「忙しい日」にだけミスが忍び寄る本当の理由――焦りより怖い「脳のバグ」の正体

「今日は予定がパンパンだ。急がないと」

そんな日に限って、
普段なら絶対にしないような
初歩的なミスをしてしまうことはありませんか?

道具を置き忘れる。
見たはずの汚れを見落とす。

あとで振り返ると、
「なんで、あんな簡単なことを?」
と自分でも不思議になる。

実はそれ、
あなたの注意力が低いからではありません。
忙しい日の脳では、
**ある“危険な書き換え”**が起きているのです。

▼ちなみにこれはシリーズ記事です。前回の内容はこちら

「もう大丈夫」と思ったときが危ない――克服したはずのミスが、なぜまた起きるのか


1. 「急いでいたから」では説明できないミス

忙しい日は、誰でも急ぎます。
それ自体は、悪いことではありません。

でも問題は、
急いでいることそのものではなく、
急ぐことで脳の中の前提が
こっそり変わってしまうことです。

「気をつけよう」と思っているつもりでも、
脳はもう、別の判断基準で動き始めています。


2. 脳のゴールは、いつの間にかすり替わる

忙しい日の脳は、
あなたに断りもなく「ゴール」を書き換えます。

  • ヒマな日:
    「きれいに仕上げる」がゴール

  • 忙しい日:
    **「この現場を早く終わらせる」**がゴール

こうなると、
脳は“効率を下げる情報”を
自動的に切り捨て始めます。

「新品のクロスだから、汚れていないはず」
「この部品は、いつも通りで大丈夫」

本当は確認すべきことでも、
脳が勝手に
**「見なくていい情報」**に分類してしまう。

これが、
「見ているのに、見落とす」
という脳のバグの正体です。


3. 体は今、心は次の現場へ

エアコンを洗っている最中なのに、
頭の中では、こんなことを考えていませんか?

「次の現場、駐車場あるかな」
「昼ごはん、どこで食べよう」

体は「今の現場」にある。
でも、心はもう「次」へ行っている。

この状態になると、
指先の感覚が、確実に鈍ります。

パーツを外すときの、
あと1ミリの力加減
その微妙な違和感に気づけず、
「パキッ」といってしまう。

これは不注意ではなく、
注意が分散している状態です。


4. 忙しい日は「合格ライン」が勝手に下がる

もう一つ、厄介な変化があります。

忙しい日は、
自分への合格基準が下がります。

「いつもなら、もう一度拭くけど……」
「まあ、これでいいか」

この
**「まあいいか」**という声。

実はこれ、
手抜きをしているのではありません。

脳が、
「今日は効率を優先しろ」
と指示を出しているだけです。

でも現場では、
その小さな妥協が、
後から一番痛いミスになります。


5. 忙しい日こそ「5秒のムダ」を入れる

この脳のバグを止める方法は、
スピードを落とすことではありません。

やるべきなのは、
脳のモードを
**「終わらせる」から「仕上げる」**に戻すこと。

そのスイッチが、
たった5秒のムダです。

  • 車に乗る前、5秒だけ空を見る

  • 作業の区切りで、5秒だけ深呼吸する

それだけで、
未来に飛んでいた心が
「今」に戻ってきます。

脳のアンテナが立ち直り、
見落としを拾える状態に戻ります。


まとめ

「忙しいからミスが増えるのは仕方ない」

そう諦めてしまうのは、
少しもったいない。

ミスの原因が
性格ではなく、脳の仕組みだと分かれば、
対策はできます。

忙しい日こそ、
あえて5秒の余裕を挟む。

淡々と、確実に仕上げるために、
今日も自分を見張る
「もう一人の目」を動かしていきましょう。

「今日は最高だ!」と思ったときが一番あぶない――調子がいい日に潜む「無敵感」のわな

スポンサーリンク


コメント

タイトルとURLをコピーしました