では、どれくらいの期間修行が必要?
「人によりけり」が答えですが、
私が新人さんを見る限り、
ハウスクリーニングは半年くらいで、キッチン、風呂場、ベランダガラス、フローリングWaxがけなど一通りのやり方は経験できるかな、という印象です。
でも、ここからが自分で経験しながら楽しさを見いだしていくスタート地点になります。
結論:ハウスクリーニングの仕事を楽しくしたければ、一軒の現場を最初は時間がかかってもいいので、一通り任せられるスキルを身につけるまでは修行に耐えてください。
その後は、会社から現場を任せてもらい、誰からもとやかく言われない環境で仕事ができれば楽しくなります。
無論、時々は他の同僚と同じ現場で働き、仕事のやり方や使っている道具などを観察して、いいとこ取りするのはスキルアップに欠かせないので、いつでも一人だけで作業するのではなく、そういう機会をこちらから捉えましょう。
さて、その上でどのように仕事が「苦痛」ではなく「楽しい」と感じるようにできるのか?
この違いは本当に大きいです。
では本題。
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「仕事単価が安い」は一旦目をつぶる
ハウスクリーニングとは、言ってしまえば「家のお掃除」
家のお掃除とは、「普通誰でもすること」
「普通誰でもできること」に専門性を感じられず、結局は仕事単価が安くなる、というフローが現実です。
それに加えて、業者がたくさんあり、仕事の取り合いで価格競争が横行しています。
そう考えると、この業界は仕事単価が安くなっていくのは当然ですね…
本当はこういうお掃除だからこそ、素人とプロでは作業速度や仕上がり品質に大きな差があるのに。
まあ、そこはなかなか分かっていただけないところと割り切りましょう。
一方で、オフィスビルの床や窓ガラスやブラインドなどの清掃は、個人宅清掃よりも労力の割にはそこそこの値段いただけるんですよね。
作業労力としては個人宅清掃の方が多くの場合、しんどいと思います。
だったら、相手先に交渉して単価を上げるように努めたらいいのでは?
という声が聞こえてきそうですが、現実的には経験から言ってほぼ無理。
なので、楽しくハウスクリーニングをするためには、仕事値段のことは一旦考えないようにすることが賢明です。
値段のことばかり考えていると、間違いなくアホらしくなって続かないでしょう。
経験から言って例外はないと断言します。
繰り返しますが、他の仕事などと単価や時給を比較したりしてお金のことばかり考えていると、遅かれ早かれその人はやめていくことになるでしょう。
では、どうすればいいのか…
仕事速度はある程度大事、でもそこにウエイトをおかない方が賢明
私がハウスクリーニングの修行期間の時は、とにかく急げ急げの指導でした。
職人さんにあるあるですよね。
確かに相手側も早く仕事を終えてほしいと希望しています。
実際に早く終われるなら、割得になるでしょう。
それは、本当に無理なく無駄なく終えられたらの話です。
急ぐあまり作業クオリティが雑になり、最悪文句やクレームを言われたりするとこちらもいい気がしません。
揉める場合もあります。
なので、作業時短を意識するのは大事ですが、最初はクオリティや仕上がりを重視する方が仕事は楽しめます。
【ハウスクリーニング】作業効率アップ・時短のポイント2つを仕事経験から紹介
たとえ、時間が多少かかっても。
一見、早く作業を終えたために時間が浮いて得した気分になるかもしれませんが、帰宅後、どっと疲れが出て、次の日もしんどいというのはよくある話。
一生懸命、体を動かして時間を浮かせたとしても、浮いた時間がしんどくて有効活用できなかったら何にもならない…
結果的にかえって損なのです。
でも、仕上がりや作業クオリティにお互いに満足できればどうですか?
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まずは多少時間かかっても、仕上がりのクオリティを重視する
逆に相手の方に作業終了後に「うあ〜、綺麗になったね」と言ってもらえたらどうですか?
