【プロ解説】ノーマルエアコン(霧ヶ峰など)本体カバーを壊さず外す方法と洗浄のコツ | タバコのヤニ汚れも激落ち

🎯 はじめに

「お掃除機能なし」の壁掛けエアコンは、自分で徹底的に掃除が可能です。

しかし、誰もが口にする最大の難関が「本体カバーの外し方」。

ツメを折ってしまえば元に戻せず、大損害につながりかねません。

この記事は、ワンルームマンションのタバコのヤニだらけのノーマルエアコン(三菱 霧ヶ峰)を実際に洗浄したプロの作業者が執筆しています。

機種によって全く違う本体カバーの外し方、特に三菱「霧ヶ峰」特有の「ひねりと傾け」の感覚とコツを、写真(あるいは図解)で徹底解説。

隠しビスを外した後、どのように力を加えれば破損せずに「パカッ」と外れるのか。そして、ファンやフィンにこびりついたヤニやカビが、どれだけ劇的に落ちるのか。

自力でのエアコン洗浄を成功させたい方は、ぜひ最後までお読みください。


I. 【前提知識】ノーマルタイプとお掃除機能付きの違い

エアコン洗浄を自分で行う際、まず理解すべきは機種の違いです。

壁掛けエアコンは大きく分けて「ノーマルタイプ(フィルター自動掃除機能なし)」と「お掃除機能付き」に分類されます。

  • ノーマルタイプ:

    • 構造がシンプルで、本体カバーを外せば冷却フィン(熱交換器)やファンが露出し、洗浄作業がしやすいです。

    • この記事で解説するように、自力での分解洗浄に最も適したタイプです。

  • お掃除機能付き:

    • フィルターのホコリを自動でかき集める「お掃除ユニット」が搭載されています。

    • このユニットにはモーターや多数の複雑な電気配線が張り巡らされており、これらを外す作業が伴います。

    • 素人の方が手を出すと、配線コネクタの破損や復旧不能のリスクが非常に高くなります。分解には専門知識が必須となるため、基本的にはプロに依頼することをおすすめします。(電気配線の外し方が結構難しい、復旧できるか不安、という状況を回避するためです。)


II. プロが実践!タバコヤニだらけのエアコン洗浄事例

今回、私が作業に入ったのは、退去後のワンルームマンションの空室現場です。

内装工事で壁紙を剥がしたところ、ボードに残った壁紙からも強烈なタバコのヤニ臭がするほどの状態でした。

もちろん、エアコン本体も例外ではありません。

エアコンを動作させるとヤニ特有の強烈な臭いが室内に広がり、このまま引き渡すわけにはいきません。

いずれ洗浄が必要となるため、「どうせならこのタイミングで徹底的に洗ってしまおう」という判断に至りました。

現場のエアコンは三菱電機製の「霧ヶ峰」(ノーマルタイプ)でした。

煙草のヤニがどれほどひどかったかの証拠

写真を見ていただくとわかる通り、本体カバーを取り外した時点でも、壁の周りやエアコンのプラスチック部分にはびっしりとヤニが付着し、全体が茶色く変色していました。

このヤニ汚れは、カビやホコリと混ざり合い、強烈な悪臭の原因となります。


III. 【最大の難関】エアコン本体カバーの外し方(手順とプロのコツ)

自力洗浄成功の鍵は、いかに本体カバーを無傷で外せるかにかかっています。機種の違いを理解し、正しい方向に力を加えましょう。

1. ステップ1: 正面カバーとフィルター、隠しビスを外す

まずは目に見える部品から外していきます。

  1. 正面のカバーをパカッと開けて外します。

  2. フィルターを外します。

  3. ルーバーを外します(次項で詳細解説)。

  4. 隠しビスを外す:機種にもよりますが、本体カバーの下部に2箇所、プラスチックのキャップで隠されたビスがあります。これをプラスドライバーで確実に外します。これは簡単ですが、次がコツが入ります。

