「どこでも行きます」はやめました。私がハウスクリーニングで守っている仕事の範囲

ハウスクリーニングの仕事なら、「依頼された現場にはどこへでも行く」のが普通なのかもしれません。

でも、私は車で移動しなければならない現場は、最初から引き受けないことにしています。

倉庫から荷物を台車で運び、歩いて行ける範囲の現場であれば、これまで多少の無理も聞いてきました。クレームがあれば、自分で現場へ行って対応することもできます。

ところが、車でしか行けない現場となると話が違います。移動そのものにリスクがありますし、何かトラブルが起きたとき、自分だけではすぐに対応できないからです。

「仕事を選り好みしている」と思われるかもしれません。

それでも私は、長くこの仕事を続けるために、自分が最後まで責任を持って対応できる範囲を決めておくことも、仕事のうちだと思っています。

今回は、そんな私なりの「仕事の境界線」について書いてみます。

昔は「頼まれたら行く」だった

ハウスクリーニングの仕事を長く続けていると、いろいろな現場を経験します。

最初の頃は、会社から依頼されれば「はい、行きます」という感じでした。

仕事ですから、多少遠くても、多少条件が悪くても、頼まれたら行く。それが当たり前だと思っていたのです。

しかし、長く続けているうちに、少しずつ考え方が変わってきました。

大切なのは、現場に行けるかどうかだけではなく、何かあったときに最後まで対応できるかどうかではないかと思うようになったのです。

現場では「作業」だけが仕事ではない

ハウスクリーニングは、掃除をして終わりという仕事ではありません。

依頼者の要望を確認し、現場の状態を見て、できることとできないことを判断する。

そして、作業後に何か問題があれば、説明したり、必要ならもう一度現場へ行ったりすることもあります。

ところが、依頼者の要望が十分に伝わっていないまま現場に入ると、作業者としては困ってしまいます。

「そこまでやってほしかった」

「そんな仕上がりになるとは思わなかった」

「ここも掃除してもらえると思っていた」

そんな話が、作業者のところに直接やってくることがあります。

私も過去に、依頼者の要望が十分に伝えられていない状態で現場に入り、クレームになって嫌な思いをしたことがあります。

もちろん、作業者側に落ち度がある場合もあります。

でも、最初の依頼内容が正確に伝わっていなかったことが原因なら、現場に入った人だけの問題ではありません。

ここを曖昧にしたまま仕事を続けるのは、正直しんどいものがあります。

私が「車で行く現場」を断る理由

そこで、私は自分の中で一つの線を引くことにしました。

車で移動しなければならない現場には行かない。

私の場合、倉庫から道具を台車で運んで、歩いて行ける現場であれば問題ありません。

仕事が終わってから、何か確認が必要になったとしても、自分で現場に行けます。

ところが車が必要な現場になると、話が変わります。

車の台数にも限りがありますし、私は車を持ち込んで仕事をしているわけでもありません。

それに、私は目のこともあって、無理に車を運転して事故を起こすようなことは避けたいと思っています。

「そこまでして仕事の範囲を広げなくてもいい」

そう考えるようになりました。

「何かあったら自分で対応できる」が私の基準

私が仕事を受けるかどうかを判断するとき、一番大切にしているのは、

「何かあったとき、自分で対応できるか?」

ということです。

歩いて行ける現場なら、ある程度のことは自分で対応できます。

多少の無理を頼まれることもあります。

理不尽だと思うクレームの対応をしたこともあります。

それでも、自分で現場に行けるのであれば、まだ何とかできます。

逆に、自分ではすぐに行けない場所で問題が起きた場合、その後の対応まで自分で背負うことになると困ります。

だから私は、最初からそこには踏み込まない。

これは仕事をしたくないということではありません。

自分が責任を持てる範囲を決めているだけです。

「会社の仕事なのだから、どこでも行くべき」という考え方もある

もちろん、会社からすれば、いろいろな現場に対応できるスタッフのほうが助かるでしょう。

「従業員なのだから、会社から言われた現場に行くものだ」

という考え方があるのも分かります。

ただ、私はそこに一つの疑問があります。

仕事をする以上、現場に入った人間がある程度の責任を負うのは当然です。

しかし、依頼者とのやり取りや、仕事の受注、現場への指示など、作業者だけでは決められない部分まで含めて、すべて現場の作業者が背負うことになると、話は違ってきます。

だから私は、自分が対応できる範囲については責任を持って仕事をする。

その代わり、自分では対応が難しい仕事については、最初から無理をしない。

そのほうが、会社にとっても私にとっても、結果的にトラブルが少ないのではないかと思っています。

「どこでも行く」より「長く続けられる」を選ぶ

仕事をしていると、「もっと仕事を受けたほうがいい」「できることを増やしたほうがいい」と考えがちです。

もちろん、それも一つの考え方です。

でも、私は最近、

仕事の範囲を広げることより、今の仕事を長く続けられることのほうが大切なのではないか

と思っています。

無理をして仕事の範囲を広げて、事故やクレームなどの大きなトラブルになってしまったら、元も子もありません。

だったら、自分が安全に移動できて、道具を運べて、何かあっても自分で現場に戻れる。

そんな範囲で、きちんと仕事をする。

私にとっては、それで十分です。

仕事を断ることも、仕事を続けるための選択

「どこでも行きます」と言えるスタッフは、会社から見れば頼りになる存在なのかもしれません。

でも私は、「どこでも行ける人」ではなく、**「自分が責任を持って仕事ができる場所では、きちんと仕事をする人」**でいたいと思っています。

長年この仕事をしてきて、ようやく自分なりの仕事の境界線が分かってきました。

歩いて行ける現場なら、これからもできるだけ柔軟に対応したい。

でも、車での移動が必要な現場については、これからも無理に引き受けるつもりはありません。

仕事は、何でも引き受ければいいというものでもない。

「ここまでは責任を持ってできます。でも、ここから先はできません」

そういう線を自分で決めておくことも、長く仕事を続けるためには必要なのだと思っています。

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