MacBook AirにLubuntuを入れた結果、YouTube視聴で純正OSに完敗した3つの理由

【結論】古いMacBook Air(2014年製)の延命策としてLubuntuを導入しましたが、動画視聴の快適性においては純正Mac OSに完敗しました。

目的が「文書作成」などシンプルな作業なら問題ありませんが、多くの時間を費やすYouTubeなどの動画コンテンツにおいては、Mac OSにはない不具合が頻発し、常用は難しいと判断しました。

本記事は、私が実際に体験した以下の3つの決定的な不具合を、Mac OSの快適さと比較しながら詳細にレポートします。

PC延命のための無料OSへの移行は、快適性を犠牲にする「トレードオフ」であることを理解した上で、あなたの判断の参考にしてください。

1. 今回の検証環境と前提条件

 

まず、今回の検証におけるPCのスペックとOS環境を明確にしておきます。

これは、同じような延命を考えている読者の方が「自分と近い環境か」を判断するための重要な情報です。

項目 詳細
対象PC MacBook Air 2014年製
スペック ストレージ 128GB / メモリ 8GB
純正OS Mac OS Big Sur
延命OS Lubuntu (軽量なLinuxディストリビューション)
導入方法 VirtualBoxを経由したデュアルOS環境
使用ブラウザ どちらのOSもFirefoxを使用 (広告ブロック機能uBlock Origin導入済み)

Lubuntuは比較的軽量なOSですが、今回はVirtualBoxという仮想環境を経由しているため、ネイティブ(直接インストール)環境よりも処理性能が劣るという点は、あらかじめご了承ください。

 

2. 【決定的な不具合①】動画画面の両サイドに「無駄な余白」が発生する

 

一つ目の不満点は、動画視聴の「見た目の快適性」に関するものです。

Mac OSのFirefoxでYouTubeを視聴する場合、画面サイズを最大表示にしなくても、動画コンテンツが美しく収まり、ドックなどのOS要素も自動で隠れて快適です。

しかし、Lubuntuで同じFirefoxを開きYouTubeを視聴すると、下図のように**画面の両サイドに大きな「無駄な余白」**が発生しました。

一見、些細な問題に見えますが、Mac OSでの視聴に慣れている身としては、せっかくの画面スペースが有効活用されていないことに強い違和感を覚えます。

表示サイズを110%や120%に拡大することで余白は小さくなりましたが、これはOSやブラウザがハードウェアに最適化されていないことの表れであり、純正OSの「すっきりとした表示」には遠く及びませんでした。

 

3. 【決定的な不具合②】一定時間経過すると「音切れ」が頻発する

 

これが、動画コンテンツを楽しむ上での最大のストレス要因となりました。

最初は問題なく視聴できるのですが、決まったように約30分程度が経過すると、突然「音切れ」が発生し、画面だけが無音で再生され続ける現象に陥るのです。

この現象が発生しても、YouTubeの再生を一旦停止し、少し巻き戻して再開すれば音は戻ります。

しかし、映画や長時間の解説動画などを視聴する際に、30分おきに手動で操作を修正しなければならないのは、快適性とは程遠い体験です。

この問題の原因として、Lubuntu側の省電力設定VirtualBoxのオーディオ設定を疑い、様々試行錯誤しましたが、根本的な解決には至りませんでした。

 

4. 【決定的な不具合③】一定時間経つとPCが「省エネモード」に移行し画面が消える

 

二つ目の音切れ問題と関連して、別の不具合も発生しました。

LubuntuでYouTubeを視聴していると、今度は一定時間後にPCが省エネモードに移行し、画面が消えて音だけが鳴り続ける現象です。

これはMac OSでは一度も経験しなかった現象です。

PCのパッドに指が触れるだけで画面は再表示されるため、実害は大きくありませんが、「動画を再生している間は画面をつけ続けてほしい」というユーザーの意図に反してOSが動作していることに、違和感と不便さを感じました。

これもLubuntuの電源管理設定をいじれば解消できる可能性はありますが、デフォルトの状態で快適に使用できないという点が、やはり純正OSとの大きな隔たりを感じさせました。


 

【深掘り考察】なぜLinuxは快適性に劣ったのか?

 

今回の検証でMac OSが優位だった理由は、主に以下の2点に集約されます。

 

1. OSとハードウェアの最適化の差

 

Mac OSはApple製品専用に開発されており、電源管理、グラフィック処理、音声出力のすべてがMacBook Airという特定のハードウェアに合わせて徹底的に最適化されています。

一方、Lubuntu(Linux)は世界中の多様なPCで動作させる汎用OSです。私のMacBook Air 2014年の特定のチップセットやハードウェア構成に対して、「音切れ」や「画面の省電力設定」を完璧に制御しきることが難しかったと考えられます。

 

2. VirtualBoxによるオーバーヘッドの影響

 

今回の体験は、ネイティブインストールではなく、VirtualBoxという仮想環境を経由していることが、パフォーマンス低下の大きな要因であることは間違いありません。

特に動画再生のような負荷のかかる処理では、物理PCのリソースを仮想環境が分け合うため、処理の遅延や不具合(音切れなど)が発生しやすくなります。ネイティブインストールであれば、これらの問題はいくらか改善する可能性があります。

 

5. 【最終的な費用対効果】Linux延命 vs PC買い替え、どちらが賢明か?

 

最終的に私が「Mac OSを継続利用する」という判断を下した最大の理由は、**「時間的コスト(タイムコスト)」**です。

項目 金銭的なコスト 時間的なコスト(タイムコスト)
Linuxによる延命 ゼロ (OSは無料) (不具合の調査・設定修正に時間を費やす)
PCの買い替え 大 (数十万円) ゼロ (設定不要で快適に使える)

Linuxによる延命は確かに金銭的なコストはゼロですが、「音切れを直すには?」「画面の余白を消すには?」と、一つの問題を解決するために数時間から数日を費やしてしまう可能性があります。

もしPCの使用目的が「快適に動画視聴やWeb会議をする」ことであるならば、不具合の調査に時間を費やすよりも、費用を払ってでも最新のPCに買い替える方が、トータルで見た場合の「コスパ」は高いという結論に至りました。

 

【ただし、Linuxが最高の選択肢となる場合】

 

もちろん、すべての場合でLinuxが劣るわけではありません。

今回の結果を踏まえ、もしあなたのPCの使用目的が「文書作成と簡単な情報収集のみ」「古いPCをサーバーとして再利用したい」といった、負荷が低く、不具合が発生しても許容できる用途に限定されるならば、Linuxは最高のコスト削減策となるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 
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