ハウスクリーニングの作業で、家の中のガラス面や鏡を作業する時には、通常スクイジーを使うと思います。プロの作業者なら尚更…
それは、ガラス全面をチマチマとマイクロクロスを使って手で拭いているより、スクイジーでススーッと一発で決める方が楽で見た目もいいからでしょう。
でも、本当にそうなの?
ハウスクリーニング作業を30年経験してきましたが、個人的にはそうは思わないですね… 今日はそんなお話をしてみたいと思います。
ハウスクリーニングを辞めたい!30年続いた自分が継続の秘訣をお伝えします
ハウスクリーニングのガラス面の作業でスクイジーが必要かどうかに関して、同僚はこんなふうに言いました。
↓
「窓を拭くぐらい、普通は家の人でもできるでしょう。
プロの作業員が雑巾を使って窓を拭いていたら、家の人がそれを見た時にどう思うか?
そんなんだったら自分でもできる。何もプロに頼む必要はない… と思わせてしまう。
逆に、スクイジーを使って、Uの字に華麗な動きで綺麗にすると、やっぱりプロだ!素人と違う、と思わせて、プロの専門ポジションをキープできるじゃないか。」
↓
確かに、わたしもそれは否定しません。家の人の見た目から言えばスクイジーを軽快に動かしている方が断然いいでしょう。
ですが、ここからが個人的意見になりますが、
ハウスクリーニングでガラスを清掃するのは、家やマンションについている大きさのガラス。
大きな会社のビルのガラス張りの大きさじゃあるまいし、家の中のガラスや鏡の大きさでスクイジーを使うことが本当に作業効率がいいのか…
と疑問に思っています。
つまり、家の人からの見た目ではなく、作業効率と仕上げのクオリティにフォーカスした話です。
では、なぜスクイジーを使うことをおすすめできないか?
スクイジーを使ってガラス面をワイパーのように切ると、濡れている時は綺麗に見えますが、完全に乾いた時に切ったスジの跡のようなものがところどころ見えてきたり、角の方で水滴跡が10センチくらいポトポトとついていることに気がつきます。
結局は、乾いてからそれらをマイクロクロスで仕上げ拭きしなければならないからです。
ガラス面が9割綺麗になると、そのような跡が小さなものであっても目立ってしまうんですよね。
それで、もしそれを放置すれば、家の人から見ればもっとちゃんと拭いてよ、という反応を引き起こしてしまいます。
一方で、ガラス面をマイクロクロスで全面拭き上げるのがなぜおすすめできるか?
おすすめの拭き方は後程詳しく書きますが、乾拭き後の拭き跡が太陽の光がさして多少フワーッと見えたとしても、(もちろん拭き跡を残すのはNGですが)家の人から見ればちゃんと拭いてくれたんだな、というふうに見えてくれるからです。
スクイジーの切り跡は汚く見えますが、マイクロクロスの自分でもよく見ないと気づかない程度の拭き跡は逆に綺麗に見えてくれる不思議さがあることにお気づきでしょうか…
プロの作業目線では考えにくいですが、素人目線はそんなものです。
つまり、マイクロクロスで全面拭き上げた方が、高確率で家の人のクレームを防ぐことができます! 実はこのことに気づいていないプロの業者は多すぎなように思えます。お仲間をけなして申し訳ありませんが。
【ハウスクリーニング】今後改善のためのクレーム報告(同僚からのメール)
では、ここからは長年の仕事体験からおすすめのガラス面の拭き方をお伝えします。
注意:キッチンのそばにある油がベタベタついている窓やタバコのヤニがひどいガラスは例外としてご覧ください。そのような箇所は油やヤニを落としてからの作業になります。
ベランダについているガラスや玄関の鏡の汚れの8割以上は排気ガスか家の人の手垢です。
ということは洗剤は基本不要になります。改装工事などの内装後のノリのような汚れも水分を含んだメラミンスポンジで完璧に取れるので。
後、シールなどの跡はカッターで水を含ませながら削る必要があります。
それを前提にどうすればいいのか。