すごく嬉しいですよね。
自信もつきます。
プロが作業するからここまで綺麗になるんだ、と。
そのためには、手を抜くことなく最後までしっかりと作業することが必須です。
多少時間はかかるかもしれません。
作業時短のために、色々と手を抜いていると、多くの場合、後々相手にも気づかるものです。
逆に、自分がやったからこそ、ここまでできた、他の業者には真似ができない、というスキルを幾つか持っておけばそれだけで自信につながります。
一例ですが、フローリングのWax剥離作業は業者でも難しいのですが、比較的楽に安全にできる方法が分かりました。
時々、休憩がてら作業の手を止めて、自分が綺麗にしたところを眺めて満足に浸っているのも楽しみの一つです。
このようにハウスクリーニングの仕事の楽しさは必ずしもお金の対価や作業速度がポイントではないことが実感できます。
合間に休憩を取るか、ぶっ続けで仕事するか
私の仕事の場合、賃貸マンションの1DKか2DKの物件が多いです。
慣れた作業員なら、朝8:00からスタートすれば、ゆっくり夕方5:00には仕上げられることでしょう。
ところが、キッチンが油まみれやタバコのヤニがきつい部屋のハウスクリーニングには、ほとんどぶっ続けで動いても、夕方ごろに終了の目処が立たないこともあります。
このような現場で、ひたすらぶっ続けで動いてなんとしてでもその日に終わらせるか、諦めて次の日に持ち越すか…
仕事を楽しんでするという観点から言えば、断然後者でしょう。
採算を合わせるために、何度かぶっ続けで1日で仕上げたことはあります。
でも、その時の実感は…こうです。
ハウスクリーニングってすごくきつい!こんなのやってられない!
これが、ハウスクリーニングを辞めたくなる大きな原因。
ところが、最初からこの現場は頑張っても1日では無理だなあ、と思えば、二日かけるか、応援を呼ぶかすれば、体力面でもモチベーションもかなり違います。
確かに、金銭的には時間給や日当に換算すると安くなるのですが、気分的に楽になるのであれば許容できるのではないでしょうか?
しょっちゅうそんなきつい現場ばっかりではないですし。
ハウスクリーニングを楽しく続けたければ、多少遅くなっても、多少採算合わなくても途中経過で自分が綺麗にできたところを眺めて、「よくやった!」自分を褒めてあげることがポイントです。
実際、時々割りのいい現場もあるので、そういう時は楽させてもらって、それで採算を合わせる、それでいいじゃありませんか!
後、ハウスクリーニングってクレームが多くない?
こういう不安も仕事が苦痛になる原因でしょう。
では、経験からその対処方法をお話しします。
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ハウスクリーニングのクレームって厄介?
ハウスクリーニングに限らず、ビジネスをする以上、絶対に客から文句やクレームを言われることがあります。
そんなのビビらなくていいです。
客にもよりますが、余分の労力をかけて相手の不満を満たしてあげれば態度が変わる人もいます。
そうなった時には、クレーム対応のスキルがアップしたことになります。
しかし、どんなにつくしても、どうしようも相手はこちらからバスっと縁を切る。(自営業でそうできるのであればの話)
多少金銭的に損しても、その方がスッキリしますよ。
なんだかんだで言って、30年間クレームもなんとかなってきました。その体験を幾つか過去に書いたものをご紹介します。
【ハウスクリーニング】クレーム対応への心配・不安をなくす考え方
多少、失敗や自分の方に落ち度はあるかもしれませんが、過度に気にせず、とにかく楽しんで仕事しましょう。
それが、長続きさせる秘訣。
では、今回はこの辺で。
終わりに
長年ハウスクリーニングをしていると、きつい、苦痛、採算合わない、など色々感じることがあるかもしれません。
どうしても不満があれば、我慢せずに辞めて職種を変えるのも一案です。
ただ、せっかくある程度身に着けたスキルを全部捨てて、新しいことを初歩から覚えるのも実際には大変でしょう。
なので、ハウスクリーニングを楽しく続けるポイントは以下のように実感しています。
- まず会社から現場を任されるまでは修行、鍛錬。
- 次に、採算を合わせるために無理に終わらせようとしない。
- さらに、クレームは誰にでもつきもので、過度に気にしない。
こうするなら、きっと体が動くうちはずっと続けられると思います。
AIがいくら進歩しても、ハウスクリーニングは人間の手がないとできない仕事です。
私は執筆時点で50代半ばですが、お互いに頑張っていきましょう。
ハウスクリーニングを続けるかどうか、お悩みの方に少しでも参考になれば幸いです。
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