「前にも同じ失敗をした。
だから、もう二度としない」
そう固く誓ったはずなのに、
数ヶ月、あるいは一年後。
気づけば、
まったく同じミスをしていた。
そんな経験はありませんか?
その瞬間、
「自分はダメだな」と落ち込む必要はありません。
実はこれ、プロの世界ではとてもよくある
**“時間差で起きる心の落とし穴”**なのです。
▼このシリーズの前回の内容
「慣れたときが一番あぶない」――掃除のプロが必ず自分に問い直す「心のわな」
1. 「一度できた」は「一生できる」ではない
人はよく、こう考えます。
「一度できたんだから、もう大丈夫」
「同じ失敗をするほど未熟じゃない」
でも、現実は少し違います。
一度できたことと
ずっとでき続けることは、別物です。
むしろ、
「もう克服した」という安心感こそが、
次のミスの入口になることがあります。
2. なぜミスは「戻ってくる」のか?
以前、
うっすら汚れたクロス(壁紙)を
見落としたことがありました。
そのときは強く反省し、
角度を変え、光を当て、
丁寧に確認するようにしました。
しばらくの間は、
完璧にできていたと思います。
でも数ヶ月たち、
仕事が順調に回り始めた頃——
あのときの緊張感が、
少しずつ薄れていきました。
「最近はミスしていない」
「この程度なら、すぐ気づける」
そうやって自分を
**“もう大丈夫な側の人間”**だと
無意識に思い始めたとき、
昔の悪いクセが、静かに戻ってきます。
3. プロでも「弱点」は戻ってくる
どんなに経験を積んでも、
昔つまずいたポイントに
再び足を取られることがあります。
たとえば——
エアコン掃除
一度壊して反省したはずなのに、
忙しい日に、また力任せに扱ってしまう。
忘れ物・置き忘れ
二度としないと決めたのに、
「慣れ」で確認を飛ばしてしまう。
これは、
腕が落ちたからではありません。
「自分はもう、そのミスを卒業した」
そう思ってしまったことが原因です。
4. 大事なのは「克服」ではなく「見張り」
同じミスを繰り返さないために、
ひとつ大切な考え方があります。
それは——
「自分の弱点は、一生消えない」
と認めてしまうことです。
「もう克服した」ではなく、
「油断すれば、またやるかもしれない」
そう自分を疑い続けること。
作業が終わったあと、
あえて過去のミスを思い出す。
「今日はクロスの見落としはないか?」
と、自分に問いかける。
この
**“自分を見張る(ウォッチする)習慣”**が、
ミスの再発を防いでくれます。
まとめ
一度克服したはずのミスが、
また起きたとき。
それは失敗ではなく、
「もう一段、意識を上げなさい」
というプロとしてのサインです。
「自分は強い」と思う人より、
「自分は油断することもある」と
分かっている人のほうが、
結局はミスが少なく、長く続きます。
今日も、自分を見張ることを忘れない。
その謙虚さが、
あなたの腕を
本物のプロへと近づけてくれます。
次回予告
次は**「忙しい日だけ起きるミス」**について書きます。
なぜ時間に追われると、
普段しない失敗をしてしまうのか——。
「忙しい日」にだけミスが忍び寄る本当の理由――焦りより怖い「脳のバグ」の正体
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