正直に言います。英語の “toss” は、バレーボールのトスほど優しくありません。 むしろ、もっと「雑」で「テキトー」なんです。
ある英文に出会って気がつきました。
“Tossed from one emotion to the next.”(感情から感情へ、翻弄されるように揺れ動く)
このとき、私の頭に浮かんだのはバレーボールの綺麗な放物線でしたが、実はそれは大きな間違い。
英語の toss が持つ本来の力は、もっと無造作で、もっと圧倒的です。
荒波に揉まれる小舟のように、抗えない力で「放り投げられる」。
そんな toss のワイルドなニュアンスを掴むと、英会話の解像度は一気に上がります。
和製英語のイメージを脱ぎ捨てて、ネイティブが日常で使い倒す「真のトス」を一緒に覗いてみませんか?
私たちが一生懸命セッターのように丁寧にボールを上げるイメージを持っている一方で、ネイティブはゴミをポイ捨てするときも、鍵を放り投げるときも toss を使います。
この「丁寧」と「雑」のギャップこそ、英会話学習者がハマりやすい落とし穴。
今日は、和製英語の呪縛を解いて、toss を「使い勝手のいいポイ投げ単語」としてあなたの武器にする方法をお伝えします。
そもそも、ネイティブにとっての toss は「ポイ捨て」に近い!?
さあ、ここからは本音でいきましょう。
私たちがバレーボールの試合で見る、あの「スパイカーのために心を込めて上げる」丁寧なトス。
あれを英語だと思っていると、ネイティブの会話では確実に混乱します。
なぜなら、彼らにとって toss の基本イメージは「どうでもいいものを、適当に放る」だからです。
例えば、これ。
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“Toss it in the bin.”(それ、ゴミ箱にポイしといて。)
「えっ、ゴミをトスするの?」と思いますよね。
でもこれが本来の姿。
彼らにとって toss は、狙いを定めて投げる throw よりもずっと力が抜けていて、悪く言えば「雑」。
良く言えば「気楽」な動作なんです。
明日からドヤ顔で使える「ポイ投げ」フレーズ
じゃあ、実際にどんな場面で使えば「英語慣れしてる感」が出るのか。
明日からすぐに使える、こなれたフレーズを3つ厳選しました。
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「これ、投げといて!」(受け渡し) 友達に「そのペン貸して」と言われたとき、手渡すんじゃなくて放ってあげるならこれ。
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“Catch! I’ll toss it to you.”(行くよ、投げるね!)
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「ソファに放り投げる」(帰宅シーン) 仕事から帰ってきて、バッグを適当に投げ出すとき。
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“I just tossed my bag on the sofa.”(バッグをソファにポイッと投げ出した。) この「テキトーに扱ってる感」が
tossの真骨頂です。
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「一晩中ゴロゴロ…」(寝られない夜) これ、面白いですよ。
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“I was tossing and turning all night.”(一晩中、寝返りばかり打ってたよ。) ベッドの中で自分の体がポイポイと無造作に動いちゃう様子。これが「全然眠れなかった」の定番表現なんです。
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【厳選フレーズ:実践!ポイ投げ会話トレーニング】
「意味はわかったけど、会話でどう出すの?」という方のために、そのままコピペで使えるリアルな会話例を用意しました。
この「適当な感じ」を声に出して練習してみてください。
① 「それ、投げて!」(受け渡し)
わざわざ立ち上がって渡すほどでもない、軽いものの時に。
A: Hey, toss me the car keys, will you? (ねえ、車の鍵、ポイッと投げてくれる?) B: Sure! Catch!(いいよ、ほい、キャッチ!) A: Thanks.
② 「ゴミ箱へポイ!」(処分)
「捨てる」という言葉を使うまでもない、些細なゴミの時に。
A: What should I do with this empty bottle? (この空のボトル、どうすればいい?) B: Oh, you can just toss it in that bin over there. (あ、そこのゴミ箱にポイしちゃっていいよ。)
③ 「寝不足の朝に」(慣用句)
「昨日は眠れなかったんだよね〜」という時の鉄板フレーズ。
A: You look tired. Did you sleep well? (疲れてるね。よく眠れた?) B: Not really. I was tossing and turning all night. (いや、全然。一晩中、あっちこっち寝返り打ってたよ。)
おまけ:バレーボール会場で「トス!」と叫んだら?
