プロでも焦る!マジックリンが「魔の洗剤」になった日
ハウスクリーニングを生業とする私ですが、先日、忘れられない大失敗をしました。
ハウスクリーニングを辞めたい!30年続いた自分が継続の秘訣をお伝えします
場所はトイレ。
便器上部の壁にあるブレーカーのカバーに、内装用のノリがベッタリこびりついていたんです。
これは手強い…と、油汚れやノリ汚れに無敵の**アルカリ性洗剤(今回はマジックリン)**を迷わずスプレー!
ノリはみるみる浮き上がり、「よっしゃ、完璧!」とほくそ笑んだ、その時です。
「ボタッ」
カバーの裏から、強力な洗剤水が数滴、床のワックスに垂れてしまった…
すぐに拭き取ったんですが、時すでに遅し…ですね。諦め🤦
洗剤が付着した部分だけ、床のワックスが白く変色し、まるで水玉模様のシミのようにくっきり残ってしまいました。
「うわ…これはまずい。」
強力なアルカリ性洗剤は、床に塗ってあるワックス(樹脂)を溶かす剥離剤と同じ成分。
たった数滴でも、一瞬でワックスを破壊してしまうんです。それは十分知っていたことなのに… 昨日気分が悪いことがあって、ぼさっとしていたのが原因。
口論のコストは高すぎる!「譲る」ことが一番の仕事効率化だと気づいた話
結局、その部屋の床はすべてワックスを剥離し、塗り直す羽目になりました。
トイレと、同じく洗剤を垂らしてしまったお風呂場の入口周りも。
作業時間は大幅に伸び、もう顔面蒼白でしたね…。ちょっと大袈裟か せっかく書いたので残しておきます。笑。
失敗の原因は「一重の養生」と「直接スプレー」
なぜこんな大惨事になったか? 原因は明白です。
1. 養生が甘かった 床と壁の境目に、マスキングテープを一重しか貼っていなかったことです。一重だと、洗剤が流れ込んできたときにテープの粘着が負けたり、破れたりして簡単に突破されてしまいます。あの時、**二重・三重に貼って「ダム」**を作っておけば、数滴の垂れを防げたはずです。
2. 高所への直接スプレー 高い場所や垂直面に洗剤を直接スプレーしたのが致命的でした。洗剤は重力に逆らえません。ノリに浸透している間に、裏や下側に回り込んで必ず垂れます。
【教訓】二度と失敗しない!プロが誓う最強の養生術
私と同じ失敗をしないために、強力な洗剤を使う時の鉄則をお伝えします。
✅ 1. 洗剤は「湿布」で使うべし
高い場所や垂れると困る場所のノリや汚れ落としには、洗剤を直接スプレーするのはNGです。
- キッチンペーパーやクロスに洗剤をたっぷり染み込ませる。
- ノリがある部分に密着させて貼り付け(湿布)、しばらく放置する。
- 浮いたノリを、そのペーパーや別の濡らしたクロスで拭き取る。
こうすれば、洗剤が垂れるリスクを最小限にしつつ、ノリをしっかり分解できます。
✅ 2. マスキングテープは「二重ダム」を築け
床のワックスなど、絶対に守りたい場所との境目には、テープのコストを惜しまず二重・三重に貼ることにしました。
さらに、今回は贅沢に使わなかったマスカーテープを広範囲に広げ、垂れてきた洗剤をビニールシート全体で受け止める体制を整えることが必須。トラブルでワックス剥離・再塗布になる手間とコストを考えれば、マスカーをケチるなんて本当に馬鹿げていますね…
この一件で、私は「養生こそが仕上がりの命」だと骨身にしみて理解しました。プロだからこそ、ワックスや建材を傷つけないための徹底した準備が必要ということをしみじみと実感しました。
皆さんも強力洗剤を使う際は、「たった一滴」の破壊力を侮らず、「二重ダム養生」で万全の体制を!

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