「古いMacBook Airをまだまだ使い続けたい」
――そう考えて、Mac OSのサポート切れに備えて軽量Linux「Lubuntu(ルブンツ)」をインストールしようとしている方は多いのではないでしょうか?
私もあなたと同じく、愛用のMacBook Air (2014年製) を延命させるべく、仮想環境VirtualBoxにLubuntuを導入しました。
文書作成などの作業は快適で、「これでPCの寿命が延びた!」と喜びも束の間…。
動画サイトでYouTubeを視聴し始めて約30分が経過すると、決まって「音だけがプツッと途切れる」という奇妙な現象に悩まされ始めたのです。
画面は動いているのに、音がない。無料OSの限界なのか、それとも仮想環境の宿命なのか?
本記事では、この実体験に基づき、なぜ古いMacのVirtualBoxでLinuxを使うと音切れが起こるのか、その技術的な原因を考察し、私が試した対策と、最終的に導き出した「古いMacBook Airを賢く延命させるための結論」をすべてお伝えします。
あなたのMac延命計画が失敗に終わらないよう、ぜひ最後までお読みください。
💻 私のMac延命計画:MacBook AirとLubuntuを選んだ理由
まず、私の当時の環境と、なぜ私がこの延命術を選んだのかをお話しさせてください。
愛用していたのは、MacBook Air (2014年製、メモリ8GB) です。
当時はまだまだ現役で動いていましたが、Mac OSのバージョンは「Big Sur」で頭打ち。近い将来、サポートが完全に終了し、セキュリティリスクやアプリの動作停止という壁にぶつかるのは目に見えていました。
しかし、PCを買い替えるのは経済的な負担が大きい…。
そこで白羽の矢が立ったのが、無料で軽量なLinuxディストリビューション「Lubuntu(ルブンツ)」です。
導入した環境の詳細
この構成で、Lubuntuは文書作成や基本的なブラウジングには驚くほど軽快でした。「成功だ!」と思ったのも束の間、次のセクションで述べる問題が発生しました。
⚠️ 【発生した問題】YouTube視聴30分後、画面は動くが音だけが途切れた
Lubuntuのインストールが完了し、真っ先に試したのはYouTubeの動画視聴でした。
最初は非常にスムーズに、何の問題もなく再生されました。しかし、どのチャンネルの動画を試しても、必ず30分前後が経過した頃にその現象は起こります。
画面はそのままスムーズに動き続けるにもかかわらず、突然、音が「プツッ」と途切れて無音になってしまうのです。
再生を停止して再開してもダメ。ブラウザを閉じてもダメ。結局、Lubuntuを再起動しないと音が戻らないという、非常に厄介な問題でした。
Mac OSで視聴した場合は問題なし!切り分けで分かったこと
この現象がPC本体の老朽化によるものなのか、ネット回線によるものなのかを確認するため、同じ時間帯(平日の昼間など)にホストOSであるMac OS Big Sur上でYouTubeを視聴してみましたが、音切れは一切発生しませんでした。
この切り分けによって、原因は以下のいずれかに絞られました。
- ホストOSとゲストOSの間にある「VirtualBox」の限界
- 軽量ゆえに動画再生処理に最適化されていない「Lubuntu」側の問題
つまり、古いMacBook Airを延命させようとした結果、「仮想環境」という壁に突き当たってしまったのです。
🔬 なぜ音切れが起こるのか?考えられる3つの技術的な要因
私の体験談と、その後の調査から、なぜこの音切れ現象が起こるのか、技術的な観点から考えられる要因を3つ考察しました。
同じ現象に悩む読者の方は、ご自身の環境と照らし合わせてみてください。
要因1: VirtualBoxによる「リソースの奪い合い」が起きている
仮想環境(VirtualBox)は、ホストOS(Mac OS)の限られたリソース(CPUやメモリ)を間借りして動作します。動画再生は、CPUやグラフィック処理を常に要求し続けるタスクです。
- バッファの枯渇 (アンダーフロー): 動画再生ソフトは、音声データを一時的に蓄積する「バッファ」を使います。Mac OSとLubuntuの間でリソースの奪い合いが起こると、Lubuntu側で音声データの処理が間に合わず、バッファが空になってしまい、音が途切れてしまうと考えられます。
- 熱による性能低下: 30分という時間経過は、PCが熱を持ち始め、CPUが処理速度を意図的に落とす**「サーマルスロットリング」**が始まるタイミングと一致している可能性もあります。
要因2: 仮想環境における「オーディオドライバ」の不整合
VirtualBoxが提供する仮想的なオーディオデバイスと、Lubuntuが使用するオーディオドライバ(PulseAudioやALSAなど)の相性が悪く、安定した通信ができていない可能性があります。
特に古いバージョンのLubuntuや、VirtualBoxの**「Guest Additions」**という性能向上ツールが正しくインストールされていない場合、この問題は顕著になります。
要因3: 省電力機能が動画再生を邪魔している
Mac OS側、またはLubuntu側のどちらかのOSが、バッテリー消費を抑えるために、30分ほどの時間経過後にCPUのクロック(動作周波数)を下げたり、ディスクアクセスを制限したりする省電力モードに入った可能性があります。
動画再生中にこのモードに入ると、一時的にリソースが絞られ、音切れを引き起こすことがあります。
🛠️ 【私が試したこと】音切れを解決するためにできる対策リスト
この現象を解決するため、私はいくつかの設定変更を試みました。完全に解決には至りませんでしたが、試行錯誤の結果と、読者の皆様が試すべき対策をリストアップします。
(※読者の方へ:特にVirtualBoxのメモリ・CPU割り当て調整とGuest Additionsの確認は、試す価値が非常に高い対策です。)
💡 【最終結論】私のMacBook延命術は成功か?今後の選択肢
試行錯誤の結果、私の2014年製MacBook Airの延命計画は、以下のような結論に至りました。
結論:文書作成なら最強!動画視聴・ビデオ会議には不向き
Lubuntuは非常に軽量であり、文書作成ソフトのLibreOfficeなどを利用する分には、古さを感じさせない快適さがあります。
しかし、リアルタイム処理が求められる動画視聴(YouTube)や、Zoomなどのビデオ会議には、仮想環境の限界から力不足でした。
賢くPCを延命させるための2つの選択肢
この体験を踏まえ、私と同じく古いMacを延命させたい読者の皆様には、以下の2つの選択肢をおすすめします。
選択肢1: 用途を割り切って「デュアルブート」に挑戦する
もし、Mac OSのデータが必要なくなり、MacBook Airを完全にLinux専用マシンにしても構わないなら、VirtualBoxを介さずLubuntuを直接インストール(デュアルブート)することを強く推奨します。
- メリット: 仮想化のオーバーヘッドがなくなり、音切れやカクつきが劇的に改善する可能性が高いです。
- デメリット: データ消失のリスクがあるため、実行には細心の注意が必要です。
選択肢2: 「iPad」と「Linux PC」で役割分担する
これが私が最も推奨するハイブリッドな方法です。
- 文書作成・古いアプリの利用: 低負荷な作業はLubuntuをインストールしたMacBook Airに任せる。
- 動画視聴・ビデオ会議: 新しいiPadやタブレット端末に任せる。
iPadは、CPU性能や専用OS(iPadOS)のおかげで、動画再生やZoomなどのリアルタイム通信において非常に安定しています。
MacBook Airの買い替え費用と比較しても、タブレット端末の導入は現実的な選択肢となるでしょう。
この体験が、古いPCの活用法に悩むあなたの役に立てば幸いです。
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