もしあなたが海外でバレーボールの試合を観ていて、セッターが良いパスを上げた瞬間に “Nice toss!” と叫んだらどうなるか。
おそらく周りの人は**「え、今のサーブのトス(放り上げ)がそんなに良かった…?」**と首を傾げるかもしれません(笑)。
攻撃に繋げるあの華麗なパスは、ネイティブには “Great set!” と聞こえているはず。
「丁寧なセット」か「雑なトス」か。
この使い分けができるようになれば、あなたの英会話はもう一段階、いや二段階くらい「ネイティブの感覚」に近づいています。
衝撃の事実:バレーのトスは「トス」じゃない!?
ここでバレーボール好きの皆さんに衝撃の事実をお伝えしなければなりません。
実は、英語でセッターがボールを上げるあのプレーは、“Set” と呼びます。
「ええっ!じゃあトスって言わないの!?」
はい、言いません(笑)。
唯一 “Toss” と呼ぶのは、サーブを打つ時に自分でボールを「ポイッ」と上に放り上げるあの瞬間だけ。
あれは確かに「無造作に放る」イメージ通りですよね。
日本に入ってきたときに、「上に放る動作」だけが切り取られて、なぜか「職人技のパス」という意味にすり替わってしまった……。
まさに和製英語のミステリーです。
感情だって「ポイポイ」される
冒頭で紹介したこの一文をもう一度見てください。
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“I felt like I was being tossed from one emotion to the next.”
これ、もう分かりますよね?
「自分の意志なんて関係なく、大きな感情の波にポイポイと雑に放り投げられている」という、ちょっと無力で苦しい状況を表しているんです。
バレーボールの綺麗な放物線どころか、荒波に揉まれる洗濯機の中のような状態です。
【おまけの深掘り】toss の仲間たち(投げる系単語)
toss 以外にも「投げる」単語はいくつかありますが、ニュアンスの差を知っておくとさらにドヤ顔できます。
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Throw との違い:
throwは方向やスピードを意識して「投げる」こと。対してtossは「はいよー」という感じで、重力に任せて放り出すイメージです。 -
Fling(フリング)との違い: 「感情に振り回される」の例文に少し近いのがこれ。
tossよりもさらに勢いが強く、バサッと投げ捨てるような激しい動きの時に使います。
【実践比較!】「投げる」単語の使い分け例文
1. Throw(気合50%:一般的な「投げる」)
方向を定めて、しっかりとボールなどを投げる時に。
“Hey, throw the ball back to me!” (ねえ、こっちにボールを投げ返して!) ※
tossよりも少し距離がある時や、ちゃんと届ける意思がある時に使います。
2. Pitch(気合100%:狙いを定めた「全力投球」)
野球のピッチングのように、正確さと力が求められるシーン。
“She pitched her business idea to the investors.” (彼女は投資家たちに、ビジネスアイデアを全力でプレゼンした。) ※ 物理的に投げるだけでなく、アイデアを「ぶつける」時にもよく使われます。
3. Fling(気合:感情任せの「投げ捨て」)
イライラしたり、勢い余って何かを放り出す時に。
“He came home and flung his coat onto the floor.” (彼は帰宅するなり、コートを床に脱ぎ散らかした。) ※
tossよりも動きが激しく、少し「雑さ」に怒りや乱暴さが加わったイメージです。
まとめ:toss は「テキトー」が合言葉!
バレーボールのイメージで「丁寧に」使おうとすると、逆に不自然になってしまう toss。
これからは、**「力を抜いてポイッとする時」**に、ぜひこの単語を思い出してください。
ゴミを捨てる時、リモコンを渡す時、そして感情に振り回されてヘトヘトな時。
そんな日常の「雑な瞬間」にこそ、この単語はピタッとハマるはずです。


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