まずは、ガラスやレール周りの上から下まで側面も裏面も含めてたっぷり濡らした雑巾で濡らし擦ります。
力を入れずに雑巾を回すように濡らす程度でOK。 注意点は濡らし忘れる部分がないように。もし忘れるとそこだけ汚れが落ちないからです。
この動作で固まっていた汚れがだいぶ柔らかくなります。この時にシール跡は水を含ませながらカッターで削りや内装のノリなどもメラミンスポンジで擦って除去しておきましょう。
まずは、固まった汚れを柔らかくすることがポイントです。
全面そのようにできたら、次に固く絞ったマイクロクロスで先程濡らしたところを拭きながら、すぐに別の乾拭きタオルで拭き上げます。
できるだけ間をおかずにすぐに乾拭きするのがここでのポイントなので、欲張って一気に広い範囲を固く絞ったマイクロクロスで拭くのではなく、片面の上半分など狭く区切ってこのような二度拭きをおすすめします。
そうすると、不思議なことに乾いた時にガラス面が曇りなく綺麗になっているんです。コツは洗剤を使っていないから。
その作業を淡々と繰り返していく…
そのように二度拭きしたところが見事に綺麗になっていきます。注意点は乾拭きのタオルは湿ってきたら交換してくださいね。
経験上そんなにやたらと交換する必要はありません。目安として一軒の現場で乾拭き3枚くらいです。
現時点でのおすすめのタオルはこれです。100均の商品ですがこれがなかなかいけます。
スクイジーを使わなくても、この方法で拭いてみた結果、乾燥後の仕上げ拭き、もしくは手直し拭きも少なくなりました。
マイクロクロスタオルで全面拭き上げるメリットは、スクイジーがなくても作業できること、つまりゴムが傷んできたら変えないといけなくなったり、何かのことで微妙に変形したりなどで交換のための費用をかけなくてよくなります。
道具箱のスペースも空きができるので、他のツールのために活用できますね。
ただし、ビルのガラスなどの大きなものは、絶対スクイジーがあった方がいいと思うので、そのような現場があるなら常備しておくのは賢明です。時々ゴムの状態などの確認や手入れが必要になりますが。
ずっと放置しておくといつのまにか錆びていたり汚くなったりするからです。
玄関付近の鏡もスクイジーを使うよりタオルだけで拭く方が早いと思いました。というのは、取手などが障害物となりスクイジーが切りにくいからです。フラットな鏡なら話は別ですが。
最近は洗面台にも全面鏡など、すぐに汚れる割には掃除しにくいタイプが増えていますね… 一見おしゃれに見えますが、なかなか掃除屋泣かせなアイテムに思えます。このような鏡もスクイジーでは切りにくいので、二度拭きのノウハウを向上させた方が結局は作業効率が上がると実感しました。
お風呂場の鏡については、今回の記事の内容とは別の話になります。マイクロクロスの二度拭きだけでは綺麗になりません。ガチガチに固まった石鹸カスやカルキの汚れがなかなか厄介だからです。詳細は下記の記事をご覧ください。
【風呂の鏡のウロコ】酸性洗剤&流水しながらカッター刃でOK!
さて、結論に入ります。
マンション内のハウスクリーニングの現場でのガラスや鏡程度の大きさの清掃にはスクイジーは不要だと思います。
道具がへたってくると、切り跡やスジが残り、家の人から見たら汚らしく見えるからです。
一方、マイクロクロスでの二度拭きで、プロの目で綺麗になった状態なら、わずかな拭き跡があったとしても、スクイジー跡よりは汚らしく見えません。
それに全面手を動かしたとしても、慣れたら見た目ほどしんどくないですよ。決して力を入れているわけではありませんので。
ということで、今回はここで終わりにしたいと思います。異論も色々あるかと思いますが、作業方法は一つではないので当然です。どの方法にもメリットデメリットがあるので、その中のどのメリットを自分が取るか…
最後までご覧いただきありがとうございました。では。
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