2. ステップ2: ルーバーを壊さず外す「勘合部」のコツ

風向きを変えるルーバー(吹き出し口の羽)は非常に破損しやすいため慎重に扱います。

ルーバーは左右の軸と、中央の「ちょぼ」と呼ばれる小さな突起で固定されています。

  1. まず、ルーバーの中央にある「ちょぼ」の勘合部(ロック)を外します。

  2. 次に、ルーバーを少し曲げるようにして、左端から軸を抜き、続いて右端の軸を抜きます。

ルーバーが固くて外れないと感じても、決して無理に引っ張ってはいけません。少し左右に動かし、軸が引っかかっている場所を探りながら、スムーズに抜ける角度を探すのがコツです。破損を防ぐため、少しでも不安を感じたらこの作業は中断しましょう。

3. 【プロの裏技】三菱「霧ヶ峰」本体カバーの外し方と「ひねり」のコツ

正面カバーや隠しビスを外し終えたら、いよいよ本体カバーです。機種によってツメの構造が大きく異なり、この最後の工程で失敗(ツメ破損)する人が最も多いです。

他機種との決定的な違いを理解する

例えば、日立製「シロクマくん」の一部機種は、上部や正面のツメのロックを外すことで、カバーが比較的自然に前に傾きながら外れてくる感覚があります。

しかし、三菱「霧ヶ峰」のノーマルタイプは、単にツメを緩めるだけでは不十分です。

カバー全体を「適度に傾け、てこの原理を使いながら引っ張り出す」ことが外すためのコツだと実感しています。

霧ヶ峰でツメを壊さずに外す具体的な「ひねり」の感覚

  1. 両手でカバーを掴む: 本体カバーの左右の端を、両手で挟むようにしっかりと持ちます。

  2. 力の方向を決める: 力の加え方は、「左手は下に、右手は上に」と、カバーに対してねじる(ひねる)ような力を加えます。

  3. 斜め上に引っ張る: ねじる力を維持したまま、カバー全体を「手前に斜め上」に引っ張ります。

この「ひねり」と「傾け」を組み合わせた動きが、奥深くで引っかかっているツメ(勘合部)からカバーを解放する決定的な感覚になります。

  • 感触の目安: 「ぐ〜」と一瞬粘るような抵抗を感じた後、「パカッ」と外れる感触があれば成功です。この感触が掴めれば、カバーを外す作業は怖くなくなります。


IV. ファン・フィンの徹底洗浄と驚きの洗浄効果

カバーさえ外してしまえば、あとは汚れを落とす作業です。タバコのヤニは粘着性が高いため、通常のホコリやカビよりも洗浄剤の力を借りる必要があります。

1. ベランダでのカバー・パーツ洗浄(ヤニ汚れ激落ち)

取り外した本体カバーやルーバーは、そのまま浴室やベランダに持っていき洗浄します。

洗浄前のカバー裏側のヤニ汚れ

汚れはひどく臭いもしますが、外すことさえできたら、綺麗にするのにそれほど苦労はありません。

  1. 洗剤の噴霧: 業務用または市販のエアコン洗浄用洗剤(アルカリ性のものがヤニ汚れに効果的)を、汚れている全面にたっぷりと噴霧します。

  2. 浸透・ブラッシング: 2分程度放置し、洗剤を汚れに浸透させます。細かいスリットや隅の部分は、細い刷毛やブラシを当てて汚れを掻き出します。

  3. 水洗い: ホース(またはシャワー)で水を勢いよく流します。ヤニが溶けた茶色い水が一気に流れ落ち、カバーが瞬時に綺麗になるのがわかります。この洗浄は流すだけで綺麗になるので非常に気持ちがいい工程です。

2. 本体(フィン・ファン)の洗浄手順と汚水の処理

室内機本体の洗浄を行う前に、必ず電源プラグを抜いていることを再確認し、周囲の養生(マスキング)を徹底します。特に右側の電気配線部分には水や洗剤が絶対にかからないよう注意してください。

