はじめに:数日後の「ポロリ」が突きつけた現実
「うわっ、ブレザーのボタンが取れた!」「店に頼むほどでもないし、自分でやろう!」
そう意気込んだのは、50代の私です。ネットで検索し、YouTubeで動画を何度もチェック。100円ショップ(もちろん100円ではなかったですが)で裁縫セットを用意し、老眼と格闘しながら針に糸を通すところから悪戦苦闘しました。
そして、動画の指示通りに糸を何重にも通し、ボタンと生地の間に「足(ネク)」まで作ったのです。
「完璧だ!」と自画自賛し、気分良くブレザーを着て出かけました。

……が、数日後、まさかのボタンがポロリ。
せっかくの苦労が水の泡。動画の通りやったはずなのに、なぜ?
この悔しさから、私は裁縫が得意な妹にヘルプを求めました。
本記事では、素人作業でボタンが取れた決定的な理由と、妹に教えてもらった二度と外れないための「最後の固定縫い」の最強のコツを、私と同じ初心者の方へ向けて包み隠さず公開します。
1. 私の失敗プロセス:動画の通りやった「つもり」
私は以下の手順でボタンを取り付けました。基本的な流れはYouTubeで見たプロのやり方と同じだったはずです。
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糸と針の準備: 100均の裁縫セットから黒い糸を選び、針に二重で通して玉結びを作りました。
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ボタンの縫い付け: 生地を表から裏へ針を抜き、ボタンの穴へ通す作業を数回繰り返しました。
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「足(ネク)」作り: ボタンと生地の間に少し隙間を作るため、縫い付けの際に爪楊枝を挟み、最後にボタンの根元の糸を数回巻き付けて足を作りました。
見た目もそれなりにしっかり見えましたが、着て動いているうちにボタンがグラつき始め、最終的に取れてしまったのです。
2. 💥 妹が指摘!素人最大の失敗原因は「最後の固定」
取れてしまったブレザーを見せた私に、妹は致命的な一点を指摘しました。
「お兄ちゃん、最後の固定縫いが、生地をちゃんとすくえてないよ!」
ボタンを縫い付けて足を作った後の、仕上げの「固定縫い」が弱かったのが原因だったのです。
ブレザーのような厚手の服の場合、ボタンを固定しているのは、ボタンと生地の間にある「足」を生地に結び付けているたった数本の糸です。
この「結び目」がほどけなければ、ボタンは外れません。
💡 失敗する「浅すぎるすくい」と、成功する「プロのすくい方」
妹いわく、「この小さな、たった一針の固定がボタンの命綱。
これが弱いと、どんなに綺麗に足を作っても意味がない」とのこと。
3. 【二度と失敗しない】妹直伝!ボタン付けを最強にする3つのコツ
私の失敗を教訓に、妹から教わった「ボタンが二度と外れない」ための重要なコツを3つ紹介します。
コツ1:糸は「太く」か「2本取り」で強度を上げる
ブレザーなどの重みや摩擦がかかる服には、強度が命です。
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裁縫セットの細い糸を使う場合:**必ず糸を二重(2本取り)**にして縫い始めましょう。
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さらに強くしたい場合:手芸店で売っている**「ボタン付け専用糸」**は、通常の糸よりも太く、丈夫でおすすめです。
コツ2:足の高さは「指一本」でキープ
ボタンを縫い付けている最中に、ボタンと生地の間に指一本分の隙間を作っておくのが理想的な足の高さです。
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縫う際、ボタンの真下に人差し指か中指をあてておき、指の厚みがそのまま「足の長さ」になるように縫い進めましょう。
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この後、指を抜いてできた隙間の根元に、糸をギュッと巻き付ければ、ボタンホールにしっかり通る丈夫な足が完成します。
コツ3:最後の玉止めは「根元に隠す」までがセット
固定縫いでガッチリ留めた後、糸を処理する際も一工夫が必要です。
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最後の玉止めを、「足」の根元の固定した部分に作ります。
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玉止めを作った後、針を布の中に通して少し離れた場所から引き抜きます。
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そのまま糸を短く切ると、玉止めが布の奥に引き込まれて見えなくなり、さらに糸が固定されてほどけにくくなります。
終わりに:失敗は最高の先生
ブレザーのボタンが取れるというちょっとしたトラブルでしたが、自分で挑戦し、そして失敗したおかげで、ボタン付けにおける最も重要な技術を学ぶことができました。
「ボタン付けは、最初の本縫いよりも、最後の固定で決まる」
これが、私の失敗と妹の知恵から得られた最大の教訓です。
私と同じようにボタン付けに挑戦する方は、ぜひ最後の「固定縫い」で、布をガッチリ掴むように針を深く通すことを意識してみてください。
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