「あれ?まだ新しいはずなのに、お風呂の排水口からドブのような嫌な臭いがする…」
特に築浅の高層マンションにお住まいの方は、この配管臭に悩まされることが多いのではないでしょうか?
一般的な掃除をしてもすぐに臭いが戻ってくるため、「構造的な欠陥ではないか」と不安に感じる方もいます。
結論からお伝えします。長年ハウスクリーニングの現場を見てきたプロとして、この高層階特有のドブ臭の根本原因は、配管のパーツに付いているべき「たった一つの部品」の欠如にあると断言できます。
本記事では、プロが見つけた異臭の真犯人と、自分でできる具体的な確認方法、そして交換・再発防止策を写真付きで徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの浴室から嫌な臭いは二度と上がってこなくなるでしょう。
根本原因は「排水口パッキン」の欠如
結論として、この異臭の真犯人は、排水口のパーツに取り付けられているべき「パッキン(輪っか状の黒いゴム)」が外れている、または最初から付いていないことです。

これは、ユニットバスの排水トラップの構造に関係しています。
排水トラップには、配管内の臭気が室内に上がってくるのを防ぐために、常に水を溜めておく「封水(ふうすい)」という仕組みがあります。
この封水が臭気の蓋の役割を果たすのですが、高層階の浴槽下では、以下の理由でパッキンが非常に重要になるのです。
1. 排水管とパーツの密着性が確保されていない
通常の排水口のパーツ(ヘアキャッチャーや封水筒など)には、配管との隙間を埋めるための黒いゴムパッキンが取り付けられています。
このパッキンが、配管とパーツの間をしっかりと密着させ、封水のスキマを通って上昇しようとする僅かな臭気すらシャットアウトします。
しかし、パッキンが無いと、この密着性が失われ、配管の臭いが直接室内に漏れ出してしまいます。
2. なぜ高層階・築浅物件でパッキンが無いケースが多いのか?
同じマンションでも下の階では臭わないのに、高層階で臭いが目立つのは不思議ですよね。原因としては、以下のいずれかが考えられます。
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施工時の単純なミス: ユニットバスの設置時、工事業者がうっかりパッキンを付け忘れたまま引き渡しているケース。
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前の入居者や清掃業者の問題: パッキンは経年劣化でパーツから外れやすくなります。前の清掃時などに外れたパッキンを、「ただのゴミ」と勘違いして捨ててしまった可能性。
古い建物でない限り、配管のパーツには必ずパッキンが付いているのが一般的です。にもかかわらず、高層階で異臭のクレームが多いのは、この「パッキンが無い」という現場特有の共通点からくるものです。
【解決ステップ】配管の異臭を止める具体的な対処法
異臭の根本原因がパッキンにあるとわかれば、対策は非常にシンプルです。それは、正しいパッキンが付いたパーツに交換することです。
ステップ1:現状のパーツを確認する
まずは、あなたの浴室の排水口を開けて、パーツを確認してください。
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浴槽の排水口カバー(目皿)を外します。
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その下にあるヘアキャッチャーや、さらに奥にある筒状のパーツ(封水筒・ワントラップ)を取り出します。
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そのパーツの側面や縁に、輪っか状の黒いゴムパッキンが付いているか確認してください。
もしパッキンが外れていたり、跡形もなく無くなっていたりしたら、それが異臭の発生源です。
[ここにパッキンが付いている状態のパーツ写真と、パッキンが無い状態のパーツ写真を掲載するのが理想的です。]
ステップ2:パッキン付きの新しいパーツに交換する
経験上、一度外れたパッキンをボンドで元のパーツに固定するのは困難で、すぐに再発するリスクがあります。
また、ボンドによってパーツが配管に固着してしまうと、次の清掃時に外れなくなるトラブルの原因にもなりかねません。
最も確実で迅速な解決策は、パッキン付きの新しいパーツ一式に交換することです。
どこでパッキン付きパーツを入手できる?
浴槽の排水口パーツは、ホームセンターで汎用品も売られていますが、異臭対策として完璧を期すなら、お使いのユニットバスのメーカー純正品の交換パーツをおすすめします。
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メーカーと型番の調べ方: ユニットバスのメーカー名(TOTO、LIXILなど)は、浴槽のエプロン(側面のカバー)を外した内側や、壁面に貼られたステッカーに記載されていることが多いです。
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購入方法: メーカー名と「排水トラップ 交換部品」で検索するか、最寄りのメーカー販売店やネット通販で手配しましょう。
ステップ3:自分で交換する際の注意点(プロからのアドバイス)
新しいパッキン付きのパーツを入手したら、古いものと交換するだけです。
作業自体は非常に簡単ですが、プロとして以下の点に注意してください。
1. サイズと形状を必ず合わせる
ユニットバスのメーカーや型番によって、排水トラップのパーツの直径や深さ、ツメの位置などが異なります。わずかでもサイズが合わないと、隙間ができてしまい、せっかく交換しても臭いが上がってくる原因になります。
パーツを購入する際は、古いパーツの直径や深さを正確に測り、純正品または適合する汎用品を選ぶようにしてください。
2. 絶対に接着剤(ボンド)を使用しない
古い記事やSNSで「外れたパッキンをボンドで接着した」という情報を見かけることがあります。これは一時しのぎにはなりますが、絶対におすすめできません。
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密着不良のリスク:接着剤を塗布することでかえってパーツと配管の密着性が損なわれる場合があります。
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取り外し不可のリスク:接着剤が硬化すると、次の清掃や修理の際にパーツが配管に固着し、取り外せなくなる重大なトラブルを招く可能性があります。
パッキンは消耗品であり、外れた場合は新しいパーツに交換するのが基本です。
まとめと再発防止のためのアドバイス
高層マンションの風呂場の異臭は、配管が詰まっているのではなく、排水トラップの「パッキンの欠如」というシンプルな原因で起きているケースがほとんどです。
この知識があれば、もう「構造上の問題かも」「プロに高額な洗浄を依頼するしかないかも」と悩む必要はありません。
再発防止のための重要ポイント
パッキン交換で異臭は止まりますが、異臭の原因はパッキンだけではありません。臭いの再発を防ぐために、以下の点も習慣づけましょう。
高層階の現場を熟知したプロの視点から、このパッキン交換こそが、あなたの浴室から嫌なドブ臭を根絶するための最も確実で費用対効果の高い解決策です。
ぜひ一度、ご自宅の排水口をチェックしてみてください。
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