誰もが一度は経験する「デジタル地図の裏切り」。
あれほど便利なGoogleマップを手にしているのに、なぜか目的地にたどり着けない。
特にそれが、複雑な構造をした「駅前」であればなおさら。
地図上ではたったの100メートル、徒歩2分と表示されているのに、現実は階段、ペデストリアンデッキ、地下道が絡み合う迷宮。
「スマホをぐるぐる回しても、矢印がどっちを向いているのかピクリともわからない」――。
今日は、オリエンタルホテル神戸へ向かう道中で、私がその「地図の中では近いのに、現実は迷路」の罠に陥り、集合時間にギリギリで間に合った、冷や汗ものの体験をお話しします。
迷宮の始まり、アホウドリのような私
その日、私はバスの添乗ボランティアの集合場所である、オリエンタルホテル神戸に向かっていました。集合時間まで少し余裕があったため、Googleマップを片手に「これで迷うはずがない」と油断しきっていました。
駅の改札を出て、吹き抜けの広場に出た途端、都会特有のビル風と人の波に押し流される。Googleマップには「残り150m」と表示されているのに、まるで巨大な蟻の巣に放り込まれた気分です。
駅を出た瞬間から方向がわからない。
スマホをぐるぐる回す姿は、さながら道に迷ったアホウドリ。周囲の視線も気になるが、それよりも矢印が「お前は一体、どっちを向いているんだ?」と問いかけてくるようでイライラが募ります。ピクリとも動かない現在地マークに悪態をつきながら、とりあえず人の流れに合わせて歩いてみるけれど、数分後には「あれ、ホテルが遠ざかってる?」と気づく羽目になるのです。
地図の「平面」が牙を剥く
なぜ、こんなことになるのか?
駅付近って、建物が立体的で道路も複雑だから、“地図の中の世界”と“現実”が一致しないことが多いんですよね。特に駅前は、「地下街」「地上」「ペデストリアンデッキ(歩行者専用の空中通路)」の三層構造になっていることが多く、Googleマップの“平面の神視点”では、今自分がどのレイヤーにいるのかを把握できないのです。
地図の中ではたった100メートル先なのに、実際は階段を上って、歩道橋を渡って、ぐるっと回らないと行けなかったりする。遠回りしている間に、集合時間まであと10分を切っていることに気づき、背中にじっとりと嫌な汗をかき始めました。
搬入口に案内してくれた地元の人
もう地図アプリは当てにならない。アナログに戻ろう。
ちょうど通りかかった年配の男性に「オリエンタルホテルはどちらですか?」と尋ねる。「ああ、オリエンタルさんね。知ってるよ」と指さしてくれた方向へ進むと、どうやらそれは**ホテルの裏側にある「搬入口」だった…。地元の人にとってのランドマークと、旅行者にとっての「正面玄関」**は、また別世界なのだと悟ります。
地元の人に聞こうとしても、「この辺りの建物、名前は知ってるけど入口どこだったかな…」という反応をされることも多く、初めての場所って本当に油断できません。
その日はバスの添乗ボランティアの集合時間にギリギリ。「間に合うか!?」と焦り、心臓がドクドクと不規則なビートを刻んでいる中で、ようやく見えたホテルの看板に心の底からホッとしました。
まとめ
結局、最新のデジタル技術も、駅前の複雑さの前には無力でした。
「地図の中では近いのに、現実は迷路」。
この教訓を胸に、次に初めての駅を訪れる時は、スマホをぐるぐる回す前に、まずは深呼吸。そして、自分の足と五感を信じてみようと思います。
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