「まだまだ使えるこのMacBook Airを、OSのサポートが切れても延命させたい!」
2014年製のMacBook Air(メモリ8GB)をお使いのあなたも、そう考えていませんか?
私も同じ思いから、サポートが続くLinux OS(Lubuntu)を仮想環境のVirtualBoxに導入する計画を立てました。
文書作成やネット閲覧は問題なし。
これはいける!…と喜んだのも束の間、「ビデオ会議の定番・Zoom」を試した途端、計画は壁にぶつかりました。
画面に映る自分の動きはカクカク、他の参加者も動きが鈍い。
CPU負荷が高いという警告も出て、とても実用的な状態ではありません。
本記事では、この延命計画の中で私が直面したVirtualBoxとZoomの相性問題について、徹底的に設定をいじった試行錯誤の過程と、現時点での正直な限界をお伝えします。
もし、あなたが古いMacにLinuxを導入し、Zoomも使いたいと考えているなら、ぜひ最後までお読みください。
1. 環境と問題の切り分け:私の検証環境と「ネット環境ではない」証明
まず、この検証で使用した私のMacBook Airのスペックと、ネット環境、そして問題の切り分けについてお伝えします。
検証環境
なぜVirtualBoxでLinuxを試したのか?
お察しの通り、MacBook AirのOSサポート切れ(Big Sur)がいつ来るかという不安から、サポート期間の長いLinuxに移行することで、このPCをあと数年延命したいと考えたのがきっかけです。
Lubuntuは2025年4月までサポートがあります。
問題の切り分け:犯人はネット環境ではない
VirtualBox上のLubuntuでZoomの映像がカクカクになった時、最初に疑うのは「ネット環境の速度」でしょう。
しかし、ここで決定的な事実がありました。
同じMacBook AirでmacOS Big Surを起動し、Zoom会議に参加すると、映像も音声も一切問題なく動作する。
この事実から、ネット環境やMacBook Air本体のハードウェア性能が決定的なボトルネックではないことが証明されました。
犯人は、VirtualBoxという「仮想環境」そのもの、またはその設定にあると確信しました。
2. 試した解決策と結果:VirtualBoxの設定を徹底的に見直した結果
原因が仮想環境にあるとわかった以上、VirtualBoxのあらゆる設定項目をいじり、Lubuntuに最大限のリソースを割り当てる実験を開始しました。
しかし、結果は全て「変わらず!」でした。
VirtualBoxの可能な限りの設定を変更しても、Zoom起動時に表示される**「CPUの使用率が高いため品質に影響が出ています」のメッセージは消えることがありませんでした。
この時点でのZoom会議への通用は、完全に不合格**です。
3. 問題の核心(推測):なぜカクつくのか?原因は「カメラ/グラフィック処理」と「CPU負荷」
徹底的な検証の結果、「設定変更ではどうにもならない根本的な壁がある」という推測に至りました。
当初は「内蔵のFaceTimeカメラがVirtualBox上で最適に動作していないのでは?」と考えました。しかし、よく観察するとあることに気づきました。
❌ 間違い:カメラだけの問題ではなかった
自分自身の映像だけでなく、参加者の映像も自分ほどではないにしろカクカクしている。
もしカメラの入出力(I/O)だけが問題であれば、自分の映像だけがカクつくはずです。
参加者の映像もスムーズではないということは、カメラだけでなく、Zoomが要求する「映像のデコード(復号)やエンコード(符号化)を含む、総合的なグラフィック処理」に原因がある可能性が高いです。
✅ 問題の核心:仮想化のオーバーヘッド
MacBook Air(2014年製)のCPUは、元々最新のPCと比べれば非力です。
- **ホストOS(macOS)**が動作するためにリソースを確保する。
- その上でVirtualBoxというソフトウェアが動作する。
- さらにそのゲストOS(Lubuntu)が、非力なCPUを使ってZoomの映像処理という重いタスクを行う。
Zoomのようにリアルタイム性が求められるアプリケーションは、この「仮想化のオーバーヘッド」に耐えられず、ボトルネックが生じていると見るのが自然です。
ネイティブOS(macOS)なら問題ない処理でも、仮想環境を経由した途端にCPUへの負荷が高まりすぎた、というのが私の最終的な推測です。
4. 【結論】Zoom会議にVirtualBox+Linuxは通用するのか?
私の検証結果に基づき、現時点での結論は「実用的なレベルでは通用しない」と判断せざるを得ません。
Zoomは現代のPC環境において、映像の処理負荷が高いアプリケーションの代表格です。
そのため、VirtualBoxによるオーバーヘッドの影響を最も受けやすいアプリの一つと言えます。
読者への提言:現状での判断軸
私の場合は、現時点ではmacOS Big Surの動作に不満がないため、引き続きmacOSでZoomを使用し、Linuxの動作環境を整えながら「万が一の備え」としておくことにしました。
5. 究極の解決策:macOSが使えなくなったら「Linuxを直接インストール」を試す
この検証で分かったのは、「MacBook Airのハードウェア性能が低い」のではなく、「仮想環境(VirtualBox)との相性・オーバーヘッドが悪い」という点です。
となると、残された究極の解決策は一つです。
macOS Big Surのサポートが完全に切れた後、ホストOSを削除し、MacBook AirにLinux OSを直接(ネイティブに)インストールしてZoomを試す。
VirtualBoxを介さず、PCの全リソース(CPU、メモリ、内蔵FaceTimeカメラ含む)をLinuxが独占して使えれば、カクつきの問題は解消する可能性が非常に高くなります。
その代償として、macOS環境は失いますが、延命という目的は達成されます。
私の今後の計画
- 当面はmacOSでZoomを利用し、PC買い替えの費用を準備します。
- macOS Big Surのサポートが完全に終了した際、この2014年製MacBook AirにLinuxを直接インストールし、Zoomの動作検証を行う予定です。
- もし成功すれば、PCの買い替え費用を大きく節約できます。
ビデオ会議だけのためにPCを買い替えるのはもったいない、という思いが強い方も多いはずです。その時が来たら、再びレポートを公開しますので、ぜひご期待ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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