英語には、
「遊ぶ」でも
「付き合う」でも
「社交する」でもない、
少し不思議な表現があります。
Keep company
辞書的には
「一緒に時間を過ごす」
と訳されますが、
実際に使われる場面は、少し違います。
なぜ Keep company は、説明が難しいのか
Hang out のように楽しいわけでもなく、
Socialize のように外向きでもない。
Keep company が使われるのは、
**誰かが「一人でいるには、少しつらい状況」**のときです。
たとえば、
-
待合室で待っている人
-
体調がすぐれない人
-
気持ちが沈んでいる人
そこに必要なのは、
会話のうまさでも、気の利いた言葉でもありません。
ただ、そばにいること。
それを、そのまま言語にしたのが
Keep company です。
日本人が見落としがちな、この一文
“I’ll stay and keep you company.”
直訳すると
「残って、あなたのお相手をします」
でも、この文が伝えているのは、
行動よりも姿勢です。
「話さなくてもいい」
「気を遣わなくていい」
「一人にはしない」
そんなメッセージが、
静かに含まれています。
Keep company に「目的」はない
ここが、他の表現との決定的な違いです。
-
Hang out
→ 楽しむために一緒にいる -
Socialize
→ 交流するために一緒にいる -
Keep company
→ 一人にしないために一緒にいる
目的が「相手」そのものに向いています。
だからこそ、
この表現はとても限定的で、
同時に、とても人間的です。
誰にでも使える言葉ではない
Keep company は、
万能な優しさの言葉ではありません。
使われる相手は、だいたい決まっています。
-
一人でいる人
-
不安そうな人
-
弱っている人
逆に、
元気な同僚や初対面の相手に使うと、
少し大げさに聞こえることもあります。
この言葉には、
**「相手を気遣う立場」**が前提として含まれているからです。
Socialize との、静かな対比
このシリーズで出てきた Socialize は、
外に向かう言葉でした。
みんなで話す
場を盛り上げる
関係を広げる
一方、Keep company は真逆です。
特定の一人
静かな時間
関係を深めることすら、目的にしない
同じ「一緒にいる」でも、
向いている方向がまったく違います。
英語が「優しさ」を表すとき
英語は、
感情をはっきり言葉にする言語だと思われがちです。
でも、Keep company は例外です。
この表現が選ばれるとき、
話し手は、
何かをしてあげようとしていません。
ただ、
「ここにいるよ」
それだけを伝えています。
まとめ|英語は「そばにいる理由」を選ばせる
最後に整理しておきましょう。
-
Hang out
楽しい時間を共有する -
Socialize
人との交流を広げる -
Keep company
一人にしないために、そばにいる
英語は、
**「なぜ一緒にいるのか」**を
単語で選ばせる言語です。
何も言わない、という選択
もし、英語で
「何て声をかければいいか分からない」
そんな場面に出会ったら、
無理に言葉を探さなくてもいいのかもしれません。
I’ll stay and keep you company.
この一文は、
話さないことすら、肯定してくれる英語です。
▼こちらがこのシリーズの最初の記事です。
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