① 冷却フィン(熱交換器)の洗浄

  1. 冷却フィン全体に洗剤をたっぷりとかけます。

  2. 数分放置し、洗剤を浸透させます。

  3. 低圧で水を流し、洗剤とヤニ汚れを洗い流します。この時、ファンを洗う汚水受けに汚水が流れ込んでいることを確認します。

② ファン(送風ファン)の洗浄

ファンはカビやホコリが最も溜まりやすい場所ですが、ヤニ汚れの場合はネバネバとした塊が付着していることが多いです。

  1. フィン洗浄と同様に、ファンにも洗剤をたっぷりかけます。

  2. 数分放置した後、水で洗い流します。この際、ファンを回転させながら洗浄すると、より効率的に汚れが落ちます。

③ 汚水排出と繰り返しの洗浄

汚水はドレンパンを経由して、ドレンホースから室外へ排出されます。

  • ドレンホースの詰まり確認: 洗浄中に冷却フィンの下の部分が泡だらけになっても、ドレンホースが詰まっていなければ、汚水はそのうち流れ出ていきます。

  • ヤニ汚れの特性: 今回のヤニが固まっていた現場では、一度の洗浄では不十分でした。完全に臭いと汚れを断つため、洗剤噴霧と水洗いを3回繰り返しました。洗浄後の水が透明になるまで繰り返すのが理想です。

3. 【衝撃】洗浄後の汚水と臭いの変化

エアコン本体を洗浄した際、汚水受けの下のバケツに溜まった水がこちらです。

ヤニ・カビ・ホコリが混ざった汚水

エアコンを定期的に洗浄していない場合、ヤニ汚れがなくとも、だいたいこれくらいカビやホコリなどの黒い汚れが出ます。これらが部屋の空気に乗って循環していたわけです。

今回の現場では、この汚水が溜まらなくなるまで洗浄し、本体カバーを元通りに取り付け、テスト運転を行いました。

結果、試運転でエラーが出ることもなく、ヤニによる強烈な悪臭はすっかり取れ、無臭のクリーンな空気が出るようになりました。


V. 【復旧時の注意点】ルーバーの再取り付け順序

洗浄作業が完了し、カバーを取り付ける段階で一つだけ注意点があります。

それは「ルーバーを取り付けるタイミング」です。

ルーバーを先に取り付けることを推奨する理由

エアコンを試運転すると、ルーバーの右軸(モーター接続側)が動作によって微妙に正しい位置からずれてしまい、その後のルーバーの取り付けが困難になるケースがあります。

そのため、私は作業時間を短縮するため、以下の順序を推奨しています。

  1. 本体カバーを元に戻す。

  2. ルーバーを取り付ける。

  3. ルーバーの取り付け後に、最終的な試運転を行う。

試運転時にルーバーやその付近が一時的に汚れる可能性はありますが、それは最後に仕上げ拭きをすれば解決します。

ルーバーが「うっ、つかない!」と悩み、時間をかけてしまう労力を考えると、この順序がプロとしてはおすすめです。


VI. まとめ:分解が不安な方への別の清掃方法

このように、ノーマルタイプの壁掛けエアコン洗浄は、本体カバーを壊さずに外す「ひねりのコツ」さえ掴んでしまえば、難しい作業ではありません。

私自身、ヤニだらけのエアコンを洗浄し、汚水が茶色から透明に変わるのを見たときの達成感と、臭いが完全に消えたときの感動はひとしおです。

この「分解・洗浄の感覚」がわかってくると、エアコンのメンテナンスは怖くなくなります。定期的に内部を綺麗に保つことで、エアコンの効きが良くなり、消費電力が抑えられる(電気代の節約)だけでなく、何よりも部屋の空気が劇的に改善します。

最終的な判断はご自身で

ただし、もし機種が古く本体が劣化している場合や、カバーを外す際に少しでも不安を感じた場合は、無理は禁物です。ツメが破損すると元に戻せなくなるリスクがあります。

ご自身のスキルや機種の状態に合わせて、以下の選択肢も検討してください。

  1. 分解せずに清掃する: 市販の洗浄スプレーを使い、本体カバーを外さずにファンやフィンを清掃する方法です。(深い汚れは落ちきりませんが、定期的な軽度清掃には有効です。)

  2. プロに依頼する: お掃除機能付きや、分解に不安がある場合は、費用はかかりますが、プロに任せるのが最も安心で確実な方法です。

この解説が、皆さんのエアコン洗浄への不安を取り除き、挑戦するきっかけとなれば幸いです。

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